その名は『iPhone Duo(アイフォーン デュオ)』、Apple初の折りたたみスマホついにデビュー! 折りたたむと5.4インチ、開けば7.6インチの新たなカタチ

Appleは9月10日(米国時間9月9日)、同社初となる折りたたみ式iPhone『iPhone Duo(アイフォーン デュオ)』を発表した。閉じた状態では5.4インチの外側ディスプレイ、開くと7.6インチのディスプレイを使える。普段はスマートフォンとして持ち歩き、必要なときにはタブレットに近い大画面へ切り替えられるという、新たなフォームファクターを採用したiPhoneだ。
折り目を抑え、薄さにもこだわる。「Duo」はどう作られた?
折りたたみスマートフォンは、これまでSamsungやHuaweiなどが先行してきた分野だが、そこに遅れる形でAppleも参入する格好となった。Appleが『iPhone Duo』で目指したのは、普段はポケットに入れて持ち歩けるiPhoneのサイズ感を保ちながら、必要なときだけ大きな画面を使える端末だ。
スマートフォンの画面を大きくすれば、動画や写真、ゲームはもちろん、Webサイトやメール、メッセージなども見やすくなる。一方で、本体まで大きくなれば持ち運びにくくなる。『iPhone Duo』は、こうした相反する使い勝手を「折りたたみ構造」で両立しようとしている。
Appleは既存の折りたたみスマートフォンについて、「2台のスマートフォンを組み合わせたように感じられるものがあり、正方形に近い画面では縦長のコンテンツを見にくかったり、映画を表示すると大きな黒帯が生じたりする」と説明。
そこで『iPhone Duo』では、開いた状態でも縦向き、横向きのどちらでも使いやすい画面比率を採用。外側と内側のディスプレイで一貫したアスペクト比を持たせ、閉じた状態から開いた状態へ移っても、コンテンツや操作方法が大きく変わらないようにしている。
Appleはハードウェアだけでなく、OSも『iPhone Duo』に合わせて設計した。大画面では2つのアプリを並べて使ったり、同じアプリを2つのウインドウで表示したりできる。ブラウザの画面を左右に並べて商品を比較する、といった使い方も可能だ。つまり「iPhone Duo」は、スマートフォンとタブレットを別々に持ち歩くのではなく、1台のiPhoneを開閉することで使い分けることを狙った製品となっている。
本体はパスポートに近いサイズ感を意識したデザインで、閉じた状態でも片手で持ちやすい。開くと左右の本体が一続きのフレームとなり、中央に7.6インチのSuper Retina XDRディスプレイが現れる。細く均一なベゼルを採用し、縦向き、横向きのどちらでも広い表示領域を利用できる。本体を開いたときの厚さは、Apple史上最薄のiPhoneだという。
フレームにはグレード5チタンを採用。中央の構造部は、グレード5チタンの3倍の強度を持つセラミックファイバーで補強している。背面にはCeramic Shield、前面にはより強度の高いCeramic Shield 2を採用し、IP68の防塵・防水性能にも対応する。
ヒンジには100個以上の小型精密部品を組み込み、開いたときにディスプレイを平らに保つ。可変トルク機構で開閉の動きを制御し、磁石アレイによって閉じた状態では左右の側面を固定する。
内側のディスプレイは7.6インチで、『iPhone 18 Pro Max』より50%、『iPhone 18 Pro』より80%大きな表示領域を持つ。外側には5.4インチのディスプレイを搭載し、画面面積は『iPhone 18 Pro』の90%に相当するという。
折りたたみスマホといえば、強度のほかにもう一つ気になるのが「折り目」の仕上がり。これについても、カーボンファイバー製のサポートプレートでディスプレイを支えるほか、製造時にAIアルゴリズムでヒンジとハウジングを精密に調整。さらに、コンフォーカルレーザーで各端末の表面形状をスキャンし、カスタムフォトポリマーを最大25層にわたって3Dプリントすることで、微細な波打ちを抑えている。
反射や映り込みにも対策を施し、カスタムのナノテクスチャー仕上げを採用。カバー層にはカスタムポリマーと耐傷コーティングを施し、ディスプレイの各層が滑らかに動く構造とした。認証方式にはTouch IDを採用。側面ボタンに指紋センサーを組み込み、閉じた状態でも開いた状態でも認証できる。スピーカーは本体の上下に配置し、縦向き、横向きのどちらでも空間オーディオを楽しめる。
