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クラウドファンディングシングル『アウトサイダー』成功記念対談

Awesome City Club×CAMPFIRE・石田光平対談 メジャーバンドがクラウドファンディングを使う意義とは?

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左から、atagi(Awesome City Club)、石田氏、PORIN(Awesome City Club)。

 Awesome City Club(以下、ACC)が『CAMPFIRE』にて、7inch&CDシングル『アウトサイダー』制作プロジェクトのクラウドファンディングを成功させた。同企画は、ACCがファンへ向けてシングル制作にあたっての資金支援を求めたもので、パトロンとなったファンには、メンバーそれぞれからのリターンメニューや、メンバー全員とのバーベキュー、「あなたのために1曲どこでもライブやります」企画、オリジナル曲の書き下ろしなど、金額に応じてさまざまな特典を用意した。リアルサウンドでは、ACCが9月16日にリリースする2ndアルバム『Awesome City Tracks 2』のリリースに伴い、インタビュー&対談企画を実施。第一弾となる今回は、メンバーのatagi&PORINと『CAMPFIRE』を運営する株式会社ハイパーインターネッツの代表取締役・石田光平氏による対談を行い、ACCがクラウドファンディングシングルを作った理由や、メジャーレーベル所属のバンドが同サービスを利用する意味、インターネット社会におけるサバイブの仕方など、音楽とサービスの接点について、存分に語り合ってもらった。

「クラウドファンディングで受注生産的に作るのが合理的なのではないかと考えた」(atagi)

――まずはACCがクラウドファンディングで作品を制作することになった理由を教えてください。

atagi:僕自身に、かねてから7inchレコードを作りたいという憧れがあったことが大きいです。近年は、海外や国内、ベテラン・若手問わず、7inchレコードをリリースしていますし。ただ、具体的にどうすればよいか、何枚生産すればいいかなどがわからず……。欲しい人に確実にレコードが行き渡るようにするには、クラウドファンディングで受注生産的に作るのが合理的なのではないかと考えたんです。

――ではここで石田さんにいくつか質問です。様々な人が多様な目的でクラウドファンディングを利用しますが、そのなかで音楽に関わるプロジェクトの割合はどれくらいでしょう?

石田光平(以下、石田):『CAMPFIRE』のプロジェクトは19カテゴリに分類されるのですが、そのなかで音楽の占める割合は全体の25%ほどですね。「音楽」というジャンル内では、「CDなどの音源を制作する」「ライブ・イベントを開催する」プロジェクトが多いです。アイドルに関するプロジェクトもあります。

――そのなかで、受注生産的な使い方をするのは全体の何%くらいですか。

石田:三分の一くらいですかね。僕個人として、ACCの取り組みは、ただCDやアルバムなどを制作するだけでなく、一歩進んだ「遊び心」があるプロジェクトだったので、すごく面白いと感じました。もちろん、実験的な分、上手くいかなかったときのリスクもあるわけですが、今回のように大きくサクセスしたことに意義もあると思います。

――なるほど。なぜACCは数あるクラウドファンディングサービスから『CAMPFIRE』を選んだのでしょう。

atagi:面白い試みや若手のミュージシャンたちがよく『CAMPFIRE』を利用しているのを目にしていて、自分たちの企画もお任せしたらスムーズに行くのではないかと想像できたし期待が持てたからです。石田さんは、なぜこういうサービスを始めたんですか?

石田:僕自身はミュージシャンでもアーティストでもありませんし、曲も作れないし絵も画けないしプロデュース的なこともできません。でも、世の中を見渡すと、そんなアーティスト達にお金を出資することで関わりをもっている人たちがいることに気付いたんです。そこにより多くの人が関われば、何百万円・何十万円単位ではなく、数百円程度から関われるようなシステムになって面白いなと思って、『Kickstarter』などのクラウドファンディングサービスに目を付けましたが、日本にはまだそのシステムがありませんでした。それなら自分がやろうと思ったのがきっかけですね。僕自身もお金を出すことでアーティストと関わりたいという気持ちが強いため、『CAMPFIRE』内だけでもこれまで100件以上のプロジェクトに、数十万円単位で支援を続けています。

atagi:「やろう!」と思って作れるノウハウはあったのでしょうか。

石田:全然ありませんでしたし、日本では法律的にこのようなシステムは違法なのではと思ったところで一度躓きました。調べてみたら、日本では出資法や金融商品取引法などが存在しますが、『CAMPFIRE』は“お金を出して物をもらう”、つまり単なるECサイトと同じものなので、それらの法律は当てはまらないということがわかり、あとはスムーズに行きました。

atagi:僕たちも、実際に『CAMPFIRE』のシステムを使わせてもらう立場になって、音楽以外にも様々なプロジェクトを見たのですが、「これを今まで見逃していたのか……」というくらい面白い企画が沢山ありましたね。

石田:クラウドファンディングの良いところは、「CDや本の裏に自分の名前が載る」や「映画のエンドロールに自分の名前が載る」といったように、普通に購入するだけでは得られない、作品に関わっているという思い入れや、体験を共有できることだと思います。

――PORINさんは今回のプロジェクトを通して、何を感じましたか?

PORIN:音源を新しい形で提案できたことは、一番良かったことだと思います。また、ファンの方にとっては、リターンの大きさに応じてメンバーとの距離感が近くなるというのも面白かったです。もっと反対意見が出てくると思っていましたが、良い感じに盛り上がって安心しました。

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