2ndミニアルバム『奇跡に触れる2つの約束』インタビュー
ユビキタスが実践する、リスナーとの新たな向き合い方「ライブでつながりを感じる時がすごく楽しい」
大阪を中心に活動する3ピースロックバンド、ユビキタスが9月24日、2枚目となるミニアルバム『奇跡に触れる2つの約束』をリリースした。素直な気持ちや直感を大事にした歌と、豊かなアレンジによる楽曲やライブが評判となり、SNSを通じて人気を拡大してきた彼ら。初のインタビューとなる今回は、メンバー3人に自身の歌やライブの特徴と、ファンとのコミュニケーションの在り方について、さらには今後の展望までじっくりと語ってもらった。
「偶然にも狙ったように自然と歌が前に出てきた」(黒田)
――結成は2012年10月のあるイベントをきっかけに、遊び感覚で…と聞いていますが、実際はどうだったのでしょうか。
黒田保輝(以下、黒田):3人は元々違うバンドのメンバーだったんですけど、仲良くなってそれぞれのバンドが出るイベントを企画したんです。ユビキタスはそのイベントのために組んだバンドだったんですよね。
――歌の力がとても印象です。それは結成当初から?
黒田:初めてユビキタスで曲を作って、スタジオでアレンジしたら、偶然にも狙ったように自然と歌が前に出てきたのを覚えてますね。僕がオリジナルのバンドをはじめたのは19歳くらいだったんですが、元々歌がすごく好きで。ユビキタスでは素直な気持ちや直感を大事にして歌で表現できると思えたんです。
北原弘規(以下、北原):黒田の作る歌は、キャッチーで聴きやすいんですよね。自分に持っていないものを持っていて、こいつとバンドやったら俺ももっと成長できるかも、とも思えましたね。
――日常性やリアリティを基点にしつつ、一歩踏み込んだ“自分はなぜ生きているのだろう”というような思索的な歌詞がどの曲にも見られる点も印象的です。歌詞はどのようなことを意識して書いているのでしょうか?
黒田:制作を始める段階で歌詞はお客さんのことを考えて書いているんですけど、その最中で自分や家族やメンバーのことになったり、あとは妄想したり、生き方のことを考えたりとといろんな世界が1曲の中にはいってくるんです。それと、僕らはライブバンドとして認識してもらいたいという思いがあります。なので、僕らのライブではお客さんが聴いて、泣いて、騒げるというような純粋な気持ちに帰れる場所になってほしいと思っています。それがこのバンドのコンセプトなので、基本的には聴いてくれる人のことを考えて歌詞を作っています。
――そのライブでは動員数が増えているようですね。
北原:一気に増えたというイメージではなくて、徐々に増えてきているっていう感じですね。バンドが止まっていない感じがして嬉しいですね。そのお客さんはYoutubeで公開しているMVやTwitterからユビキタスのことを気になってくれた人が多いみたいで、ネット上での口コミというのもあったようです。
イシカワヨシノリ(以下、イシカワ):僕らはTwitterでもお客さんと気をつかわない関係に近いというか。お客さんと仲良くなって、増えているという感覚なんです。バンドも素でいられて、スタジオでやっていることをそのままステージでもやっているという良い意味で楽な雰囲気でやれてますね。
――ライブ演奏中に感じたことが曲作りに反映したことは?
黒田:「僕の証明」という曲があるんですけど、ライブのあとに、お客さんがきてくれて“あの曲で変われました”と言ってくれたことがあるんです。「僕の証明」を聞いて、就職してた人がやめて専門学校に通いはじめたという話も聞きましたし、あの曲は何かしら人の心を動かせられる力があるんだなと感じたので、それからは曲に作るにあたって責任感を感じるようになりました。