ノイキャン標準搭載でお買い得になった?! Appleの新型『AirPods 5』と『Apple Watch Series 12』、気になる価格と進化点をまとめてチェック

『AirPods 5』と『Apple Watch Series 12』

 Appleは9月10日(米国時間9月9日)、新製品発表イベント「Surprise and shine.」において、新型ワイヤレスイヤホン『AirPods 5』と新型スマートウォッチ『Apple Watch Series 12』『Apple Watch Ultra 4』を発表した。

 『AirPods 5』についてはノイズキャンセリング性能や音質、『Apple Watch Series 12』『Apple Watch Ultra 4』については健康センシングやバッテリー、AIを使った新機能などが強化された。従来モデルから何が変わったのかを詳しく見ていきたい。

『AirPods 5』はノイキャンが標準搭載、音質も強化

 まず、『AirPods 5』は2024年に発売された『AirPods 4』の後継モデル。イヤーチップを使わず、周囲の音を聞きながら音楽や通話を楽しめるオープンイヤー型のデザインを引き継いでいる。

 大きく変わったのがANC(アクティブノイズキャンセリング)の扱い。先代の『AirPods 4』ではANC搭載モデルと非搭載モデルの2種類が用意されていたが、『AirPods 5』ではANCの搭載を標準とする。これによって、Appleが展開する「AirPods」ファミリーはいずれもANCを搭載することになった。

 そして、Appleによれば、新しいマルチポート音響アーキテクチャと改良されたコンピュテーショナルオーディオによって、『AirPods 4』のANC搭載モデルと比べて最大50%多く外部ノイズを低減できるようになったという。オープンイヤー型でありながら、より騒音を抑えて音楽を聴けるようになった。

 外部音取り込みモードもさらに改良され、周囲の声や音をより自然に聞けるように。環境に合わせてANCと外部音取り込みモードを自動で切り替える「適応型オーディオ」にも対応するほか、会話を始めると再生中の音量を自動的に下げる「会話感知」も利用できる。

 音質についても強化された。新しいマルチポートの音響アーキテクチャと次世代のアダプティブイコライゼーションを採用し、さまざまな耳の形に合わせて、より豊かで細かな音を再生できるとしている。また、耐久性も高めており、雨や汗、ホコリへの耐性を強化した。

 ラインアップは、『AirPods 5』と『AirPods 5 with Wireless Charging Case』の2モデル。価格はそれぞれ2万3800円、2万7800円となる(どちらも税込)。『AirPods 5』は、ANCを有効にした状態で最大4時間の連続再生が可能。充電ケースと組み合わせた場合は、最大20時間再生できる。

 『AirPods 5 with Wireless Charging Case』は、ANC使用時で最大5時間、ケースを併用すると最大22時間再生できる。こちらは再設計したバッテリーセルを採用しており、付属するワイヤレス充電ケースはApple Watchの充電器やQi対応充電器、USB-Cによる充電に対応する。

 さらに、『AirPods 5 with Wireless Charging Case』では、オープンイヤー型のAirPodsとして初めて、ステムを上下にスワイプして音量を調整できるようになった。『AirPods Pro 3』で採用されている操作方法を取り入れた形だ。

 『AirPods 5』では、Apple Intelligenceを活用した新機能にも対応する。

 対応するiPhoneと組み合わせることで、「Siri AI」をハンズフリーで利用できる。メッセージやメール、写真などの個人情報をもとに質問したり、アプリを操作したりすることが可能だ。たとえば、友人がメッセージで勧めていた曲を再生したり、メールに記載されたレストランの予約をもとに道順を調べたりできる。

 Siriへの応答にはジェスチャー操作も利用できる。首を縦に振ると「はい」、横に振ると「いいえ」と認識する。

 ライブ翻訳にも対応する。「翻訳」アプリで翻訳する言語を設定したうえで、両方のステムを同時に押すか、「Siri、ライブ翻訳を開始」と話しかけることで起動できる。iPhoneのアクションボタンから呼び出すことも可能だ。

 ちなみに、「AirPods 5」シリーズでは、ワイヤレス充電非対応モデルの価格は据え置かれている一方、ワイヤレス充電対応モデルは従来の32,800円から27,800円へ値下げされた。先代モデルよりも5,000円安くなっており、より購入しやすい価格になったのは嬉しいところだ。

 さらに、ワイヤレス充電は必要ないものの、アクティブノイズキャンセリング(ANC)は欲しいというユーザーにとっては、従来の32,800円から23,800円へと9,000円も安くなる計算だ。iPhoneの価格が引き上げられるなか、「AirPods 5」シリーズはサプライズともいえる価格設定になった

『Apple Watch Series 12/Ultra 4』は健康管理とバッテリーを強化

 『Apple Watch Series 12』は、日常の健康管理やフィットネス、通知確認など幅広い用途に向けたスタンダードモデル。『Apple Watch Ultra 4』は、スポーツやアウトドアなど、よりハードな使い方を想定した上位モデルだ。