大画面を生かす「iOS 27」と「A20 Proチップ」、カメラにも新機能
SoCには「A20 Pro」を搭載。2枚のディスプレイを同時に駆動する新しいディスプレイエンジンを備え、外側から内側へ移る際も滑らかに表示を切り替える。熱設計も強化し、新しいチップパッケージとベイパーチャンバーを採用。オンデバイスAIや高フレームレートゲームなどで高い性能を維持でき、持続性能は『iPhone 17 Pro』と比べて最大35%向上するという。
通信にはApple独自の「C2」セルラーモデムを搭載。「C1X」と比べてアップロード速度は最大50%高速化し、米国向けモデルでは5Gミリ波にも対応しながら消費電力を15%削減した。SIMは世界共通でeSIMのみ。物理SIMスロットを省いたことで内部スペースを確保し、左右に分けて配置したバッテリーを搭載する。2つのバッテリーを1つのシステムとして管理し、動画再生時間は内側のディスプレイで最大31時間、外側で最大44時間。両方を同程度に使った場合は最大24時間としている。
急速充電にも対応し、約20分で最大50%まで充電可能。5分間の充電でも、外側のディスプレイを使った動画再生で最大5時間分の駆動時間を確保できる。iOS 27も折りたたみ構造に合わせて設計されている。重要なコントロールを画面の側面へ移し、外側から内側へ移るとコンテンツが自然に拡大する。大画面では2つのアプリを左右に並べたり、同じアプリを2つのウインドウで表示したりできる。アプリの入れ替えや位置変更もジェスチャーで行える。
本体の向きや開き具合にも対応し、途中まで折りたたんだ状態でも利用可能。テーブルに置けば充電中でなくても「スタンバイ」モードへ移行し、天気やカレンダー、音楽などを表示できる。開発者向けには新しいAPIや更新されたAPIを提供。Zoomでは共有コンテンツと通話参加者を同時に表示でき、Slackではワークスペース全体を表示できる。「Detail」は新しいCore AIフレームワークを利用し、AIモデルを端末上で実行してコンテンツ制作を支援する。2026年後半にはUSB-C接続のApple Pencilも内側、外側の両ディスプレイで利用できるようになる。
カメラは背面に48MPのFusionメインカメラと48MPのFusion超広角カメラを搭載。メインカメラは大きなセンサー、明るい絞り、光学式手ブレ補正を備え、2倍の光学品質テレフォトや4K/120fps動画撮影にも対応する。
本体を自立させて4K Dolby Vision HDRのタイムラプスを撮影するといった、折りたたみ構造を生かした撮影も可能。48MP Fusion超広角カメラは『iPhone 18 Pro』と同じカメラを採用し、新しいフォトグラフスタイルにも対応する。
フロントにはセンターフレームカメラを搭載し、本体を回転させずに縦向き、横向きの双方で撮影できる。内側のディスプレイ下にもFaceTimeカメラを備え、「デュアルキャプチャ」では前面と背面の映像を同時に共有できる。「Duo FaceTime」では、外側のディスプレイを使って近くにいる人を通話へ加えることも可能だ。
外側のディスプレイを使えば、背面カメラでの自撮り時に構図を確認できるほか、撮影される側も自分の姿を確認できる。子どもの撮影では「キッズキュー」がアニメーションを表示し、カメラへ視線を向けてもらいやすくする。
さらに、「A20 Pro」とオンデバイスAIモデルを活用した「スマート撮影」も搭載。カメラがシーンをリアルタイムで認識し、全員の準備が整ったタイミングで自動撮影する。全身を収めたワイドアングルのセルフィーなど、従来のiPhoneとは異なる撮影方法にも対応する。
価格は36万4800円(税込)から。ストレージ容量は256GB、512GB、1TB、2TBを用意する。予約受付は10月16日午後9時に開始し、10月23日に発売する。スマートフォンとしては確実に高価な部類に入るが、果たしてどれほどのユーザーに受け入れられるかが注目だ。





























