最初の一台に“ちょうどいい”ノートPCとは? 「集中」を助ける要素が詰まったサードウェーブ「MA4」シリーズをレビュー

一つの作業に集中し続けることが、年々難しくなっている気がする。
通知、タブ、SNS。あらゆる刺激=ノイズに満ちた現代社会で、目の前のことだけに向き合う時間をどう確保するか。これは学生だろうと社会人だろうと、多くの人が薄々危機感を覚えているテーマではないだろうか。
先に断っておくと、今回紹介するPCは「集中力を高めてくれるPC」ではない。ただ、集中を「切らす」原因を減らすことはできる。集中とは高めるものというより、途切れさせないものだからだ。
サードウェーブが8月27日に発売したTHIRDWAVE Notebook MA4シリーズは、学生や新社会人におすすめしたい14インチノートPCだ。Ryzen5搭載の139,980円、Core Ultra 5搭載の149,980円、Core Ultra 7搭載の169,980円の3モデルが展開されている(価格は2026年9月25日現在)。カラバリはラピスブルー、チャコールブラック、ローズゴールドの3色。今回は、Core Ultra 5を搭載したラピスブルーのモデル(14万9,980円)を借り受けたうえで、この一台が日々の集中をどれだけ邪魔しないでいてくれるのかを確かめてみた。
結局のところ、「軽い」は正義なんだよね
箱から出して最初に感じるのは、やはり軽さだ。約1.3kg。数字だけ見れば1kgを切るモデルも世の中にはあるので、突出して軽いというほどでもないが、14インチモニター搭載というサイズ感に対して、相対的に軽く感じる。結局のところ、PCをストレスなく持ち歩けるかどうかは、体感の重さにも依存している。
軽さは、集中とも無関係ではない。同じ机に何時間も座っていると、どうしても煮詰まってしまう。そういうとき、場所を変えて気分転換することは、集中力を取り戻すための最もシンプルで有効な手段だ。しかしカバンに入れて持ち歩くのが億劫な重さだと、この手段も使えない。「集中力を持続させるために」軽いPCを選んでみる、というのも一つの考えだ。
そして重要なのは、軽いからと言って造りが粗雑ではないこと。本製品では、イヤな安っぽさは一切感じない。天板には剛性の高いアルミ素材が使われており、片手で持ち上げて開いてもヒンジがぐらつかない。閉じるときも安心感がある。カバンに雑に入れて持ち歩いても安心と思える“作りの良さ”はノートPCを選ぶうえで重要なポイントだ。
デザインは堅実、そして誠実。ラピスブルーの深い青は必要以上に目立たないながら、光の反射によって時折見せる天板の表情もまた味わい深い。開閉のしやすさ、持ったときの重心、天板を掴んだときの手応えなど、「触れて使う」部分には、道具としての信頼感がある。
9時間連続で動画も見れる長持ちバッテリー
バッテリーの駆動時間は、アイドル時17.1時間、動画再生時9.4時間(※Core Ultra 5搭載モデルの場合)と一日外で使ってもお釣りが来る。朝から自宅で原稿を書き、午後にカフェへ移動して数時間作業し、また自宅に戻ってくるという一日でも、充電器を出さずに乗り切れた。
出先や学校での作業で、コンセントが使える席をいちいち探すのは、ストレスかつ非効率だ。席に着いたあとも「そういえばバッテリー持つかな」という心配が、作業の合間に何度も割り込んでくるようでは、気が散ってしまって仕方がない。夕方あたりに集中が切れたが最後、そこからもとの集中力を取り戻すのは至難の技だろう。気にしなくていい要素が一つ増えるだけで、集中の持続時間は確実に変わる。
充電はACアダプターからの給電のほか、USB Type-Cの65W給電にも対応しているので、スマートフォンやタブレットと充電器を共用でき、持ち歩くケーブルの本数を減らすことができる。付属のACアダプターもそれなりに小さいので、そこまで大きなストレスはないが、荷物が軽くなるに越したことはない。
肝心のスペックは十分に快適 ただし、ヘビーなクリエイティブにはやや不向き
気になる性能面は、「十分に快適」といったところ。
ブラウジングしながらGoogle Docsなどで作業をしつつ、裏ではオンラインMTGを開く、程度の使い方であれば、画面が固まってしまうような場面もほぼなかった。メモリは16GBなので、複数のアプリを開きっぱなしにするような使い方でも動作が重くならない。ストレージの読み書きもスムーズなので、電源ボタンを押してからの立ち上がりも速い。さらに顔認証でロックを解除できる「Windows Hello」に対応した赤外線カメラを搭載しており、起動だけでなく作業を始めるまでが速いのも嬉しいポイントだ。
数秒の処理待ちは、たしかに大した時間ではないが、待たされた数秒のあいだにスマホへ手が伸び、気づけばくだらない(本当にくだらない)ショート動画を数十分にわたって見ていた、なんて経験は誰しも心当たりがあるはずだ。集中を奪うのは大きな中断だけではなく、こうした小さな「隙」の積み重ねでもある。
一方で、本製品に弱みがあるとすればグラフィックの処理だ。たとえば大作3Dゲームをそれなりのクオリティで遊ぶのは厳しいし、動画編集も、短い尺のものなら十分こなせるが、長尺かつ4Kなどの高画質で凝った編集をするとなると書き出しに時間がかかる。写真のRAW現像もやや心もとない。ゲームやクリエイティブ用途であれば、GPUを積んだモデルを検討することをおすすめしたい。
ポートも充実、荷物も少なく
個人的にも嬉しいのが、ポート類の充実ぶりだ。
USB Type-C(映像出力・PD対応)が1口、USB Type-Aが2口、HDMI 2.1が1口。加えてmicroSDカードリーダーと、有線LANポートまで備えている。無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応。
- 向かって右側にはUSB-A、microSDカード、イヤホンジャックポート
- 向かって左はUSB-Aと有線LANポート
薄型軽量を追求したノートPCは、ポートを削ることでその薄さを実現していることが多い。結果的に、USBメモリを挿すにも外部モニターにつなぐにも変換アダプタが必要になり、本体は軽いのにカバンに入れて持ち運ぶものが増えている、なんて本末転倒が起きることもしばしば。

その点、本機は十分なポート類を備えているので、大学の教室でプロジェクターにHDMIでつなげながら、カメラで撮影したデータをmicroSDから読み込む、といったことも問題なくできる。1.3kgという軽さ、長持ちするバッテリー、充実したポート数。性能と設計によって極力余計な持ち物を減らすことで、「ストレスなく持ち運べる」ことを目指したPCであることがわかる。
「邪魔」をしない堅実な一台
ディスプレイは14インチのWUXGA(1920×1200)。縦に少し広い16:10比率は、書類なども読みやすい。カフェの窓際でも映り込みが少ないのは、非光沢ならではの利点だ。視界に余計なものが入らないという意味で、これも集中を支える要素と言っていいだろう。キーボードはテンキーなしの日本語配列でバックライトを搭載。Webカメラにはプライバシーシャッターも付く。
軽いが造りはしっかりしている。さまざまな場面に対応するに十分な機能は備えているが、使われない余計な機能は少ない。15万という価格の中に、あらゆる要素が過不足なく、バランスよく詰まっている印象だ。つまり、作業に「集中」するために最適な選択肢とも言える。
結局のところ、集中力をPCが肩代わりしてくれることはない。ただ、その途中に置かれた障害物は、少ないに越したことはないはずだ。ゲームやクリエイティブ用途以外での、PCを使い始める最初の一台として最適な選択肢ではないだろうか。

































