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cinema staff、初のホールワンマン アグレッシブさと歌心あるパフォーマンスの融合を見せる

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 cinema staffがワンマンライブ「waypoint 2015」を12月2日、豊島公会堂で行った。本公演は10月28日にリリースされた最新EP『WAYPOINT E.P.』を携えて実施されたもので、バンド史上初のホールワンマンライブ。豊島区役所が新庁舎へ移転することに伴い来年2月に閉館が決まっている、60年以上もの歴史を持つこの場所で、従来のアグレッシブさと今のcinema staffならではの歌心あふれるパフォーマンスが融合した、非常に見応えのあるライブを展開した。

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 学校の体育館を思わせる古い作りの会場内に大勢のファンが集まったところで、定刻どおりに会場は暗転。するとSEに合わせてステージ後方に『WAYPOINT E.P.』のアートワークをモチーフにしたCG映像が映し出される。会場の雰囲気もあってか、どこか和やかな空気が漂う中メンバーが1人、また1人とステージに現れると、客席からは温かな拍手が沸き起こる。辻友貴(G)がスペーシーなギターサウンドを奏で始めると、そこに飯田瑞規(Vo, G)もギターを重ね、心地よい和音が発せられる。そして三島想平(B)、久野洋平(Dr)の演奏が加わることでそのままオープニングナンバー「salvage me」へと緩やかに流れていった。緊張感のあるバンド演奏に気持ちよく響く飯田&三島のハーモニーが乗ることで温かな空気を放ち出すこの曲で、会場の温度が徐々に上がっていくと、三島の「『waypoint 2015』へようこそ!」の挨拶を経て「AIMAI VISION」「theme of us」を立て続けに披露。バンドのテンポアップに合わせて、客席の盛り上がりも徐々に加速していった。

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 3曲終えると飯田は「今日は過去最多の曲数を用意してきました。じっくり、たっぷりお楽しみください」と観客に挨拶する。ここからバンドは「ニトロ」「奇跡」「火傷」とメジャー/インディーズ、新旧問わず人気のナンバー、久しぶりに演奏される楽曲を連発。会場の雰囲気もあって最初はどこか落ち着いた雰囲気のcinema staffだったが、曲が進むにつれてその演奏は激しさを増していき、辻や三島は演奏中のアクションもどんどん大きくなっていく。その光景はどこか懐かしさを感じさせるものがあり(飯田はライブ中「席があるから、ステージから観てると客席が映画館に見える」と感慨深げに話したが)、高校生の文化祭的な手作り感とは違った……そう、80年代前半から半ば、まだライブ会場に使えるハコが少なかった頃の海外オルタナロックバンドのライブを観ているような錯覚に陥る。そういう意味では懐かしさと同時に、これは一分一秒たりとも見逃せない、奇跡の夜になるんじゃないか。そんなことを思い浮かべながら、彼らが力いっぱい奏でる「奇跡」を手に汗握りながら聴いた。

 ライブ中盤になるとステージ中央に椅子が用意され、飯田と辻はエレキギターからアコースティックギターに持ち帰る。すると辻は椅子に座ってアコギを弾くという、普段の彼からは想像できない行動に出る。メンバーは「辻くんのいいところ、消してない?」と冗談を交えたが、ここでホールライブらしく落ち着いた雰囲気でアコースティックナンバー「unsung」をプレイ。最新アルバム『blueprint』やEP『WAYPOINT E.P.』を経て、より深みが増した飯田の歌声は原曲以上の切なさと色気を感じさせる。またバンドとしてもアグレッシブに動き、演奏するだけではない、「聴かせる」「魅せる」という新たな武器を手にしたことで、聴き手に対して曲を丁寧に届けようとしているような印象を受けた。続く「発端」では辻はエレキに持ち替え立ち上がり、飯田はアコギのまま楽曲の繊細な世界観を表現していく。そのままCDと同じ構成で「いらないもの」へとなだれ込むとバンドの熱量は急速に高まり、それに伴い演奏も激しさを増していった。

 その後、12月16日発売の最新EP『SOLUTION E.P.』から新曲「切り札」「deadman」を2連発。さらに最新アルバムから「シャドウ」、ヒットシングルの別バージョン「great escape (alternate ver.)」などアップチューンを立て続けに繰り出し、「exp」では前ツアーから恒例となったコール&レスポンスも飛び出すなど盛り上がりは佳境を迎える。そしてバラードナンバー「YOUR SONG」では同曲のプロデュースを務めた江口亮(la la larks)がゲスト参加。「自分の歌だと思って聴いてください」という飯田の言葉どおり、聴く者1人ひとりの心に深く染み込むような歌と演奏でライブ本編を締めくくった。

     
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