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ターボ向後のマニアック音楽シーン探訪

鬼才MV監督カニンガムや俳優マイク・マイヤーズの作品も 注目の洋楽ドキュメンタリー4選

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 今年公開から50周年を迎え、大々的な再上映が行われるビートルズの『A HARD DAY'S NIGHT』に端を発し、日本でも公開されヒットを記録した『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』など、数々の歴史的ドキュメンタリーを生み出してきた洋楽シーン。洋楽の歴史は、音楽を奏でるミュージシャンと、その音の核となるものを「どう映像化するのか?」という映像制作者との、丁々発止のやりとりの記録でもあった。

 近年、堀内博志監督による傑作ドキュメンタリー『加地等がいた 僕の歌を聴いとくれ』や、音楽と映像の融合をめざしたプロジェクトであるMOOSIC LAB、近日公開されるSEKAI NO OWARIの映画など、邦楽においても「音楽と映像」をどうエンタテイメントとしてシンクロさせるかの試みは増加しているが、洋楽におけるそれはいまだにその質と量において、日本のロック&映像シーンを凌駕しているのではないかと思う。

 そこで今回は今年公開&配信される注目の洋楽ドキュメンタリー作品をいち早く紹介、その多様性と豊潤さに触れていただきたい。

鬼才MV監督クリスカニンガムが2年の歳月をかけて挑んだ初ドキュメンタリー
WARPAINTの『LOVE IS TO DIE』

 クリスカニンガムと言えばBjorkの「ALL IS FULL OF LOVE」や、APHEX TWINの「COME TO DADDY」など、その狂気ともいえる映像技法によってミュージックビデオシーンの神童とよばれた映像作家だが、長い沈黙を破って公開を予告されたのが、妻であるJenny Lee Lindbergが所属するバンドWARPAINTの最新作の制作ドキュメンタリー『LOVE IS TO DIE』である。

Warpaint - Love Is To Die(Chris Cunningham Official Documentary Excerpt)

 制作ノートによれば単なるドキュメンタリーではなく、カニンガムによる「バンドの音からインスパイヤされたオリジナル映像」もふんだんに盛り込まれているというこの作品。アルバムが完成するまでの2年間を追いかけた作品であるとのことだ。「ドキュメンタリーを制作しようとしたわけではなくバンドの音楽に向き合ったら必然として"ドキュメンタリーのようなもの"になっただけ」と監督自身が語るなどしており、いまだその全容は謎に包まれているが、今年の洋楽ドキュメンタリー最大の話題作である事には間違いない。

あのオースティンパワーズのマイク・マイヤーズの初監督作品
伝説の音楽マネージャーを題材にした『Supermensch: The Legend of Shep Gordon』

 60年代の傑作アルバムジャケットを撮影したHenry Diltzのドキュメンタリー『UNDER THE COVERS』や、エンジニアであるトムダウドを主人公とした『いとしのレイラをミックスした男』など、洋楽においてはミュージシャンのみならず、その周辺で彼等の音楽を支えた裏方達の映像作品も数多く制作されている。ウェインズワールドやオースティンパワーズで自らのロックマニアぶりをいかんなく発揮した俳優・マイク・マイヤーズが、初監督作品の題材に選んだのは業界において「レジェンド」と呼ばれてるマネージャーShep Gordon。

SUPERMENSCH: THE LEGEND OF SHEP GORDON - Official Trailer

 1970年代にジャニス・ジョプリン、ジミー・ヘンドリクス、そしてALICE COOPERのブレイクに尽力し、蜘蛛女のキスやベティーブルーといった傑作カルト映画の制作にもかかわった彼のマネージメント哲学を解き明かそうとする本作は、引退後のダライラマとの交流など、氏の波乱万丈な「ロックマネージャー歴」に迫る異色の作品だ。

 日本でも神聖かまってちゃんのマネージメントを務める劔樹人氏など、ミュージシャンと同じくらい被写体として魅力的な制作畑の方は多数存在しており、今後邦楽においてもそうした方々のドキュメンタリーを観たいと思うのは、きっと筆者だけではないだろう。

     
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