デジタルネガという発想で信頼性を確保 『iPhone 18 Pro/18 Pro Max』はカメラからバッテリー、冷却まで進化

Appleが新型「iPhone 18 Pro」シリーズを発表

 Appleは9月10日(現地時間9月9日)、新型スマートフォン『iPhone 18 Pro』『iPhone 18 Pro Max』を発表した。2025年に登場した『iPhone 17 Pro』『iPhone 17 Pro Max』のデザインを引き継ぎながら、2nmプロセスで製造する新チップ「A20 Pro」、大型化した冷却システム、可変絞りに対応した48MPメインカメラなどを搭載する。

 今回の『iPhone 18 Pro』ファミリーでは、処理性能やカメラ性能が向上したほか、バッテリー駆動時間も大きく伸びた。高負荷時の性能を維持するための冷却システムも強化している。また、AIによる画像生成・編集が広がるなか、撮影した写真が実際にカメラで撮影されたものか確認できる「Apple Reference Image」も導入した。

 発表されたばかりの「iPhone 18 Pro」「iPhone 18 Pro Max」は、どのような製品に仕上がったのか。ここから詳しいスペックや仕様をチェックしていこう。

長時間の利用を意識し、冷却性能やバッテリー持ちを強化

 『iPhone 18 Pro』『iPhone 18 Pro Max』は、Appleの最上位iPhoneにあたる「Pro」シリーズの新モデルだ。

 前世代の『iPhone 17 Pro』『iPhone 17 Pro Max』では、ボディの素材がチタニウムからアルミニウムへ変更され、背面には横方向に広がるカメラバーを配置。内部には冷却用のベイパーチャンバーを採用したが、『iPhone 18 Pro』シリーズもこのデザインをベースにしている。カラーはブラック、シルバー、グレイシャー、バーガンディの4色。背面のアルミニウム部分とCeramic Shieldガラスの色を前世代より近づけた仕上げとし、バーガンディは『iPhone 17 Pro』のコズミックオレンジに代わる新色となる。

 「Dynamic Island」についてもさらなる小型化を実現しており、最大3つの「ライブアクティビティ」を同時に表示できるようになっている。プロセッサには「A20 Proチップ」を搭載する。2nmプロセスを採用した新アーキテクチャで、AppleがiPhone向けチップに2nmプロセスを採用するのは今回が初めてだ。CPUは6コア、GPUは7コア構成。スーパーコアは前世代より最大20%高速で、GPU性能は最大40%向上した。GPUにはニューラルアクセラレーターも組み込み、FP8の処理性能は前世代の2倍。Neural Engineは合計32コアとなり、計算能力も前世代の2倍になった。メモリ帯域幅は50%増加している。

 こうした性能向上を支えるため、冷却システムも大きく見直した。新しいベイパーチャンバーは『iPhone 17 Pro』の3倍の表面積を持ち、内部では脱イオン水を循環させる。80%リサイクルステンレス鋼を使用し、熱伝導性を高めたグラファイトも組み合わせた。さらに、ディスプレイから熱を逃がすためのナノツイン銅素材も採用する。Appleによれば、新しい熱管理システムによって『iPhone 18 Pro』の持続性能は『iPhone 17 Pro』と比べて最大40%向上。『iPhone 16 Pro』以前と比べると最大2倍になるという。

 スマートフォンは瞬間的な処理性能だけでなく、ゲームや動画編集、AI処理などを長時間続けたときにどこまで性能を維持できるかも重要になる。『iPhone 18 Pro』では、チップそのものを高速化するだけでなく、発生した熱を逃がす仕組みまで強化することで、長時間の高負荷利用を意識した設計になっている。

 発表ではカプコンとTencent Gamesが共同開発する『モンスターハンター アウトランダーズ』が紹介。「A20 Pro」のGPUによって、コンソール級のライティングやディテールを持つグラフィックスを最大120fpsで描画でき、「MetalFXアップスケーリング」や空間オーディオに対応する。配信は2026年後半を予定している。

 そして、長時間利用を考えるうえでもうひとつ重要なのがバッテリーだ。

 『iPhone 18 Pro』は、通常使用時で最大24時間のバッテリー駆動時間を実現。『iPhone 17 Pro Max』と同等の1日中使えるバッテリー性能をうたう。『iPhone 18 Pro Max』はさらに長く、通常使用時で最大30時間となった。eSIM専用モデルでは動画再生時間も長く、『iPhone 18 Pro』が最大で36時間、『iPhone 18 Pro Max』が最大で45時間の駆動が可能だ。Appleは実際のユーザーの利用データを分析し、写真撮影やAIの利用などを含めた新しいバッテリー消費モデルを開発したとしている。

