『雀魂』なぜ今になってSteamに対応? 変化が起きつつある基本プレイ無料ゲームの配信事情

人気麻雀ゲーム『雀魂 -じゃんたま-』の国内版が、PCゲーム向けプラットフォーム・Steamに進出したことが話題を呼んでいる。同作に限らず、中国発の基本プレイ無料ゲーム(F2Pゲーム)がSteamに参入する流れがここ数年しばしば見られるようになったが、そこにはどんな背景があるのだろうか。
【Steam版リリース開始】
『雀魂 -じゃんたま-』 Steam版をリリースいたしました!
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『雀魂 -じゃんたま-』は2018年に中国のゲームメーカー・キャットフードスタジオがリリースした作品。日本ではYostarがパブリッシャーを務め、2019年4月からサービスが行われている。これまではブラウザ版のほかAndroid版、iOS版、Windows版をプレイできたが、日本上陸から8年目にしてとうとうSteamに対応した形だ。
なぜ基本プレイ無料ゲームはSteamを避けてきたのか
同作にかぎらず、ガチャやアイテム課金などによって売り上げを立てる基本プレイ無料ゲームはSteamで配信されにくいとも言われていた。その理由としては、手数料の高さという問題が挙げられるだろう。
Steamの販売手数料は30%を基本として、売上に応じて引き下げられていくシステム。それに対して競合的な関係にあるゲーム販売プラットフォームのEpic Games Storeの場合は、年間収益100万ドル以下の場合は手数料が発生せず、100万ドルを超えると12%の手数料が発生する仕組みになっている。(※)
Epic GamesのCEOであるティム・スウィーニー氏が、事あるごとにSteamの名前を挙げ、「手数料が高すぎる」と指摘してきたのは有名な話だ。
そして以前、Wolfire Gamesというゲーム会社が、Steam運営のValveを独占禁止法違反として訴えたこともあった。なお、この訴訟に関しては、Wolfire Games側の訴えが全面的に棄却されている。
『鳴潮』『ゼンレスゾーンゼロ』も参入 中国ゲームがSteamを選び始めた
そうした事情があるため、Steamと課金型のゲームは相性が悪いというイメージがあったが、ここ数年で時流に変化が起きつつあるのかもしれない。たとえば中国発のコンテンツでいえば、KURO GAMESの『鳴潮』はリリースから約1年を経た2025年4月にSteam版をサービス開始。またHotta Studioの『NTE: Neverness to Everness』は今年の7月8日より、Steamでの配信に対応している。
さらに注目したいのは、miHoYoの『ゼンレスゾーンゼロ』が6月17日よりSteam対応タイトルとなったことだ。
miHoYoといえば『原神』や『崩壊:スターレイル』といった大ヒットコンテンツをいくつも有しているが、『崩壊3rd』などの一部作品を除いてSteamでは配信を行っていなかった。その代わりにPCユーザーに与えられていたのが、Epic Games Storeや「HoYoPlay」を利用するという選択肢だ。
Epic Games Storeは先述の通り、Steamと比べて手数料が低く設定されているプラットフォーム。そして「HoYoPlay」はmiHoYoのタイトルを包括した自社製ランチャーだ。すなわちmiHoYoは手数料が低い、もしくは手数料が生じないプラットフォームにユーザーを囲い込もうとする戦略を取っていたと考えられる。
そんなmiHoYoが『ゼンレスゾーンゼロ』で方針転換を示したという事態は、それだけSteamの生み出す市場の大きさが無視できないものとなったことを意味するのではないだろうか。
4,200万人が集うSteam市場は、手数料の壁を越えたのか
実のところSteamは、ここ数年でさらに巨大なプラットフォームに成長している。今年1月には、ユーザーの同時接続数が過去最高の4,200万人に到達したことが話題に。『原神』の正式版がリリースされた2020年は約2,000万人だったので、倍以上の規模だ。また月間のアクティブユーザー数は2億人を超えているとも言われており、日本の総人口をはるかに上回る人々が日夜Steamでゲームをプレイしている。
プラットフォームとしての存在感があまりにも大きくなったことで、手数料のデメリットを上回ったと判断されるようになったのかもしれない。そうなるとますますSteamに参入するメーカーが増え、雪だるま式に規模が大きくなっていくとも考えられるが、これに対抗できるプラットフォームは今後出てくるのだろうか。
参照
※ https://store.epicgames.com/news/new-epic-games-store-webshops-and-revenue-share-update
























