歌手・鹿乃がVTuber事務所に所属、夢月ロアの訴訟が和解解決など さまざまな動きのあったバーチャル業界の一週間

様々な動きのあったバーチャル業界の一週間

 VTuber、XR技術、メタバース――様々な“バーチャル”に関するトピックは、日々多く生まれている。企業による巨大な施策から、個人によるマイクロだが熱気あふれる取り組みまで、その規模は様々だ。

 連載「Weekly Virtual News」では、一週間のうちに起きた“バーチャル業界”に関連する様々な話題をピックアップ。ニュースとして紹介するだけでなく、筆者の独断と興味関心からフックアップしたいトピックも取り上げる。

ミリプロに歌手・鹿乃がVTuberとして加入 新鋭事務所にさらなる勢い

 甘狼このみや音ノ乃ののらが所属するVTuber事務所・ミリプロ(Million Production)に、8月16日に新たなタレントが加わった。歌手の鹿乃、もといVTuberの鹿乃まほろだ。

 ニコニコ動画の歌い手から出発し、2015年からはアニメの主題歌などを担当してきた人物であり、2019年からはVTuber活動も開始していた。そちらも当初は「鹿乃」名義だったが、後に「鹿乃まほろ」へと改名しており、今回のミリプロ加入時にはこちらの名義を採用した形だ。

 7月22日には、これまで所属していたインクストゥエンターから契約満了によって退所したことを明かしており、デビュー配信はそのちょうど1カ月後。このあたりが彼女にとっての一つの節目となっていそうだ。

【#鹿乃まほろ初配信】みんなの毎日を、まほろばに!【鹿乃まほろ/ミリプロ】

 いずれにせよ、有力なタレントも多く所属する新鋭VTuber事務所に、“大型新人”が加入したのは大きなインパクトがある。先日には全体ライブも開催したミリプロだが、ここからさらなる勢いが加わりそうだ。

笹木咲が100万登録達成 夢月ロアの訴訟も和解解決

 にじさんじからまた新たな100万登録達成者が現れた。2018年デビューの笹木咲だ。8月10日に達成していたものの、本人は帰省中だったため、正式な達成は8月12日となった。

【祝!】笹木咲 登録者100万人達成!

 「にじさんじゲーマーズ」のメンバーとしてデビューし、一度は卒業したものの復帰。以後、長らく活動を続けて見事大台に届いた形だ。100万登録を達成したこと自体祝い事だが、「卒業と復帰を経験したVTuber」がこれを達成したことは意義深いだろう。

 一方、にじさんじでは別の動きも見られた。夢月ロアが、自身の悪質な風評を流布した配信者へ行っていた訴訟について、和解で決着したとの報告があった。

 かつてにじさんじに所属していた金魚坂めいろに対していじめなどを行っていた、という風評を撒かれたのが起因となり、夢月ロアは2020年10月から活動を休止している。和解解決にともない、一連の風評が全て虚偽であったと正式に認められた形だ。

 本件は、VTuber業界全体で誹謗中傷への対策が進む契機となった事件の一つだが、長い時を経て訴訟が終了したことに、様々な感情を抱く往時のファンは多いだろう。

『竜とそばかすの姫』没入型音楽ライブからバーチャルシンガーがデビュー

 細田守監督作品のひとつ『竜とそばかすの姫』を題材としたアニマーシブライブ『竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA - 』が、10月10日から「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」で開催される。

 通常の音楽ライブでは味わえない没入型体験が味わえる、という触れ込みの公演であり、その内容も「本編の5年後を描くスピンオフ」という意欲的なものだ。主人公となるキャラクター・LAYRA(レイラ)は、5名の歌手が演じることが発表されているほか、ソニーミュージックからバーチャルシンガーとしてデビューするという。

アニマーシブライブ『竜とそばかすの姫』の出演者が発表 幾田りら、鈴木このみ、miwaらが参加

アニマーシブライブ『竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA - 』が2026年10月10日から11月15日まで、MoN…

 また、ゲストとしてホロライブのAZKiも出演を予定しているようだ。歌が題材となる作品だけに、歌唱力に秀でたバーチャルアーティストの起用は文脈として理解できるところだ。

 なお、これとは別にオーディションによる出演VTuberの公募も進めており、そちらの枠からどんな人物が出演を決めるのかも注目だ。

『VRChat』の国内展開が加速 G-SHOCK公式アイテムが発売

 『VRChat』の国内展開について、また新たな例が出てきた。まず一つは、カシオのG-SHOCKのコラボアイテム。『VRChat』の機能の一つであるアバターアクセサリーとして制作されたものが、期間限定で販売される。購入先は『VRChat』内ストアだ。

 実在モデル・DW5600シリーズを再現しており、カラーは全8色。時間もしっかり確認できる『VRChat』向けのG-SHOCK公式アイテムは、アバター向けの組み込み製品としてすでに販売されているが、ユーザー側の組み込み作業(いわゆる「アバター改変」)が不要なのが大きなポイント。初心者でも使いやすいアイテムだ。

 また、JR西日本が展開する「バーチャル広島駅 2.u」とのコラボアイテムも登場した。改札を模したワールドポータルスキンや、電車のおもちゃといった公式アイテムが、これも『VRChat』内のストアで購入できる。

 その販売アイテムのいくつかは、人気市販アバター・まめひなたをモチーフに組み込んでいる。まめひなたは「バーチャル広島駅 2.u」そのものともタイアップしており、先日開催された「コミックマーケット108」JR西日本出展ブースにも大型ディスプレイ越しに登場していたようだ。

 そして、期間限定で巨大なまめひなたの3Dモデルがデフォルトのホームワールドにも出現している。『VRChat』本体が特定のアバターを大きくフィーチャーするのは比較的めずらしく、「日本のVRChat文化」の象徴として起用しているようにも見受けられる。

『楽園追放』新作映画のVRChatイベントが開催決定

 2024年に、筆者は東映アニメーションの『VRChat』プロジェクト『ONN'ON STUDIOS』のVRChat内イベントを取材した。

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 イベントでは、声優を起用したバーチャルアイドルユニットのライブや、アニメ『正解するカド』の朗読劇、アニメ映画『楽園追放』のトークショーなどを、スタンミ上陸以前と思えば、当時としてはなかなかに意欲的な展開だった。そして、このイベントの中で『楽園追放』の10年越しの新作『楽園追放 心のレゾナンス』が発表されたのは思い出深い。

 そして、『楽園追放 心のレゾナンス』は11月13日に公開を予定しているが、公開に先駆けてサンリオの公式VRChatテーマパーク「Virtual Sanrio Puroland」内で公式イベントを開催する。プロデューサーの野口光一をゲストに迎えたトークショーのほか、登場キャラクターが現れるグリーティングも実施されるようだ。

 入場無料だが、定員50名かつ先着入場と、やや狭き門ではある。しかし、『楽園追放』が2年ぶりに『VRChat』にやってくるのは興味深い。作品テーマ的に合致しているのが大きいのだろうか。そして、イベントの場がいま勢いのあるサンリオの公式空間で仕掛けられる点もユニークではある。

キュートで天真爛漫な小悪魔のにじさんじ・夢月ロアの"これまでとこれから" シーンに一石を投じた誹謗中傷との戦い

現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている…

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