 充電も高速化し、有線接続では約15分で50%まで充電できる。5分間の高速充電でも約6時間分の動画再生が可能。高性能なチップと大容量のバッテリーを搭載するだけでは、長時間の快適な利用にはつながらない。発熱を抑えながら性能を維持し、必要なときには短時間で充電できる。「iPhone 18 Pro」シリーズでは、こうした日常的な使い勝手に直結する部分をまとめて強化している。

注目は可変絞りカメラと「Appleリファレンス画像」

 カメラでは、48MPのFusionメインカメラが可変絞りに対応した。絞りを変えることで光の取り込み量だけでなく、写真の被写界深度も調整できる。可変絞り機構には6枚のレーザーカットされたブレードを使用。各ブレードは人間の髪の毛よりも薄く、特殊なポリマー複合材料で作られている。新しいローター機構でブレードを動かし、複数の絞り値でも画質を保てる専用設計のレンズを組み合わせた。

 絞りは撮影シーンに応じて自動調整され、暗い場所では絞りを開いて約50%多くの光を取り込める。F1.8では光量と被写界深度のバランスを取り、絞りを狭くすれば被写界深度を深くして奥の被写体も鮮明に捉えやすくなる。ナイトモードも高速化し、天体撮影のような暗いシーンにも対応する。

 カメラアプリには「プロレベルのコントロール」を追加。ホワイトバランス、ヒストグラム、絞り、シャッタースピードなどを手動で調整できる。絞りは4種類の設定から選択でき、シャッタースピードを変えてモーションブラーを入れるといった撮影も可能になった。

 動画撮影では、動く被写体を追い続ける「スマートフォーカストラッキング」を搭載。オンデバイスAIで被写体を認識し、フレームの外へ出て戻ってきた場合もフォーカスを維持する。シネマティックモードは60fps、タイムラプスは4K解像度のDolby Vision HDRに対応。「オーディオミックス」も更新して音声録音の品質を高めた。

 今回、カメラ機能でもうひとつ注目したいのが「Appleリファレンス画像」だ。

 AIによる画像生成や編集が一般的になるにつれ、写真を見ただけでは「実際にカメラで撮影された画像なのか」「AIで生成・編集された画像なのか」を判断しにくくなっている。Appleは『iPhone 18 Pro』で、この問題に対応するための仕組みを用意した。

 「Appleリファレンス画像」では、新しいメインカメラが撮影時にセンサーから取得した写真データへ、ピクセル単位で安全な署名を付ける。その署名データを「Private Cloud Compute」で変更できない参照画像へ変換し、写真アプリから確認できる。通常の編集可能な写真とは別に参照画像を保存する仕組みで、Appleは「デジタルネガ」のようなものと説明している。「Scenes ID」標準にも対応し、AIによって生成・編集された画像を識別するためにも利用できる。

 写真の画質を上げる機能とは性格が違うのがポイント。生成AIによって写真そのものの意味が揺らぐ時代に、「この写真はカメラで撮影されたものなのか」を確認する手段をスマートフォン側に持たせたことに意味があるだろう。

予定もひとまとめ、「Siri AI」がiPhoneをもっと賢く

 また、AI機能「Apple Intelligence」についても大きく強化される。今年6月に開催された「WWDC26」で発表された新しい「Siri AI」が利用できるようになり、最新のオンデバイスモデルとPrivate Cloud Compute上の大規模モデルを組み合わせ、ユーザーの個人的な文脈を踏まえて回答できるようになる。

 メールやメッセージを横断して情報を探したり、カメラに映した商品について質問したりできるほか、足りない材料を買い物リストに追加するといった操作にも対応。複数の予定をまとめてカレンダーに登録するなど、アプリをまたいだ作業もこなせる。30万以上のアプリとの連携にも対応し、Outlookでメールを下書きしたり、Notabilityで課題を検索したりといった操作も可能になる。

 ホーム画面には専用の「Siri」アプリも追加され、音声と文字の両方で会話できる。過去の会話を確認したり、途中から再開したりでき、会話はiCloudを通じてApple製品間で同期される。このほか、SafariでWebページの更新を監視して通知する機能や、自然な言葉からショートカットを作成する機能などにもApple Intelligenceが活用される。

 「Apple Intelligence」は16言語に対応する。「Siri AI」はまず英語のベータ版として9月14日から提供され、フランス語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語には10月に対応する予定。ちなみに、EUと中国では提供されない。Appleは『iPhone 18 Pro』を、AIとユーザーの個人情報を結び付ける「インテリジェントなパーソナルハブ」と位置付けている。カレンダー、人間関係、日々の習慣などユーザーに関わる情報を理解しながら、必要なときにはオンデバイスでAIを動かす考えだ。

 『iPhone 18 Pro』ファミリーの価格は、それぞれ『iPhone 18 Pro』が21万9800円〜、『iPhone 18 Pro Max』が23万9800円〜(どちらも税込)。予約注文は9月12日、発売は9月18日を予定している。

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