THE ORAL CIGARETTESはなぜ“肉食系”と呼ばれる? 関係者証言からバンドの実像に迫る

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 7月16日にシングル『起死回生STORY』でメジャーデビューを果たしたロックバンドTHE ORAL CIGARETTES。彼らは7月18日に行った東京での初のワンマンライブで、700人収容可能な渋谷・CLUB QUATTROを満員にするなど、今もっとも勢いを感じさせるバンドのひとつだ。

 現在、バンドシーンを中心に新世代のロックバンドが数多く台頭するなか、THE ORAL CIGARETTESはそのパフォーマンスの激しさなどから“肉食系バンド”とも評されている。デビュー前の関西時代から彼らのライブを観てきた、タワーレコード梅田NU茶屋町店のバイヤー・石川氏はこう証言する。

「メ ンバーに会った時の第一印象は『チャラ! うるさっ!』という感じでしたが、その後、初めてライブを観た時に、その印象は覆されました。彼らが肉食系と言 われているのは、普段の生活では爆発できない何かを発散させてくれるバンドで、何よりメンバーがその勢いを爆発しているからではないでしょうか。ライブや 音楽は一種の現実逃避でもあると思うので、どんどん引っ張ってくれる彼らのようなバンドに、お客さんが惹かれるという理由もわかります」

 石川氏も言うように、彼らの特徴のひとつはMCにも表れている“煽り”の要素だ。「お前ら付いてこいやー!」や「お前ら踊れー!」など、ライブ中は畳み掛けるようなMCで観客を引っ張っている。

 彼らのパフォーマンスは、音楽業界のキーパーソンたちの心も掴みつつある。スペースシャワーネットワーク執行役員の石田美佐緒氏はTHE ORAL CIGARETTESの魅力について、以下のように語る。

「THE ORAL CIGARETTESを最初に見たのは、2012年12月に渋谷WWWで行われたオーディション『MASH FIGHT!!』です。アグレッシブでフィジカルなパフォーマンス力、演奏力、メンバーの個性、ルックスの良さも含めて強い印象が残りました。また、ライブではお客さんを鼓舞する熱いパフォーマンスをするメンバーが、実は奈良の素朴な青年で、アグレッシブなライブと相反した親しみやすいチャーミングなMCも魅力的です」

 現在はMASH A&Rでプロデューサーも務めている石田氏は、彼らの秘めたる可能性についてもこう語った。

「THE ORAL CIGARETTESは、お客さんと、共に成長していく可能性を秘めたバンドだと思っています。すでにフェスで大合唱が起こるアンセム的な名曲が数曲あります。フェスで勝ち上がっていける“肉食系”なステージングとバラードを歌ってもボーカルの艶っぽい声が活かされ、お客さんを釘づけにする魅力がある。ロックキッズからの支持も得つつ、幅広いファンを獲得していくような気がしています」

 激戦の続くバンドシーンから、武道館、アリーナクラスへ。“肉食系”ならではのパワーで彼らがどこまで上り詰めるのか注視していきたい。

(文=編集部)

■リリース情報
『起死回生STORY』
発売:2014年7月16日
価格:初回生産限定盤 ¥1,600(tax out)
   通常盤 ¥1,200(tax out)

<収録曲>
1.起死回生STORY
2.N.I.R.A
3.出会い街
4.See the lights

<初回生産限定盤DVD収録内容>
「オーラルナイトニッポン特別編~メジャー1発目は派手にやるぜの巻~」
2014.03.21 HighAppsから「逆恨み小僧」「N.I.R.A」を収録、そして唇フェスツアー2014東京公演から「Mr.ファントム」とそのドキュメンタリーを含む約30分を収録

通常盤は初回プレス分のみオリジナルジャケットステッカー封入

<official site>

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