世界は初音ミクをどう見たか? PolicyMic「ポップ・ミュージックの未来について興味深い問題提起」
ボーカロイドと初音ミクの創作文化を世界に紹介するイベント「HATSUNE MIKU EXPO 2014 in Indonesia」が5月28日・29日の二日間に渡りインドネシアのジャカルタで開催された。初音ミクのライブパフォーマンスをはじめ、コスプレ体験やメイクアップ、初音ミクを生み出したクリプトン・フューチャー・メディア社の代表取締役・伊藤博之氏によるパネルディスカッション、クリエイター作品の展示やホワイトボードに自由にミクを描けるスペースなど様々なコーナーや企画が展開された同イベントは両日で1万人もの現地ファンを動員。現地メディアでも大々的に取り上げられるなど大盛況のうちに幕を閉じた今回のイベント成功は、改めて初音ミクのアジア諸国における人気を証明する形となった。
元々日本のポップカルチャーに関心の高かった層に加え、最近ではそれ以外−いわゆる「音楽村」の住人たちからも初音ミクへの関心が高まってきている。世界で最も影響力のある音楽オンラインメディアの一つ「ピッチフォーク」は5月16日付けの記事で「日本のデジタルポップスター・初音ミクの人気は西欧諸国でも浸透するか」と題した記事を掲載。同記事では「なぜ有名ミュージシャンは初音ミクを愛してやまないのか」というテーマでゼッドやライアン・ヘムズワース、ポーター・ロビンソン、そしてレディー・ガガといったアーティストやプロデューサーが初音ミクとコラボレーションを行う理由を分析。日本政府の推進する「クールジャパン・プロジェクト」の影響に加え、初音ミクがバーチャルな存在であるためミュージシャンの自己表現に適すること(対人間の際に発生するような煩わしいことが初音ミクでは心配ないこと)、そして幼いころにセーラームーンやポケモンで育った世代が成人となり、日本のポップカルチャーの見え方が「オタク的」なものから変化しつつあることを指摘している。(参考:Pitchfork)