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矢野利裕のジャニーズ批評

Hey! Say! JUMPが担う、新世代のジャニーズサウンドとは? その「音楽との向き合い方」を検証

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矢野利裕
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 ジャニーズの新世代が次々と花開いている。なかなか取り上げる機会がなかったが、最近のHey! Say! JUMPの勢いもまた、無視できない。サウンド的に攻めた姿勢を見せつつも若干散漫な印象を受けた、前作『smart』に比べると、その次作となる『JUMPing CAR』は、とてもポップかつオシャレにまとまった好盤だ。『smart』以来の、EDMブームに配慮した強めのビートを基本に置きながらも、ウワモノをカラフルにポップに振っているのが、とても良い。重いボトムと軽やかなウワモノの見事な共存というのが、『JUMPing CAR』のサウンド的な特徴と言っていいだろう。なんとなくの印象はポップなのだが、ウワモノを全部剥ぎ取ったら、デトロイト・ハウスのようになってしまいそうな、そういうビートとベースが背後に潜んでいる。結果的に、骨太なダンス・ポップだ。

 とくに前半部にある2曲のテンションが、とてつもなく高い。「チュムチュム」と並ぶ呪文系(?)の名曲「SHen SHera SHen」は、太いビートのダンス・ミュージックにもかかわらず、不思議なポップさが獲得されている。「パンダリロン(パンダ理論)」とか歌われているが、間奏で一瞬中国風のアレンジになっている気がするのは、はたして意図的なのか。イントロにおける、細かくチョップされたヴォーカル・サンプルの配置の仕方には、民族音楽のヴォーカル・サンプルをチョップしてオリエントなエレクトロニカを作る、DE DE MOUSEの存在が思い出される。他の曲と比べて、けっして音数が多いわけではないが、細やかな工夫が施されていて素晴らしい。『金田一少年の事件簿N(neo)』(日本テレビ系)の主題歌でもある先行シングル「ウィークエンダー」も、テンションがとても高く、転調も効果的で、最高にゴキゲンな曲である。そもそも、ダン・ハートマンのガラージ・クラシック「Relight My Fire」を彷彿させるイントロの時点で、ゴキゲンなのはほぼ約束されているのである。「Relight My Fire」同様、全体的にストリングスと鍵盤が鳴り響く、新時代ディスコ歌謡の傑作である。個人的には、ディスコ歌謡のニュー・スタンダードに認定したいくらいだ。

     
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