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三代目 J Soul Brothersが果たした「挑戦」と「継承」 柴那典が新アルバム全曲を徹底分析

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 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの最新アルバム『THE JSB LEGACY』が、4月11日付けオリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得した。初週売り上げは47.6万枚。現時点で2016年最大のセールスを達成している。

 筆者は当サイト上でチャート分析コラムを長らく執筆しているのだが、基本的なスタンスとしては「ヒットしているものには、ちゃんとその理由がある」と考える派だ。「売れている=いい音楽」としてしまうと短絡的に過ぎるが、それでもヒットの背景にはそれを支えるクリエイターたちの手腕があると思っている。

 そして、三代目JSBに関して言えば、ブレイクポイントになった曲は明らかに前作アルバム『PLANET SEVEN』に収録された「R.Y.U.S.E.I.」だった。2014年の夏にリリースされたにもかかわらず各種チャートで2015年の年間ランキング1位に輝く異例のロングヒットを記録したこの曲。そこでソングライターのSTYとMaozonの果たした役割は大きかったはず。リリース当時にもこの曲について書いていたが、その時は、まさかここまでのロングセールスになるとは思っていなかった。(参照:EXILEファミリーと同人音楽の「接点」とは? チャート1位の三代目JSB新曲から読み解く

 では、今回のアルバム『THE JSB LEGACY』はどこを狙って作られているのか。制作陣のクレジットと共に、アルバム全曲に込められた意志を読み解いていこうと思う。

M1.Feel So Alive

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE / Feel So Alive

作詞:michico, CRAZYBOY、作曲:T.Kura, michico, CRAZYBOY、編曲:T.Kura

アルバムのリード曲は、アメリカ南部発祥の音楽ジャンル、トラップを大々的に導入したナンバー。サビの部分で独特のつんのめるようなリズムが用いられている。BaauerやFlosstradamusあたりを聴けば、この曲のインスパイア元を辿ることができるだろう。

 

 もともとEDMともヒップホップとも親和性の高いジャンルであるトラップは三代目JSBにもハマるタイプのサウンドではあるのだが、これをリード曲に選び、CMのタイアップもつけて大々的に押し出す戦略は相当に挑戦的だ。ブレイクを果たし勢いに乗る今の彼らの“売れ線”は「R.Y.U.S.E.I.」っぽいPOP EDMのはず。しかし、あえて今まで挑戦したことのないジャンルをJ-POP化することを選んだ彼らの姿勢をこの曲が象徴している。

 プロデュースは安室奈美恵やEXILEなど数多くのアーティストを手掛け日本のR&Bシーンを支えてきたT.Kura・michico夫妻によるもの。トラップの本場アタランタ在住のプロデューサーだけに、サウンドの持つ説得力もかなりのもの。

M2.STORM RIDERS feat.SLASH

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE / STORM RIDERS feat.SLASH

作詞:TAKANORI(LL BROTHERS), ALLY、作曲:ZETTON, SHIKATA, CHRIS HOPE

 昨年リリースのシングル曲には、元ガンズ・アンド・ローゼス、現ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのスラッシュが参加。ハードロック界を代表する世界的なギタリストとコラボし新境地を開拓した一曲だ。ただ、ミュージックビデオの世界観があまりにも映画『マッドマックス 怒りのデスロード』を彷彿とさせる仕上がりになっているため、あのヘヴィなギターリフをドゥーフ・ウォリアーが弾いてるかのような錯覚がしてきてしまったりもする。

M3.Summer Madness(feat. Afrojack)

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE / Summer Madness feat. Afrojack

作詞:STY、作曲: Afrojack, STY

 こちらも昨年リリースのシングルで、M2とM3はいわば「海外大物コラボシリーズ」。EDMシーンを代表するアーティストであるアフロジャックがトラックを手掛け、「R.Y.U.S.E.I.」を手がけたSTYがトップライン(=歌詞とメロディー)を付けることで生み出された一曲だ。

 サビに歌がなく、ビルドアップからのドロップを印象に強く残るシンセサイザーのメロディーだけで進行していくタイプの楽曲は、POP EDMのシーンにおいては一般的なスタイルだ。それでもJ-POPのメインストリームではまだまだ数少なかったがゆえに、そういう曲でもヒットしうることを示したのは三代目JSBの功績と言えるだろう。

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