「宗像明将の現場批評〜Particular Sight Seeing」第15回『ギュウ農フェス vol.2』
BiSHの現場が動物化!? 熱狂と波乱のギュウゾウ主催フェスを徹底レポート
一時期からBiSの熱狂的な研究員(BiSファンの総称)になり、周囲から心配されるほどだった電撃ネットワークのギュウゾウ。すっかりアイドルに目覚めてしまった彼が主催しているアイドルイベントが『ギュウ農フェス』だ。2015年6月14日に、第2回目である『ギュウ農フェス vol.2 羽田空港アイドルフライトだっぺ!』が開催された。
そう、タイトルにもあるように、なぜか会場は羽田空港の一角にあるTIAT SKY HALL。国際旅客ターミナルを通過して会場に向かうのだが、うっかり出国してしまったヲタが数人いても不思議ではない空間だ。
イベントは、ギュウゾウの前説からスタート。「下の階から怒られるので、とにかくジャンプだけはしないでほしい」と伝えられて本編がスタートした。
トップバッターのエレクトリックリボンは、すべての楽曲のソングライターでありトラックメイカーであるasCaを中心とした5人組テクノポップグループ。前回の『ギュウ農フェス』(2015年2月27日)では、5人体制のお披露目も行った。
しかし、登場してみるとなぜかひとりだけビキニの水着のメンバーがいた。そのericaは「指原莉乃がAKB48総選挙で1位になったら自分も水着でライブをする」という公約を掲げていたため、それを実行することになったのだが、その公約を知らない観客は「メンバーのひとりがビキニ姿で缶ビールを飲んでいる」という不可解な光景を目にすることになった。
「steal me」からキックの音がいきなりフロアの熱気を上げ、夏の楽曲である「波音チューニング」では、たわわに揺れる胸(のような気がした)で踊るericaの姿も印象的だった。最後の「クリームソーダ」は、asCaのポップセンスが発揮されたキャッチーな配信シングルだ。
二番手のガールズq/bは、栃木県の4人組グループ。巫女のような衣装である。1曲目の「JUMP!!」では、まずイントロの音を下げて自己紹介をして、それから音量を上げて歌に入るという珍しい展開をしていた。「JUMP!!」はロックだったが、2曲目の「ナイトエクスプレス」でエレクトロなダンスチューンに急に変わったのにも驚いた。
3組目のアイドルネッサンスは、過去の名曲を歌う7人組で、登場とともに熱い歓声が湧きおこった。ユニコーンの「PTA~光のネットワーク」のカバーでは、原曲がTM NETWORKのパロディーであったことを忘れるほど、ダンスのキレやヴォーカルの安定ぶりに魅了された。木村カエラのカバーである「BANZAI」でのダンスパフォーマンスも見事。煽りをしなくても、自然発火的にフロアが盛りあがってしまうのだ。以前見たときよりも一段とブラッシュアップされた印象だ。フジファブリックのカバー「夜明けのBEAT」での、縦一列になって描いた円を一気に崩すような動きや、THEイナズマ戦隊のカバー「手を打ち鳴らせ!!」でのフォーメーションの美しさも特筆したい。UNISON SQUARE GARDENのカバー「ガリレオのショーケース」はロックだが、激しい動きでもメンバーのパフォーマンスはブレることがなかった。そして、これまでのシングル表題曲をセットリストに入れなくても、1セットを構成できてしまう現在のアイドルネッサンスの実力を見せつけたステージだった。