 『Apple Watch Series 12』はアルミニウム、チタニウム、セラミックの3種類のケースを用意する。アルミニウムはスペースグレイ、ブラック、ライトゴールド、ダークブロンズ、チタニウムはポリッシュド・ラディアントゴールドとナチュラル、セラミックはパールホワイトとナイトブルーを展開。『Apple Watch Hermès』ではラディアントゴールドのチタニウムケースも選ぶことが可能だ。

 アルミニウムには100%再生アルミニウム、チタニウムには100%再生チタニウムを使用。アルミニウムモデルの前面には「Ceramic Shield 2」を採用し、従来のIon-Xガラスより耐久性を60%高めたとしている。

 『Apple Watch Ultra 4』はブラックチタニウムとナチュラルチタニウムの2色。新しいチタニウムバンドも用意する。

 両モデルとも新しい「S11」を搭載する。省電力性を高めた常時稼働プロセッサーで、音声処理を安全に行うための専用オーディオバッファも備える。CPU、GPU、Neural Engineは「A20 Pro」をベースとしており、Appleは同社で最もパワフルなウェアラブル向けチップとしている。

 バッテリーについても強化された。『Apple Watch Series 12』は通常使用で最大24時間、15分の充電で最大12時間使用できる。『Apple Watch Ultra 4』は通常使用で最大50時間、低電力モードでは最大84時間。GPSと心拍数測定をフルに使用するワークアウトでは最大18時間、さらに「拡張/最大ワークアウト」モードでは最大45時間となる。100マイルレースのような長時間競技も想定した仕様だ。

 『Apple Watch Series 12』と『Apple Watch Ultra 4』には、新しい「ヘルスセンシングシステム」を搭載した。心電図(ECG)用電極の表面積を同じ筐体サイズのなかで拡大し、皮膚との接触性を改善。フォトダイオードはリング状に配置して光を効率よく取り込めるようにしたほか、従来よりサイズが大きく、消費電力も抑えた緑色LEDを搭載する。

 心拍数は5秒ごと、心拍変動(HRV)は5分ごとに測定する。Appleは「ウェアラブルデバイスとして最も正確な心拍数トラッキングを実現した」としており、ランニング、サイクリング、HIITなどを行う数百人を対象に、ECG胸部ストラップを基準として精度を検証したという。

 心拍数アプリも更新され、文字盤のコンプリケーションから、より頻繁に測定された心拍数を確認できるようになる。

 新機能として「準備度」も追加する。最近のアクティビティ、バイタル、睡眠などを分析し、その日のコンディションをスコア化。「休養」「無理せずに」「準備完了」「絶好調」の4段階で状態を表示し、トレーニングの強度を上げるか、休むかを判断する材料として利用できる。iPhoneのフィットネスアプリからも確認可能だ。

 iPhoneのヘルスケアアプリも刷新する。Apple Intelligenceによる要約やパーソナライズされたアドバイスに加えて「インサイト」タブを新設し、睡眠、VO2 maxの記録、レディネス、心臓の健康などをまとめて確認できるようになる。

 さらに、Apple Watchで測定したVO2 maxや睡眠データと血液検査のバイオマーカーを組み合わせ、健康状態を実年齢と比較する「Health Age」も導入する。「Longevity」タブでは、睡眠、運動、心臓の健康など、長期的な健康状態に関する情報をまとめて確認できる。

 検査結果は手動で入力できるほか、医療記録との同期にも対応。米国では、50種類以上のバイオマーカーを調べるQuestの血液検査を119ドルで提供する。また、iPhoneのカメラとApple Watchを運動中に組み合わせてVO2 maxを測定し、結果をすぐに確認できる新しいテストも用意する。刷新されたヘルスケアアプリは年内に米国英語から提供を開始し、その後、ほかの言語にも対応する予定だ。

 音声関連では「Audio Intelligence」も導入する。周囲のサイレン、警報、ドアベル、赤ちゃんの泣き声などを音声認識で検出し、Apple Watchに通知する。iPhoneが近くにない状態でも本体上で処理でき、聴覚に障害のあるユーザー向けのアクセシビリティ機能としても利用できる。

 「ライブ早戻し(Live Rewind)」では、直前15秒間の会話を文字起こしして確認できる。デジタルクラウンを2回押して呼び出す仕組みで、レストランで注文した料理の名前や、会話中に出てきた同僚のアイデアなどを後から確認できる。文字起こしした内容についてSiriに質問することも可能だ。

 「Siri Recap」では、会話を記録してタイトルや要約、重要なポイントを生成する。会議や保護者会など、ある程度まとまった会話を後から振り返る用途を想定している。生成された内容はSiriアプリから確認でき、メモを取るタイミングはスケジュール設定やコントロールセンターから操作できる。

 「ライブ早戻し」と「Siri Recap」では生の音声を録音・保存せず、Appleが音声データにアクセスすることもないとしている。会話に参加している人物の識別も行わない。文字起こしや「Siri Recap」のデータをiCloudで同期する場合は、エンドツーエンド暗号化で保護する。

 これら2機能はSiri AIが必要で、英語版のベータ機能として年内に提供を開始する。その後、対応言語を順次拡大する予定だ。『Apple Watch Series 12』は7万1800円から、『Apple Watch Ultra 4』は14万2800円から(どちらも税込)。9月10日から予約注文を受け付け、9月18日に発売する。

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