『NTE』収益シェアは日本がトップ! 中韓のソシャゲが日本人受けする理由とは

中国や韓国の企業が日本のオタク文化の流れを受け継いだモバイルゲームをリリースすることは、もはや当たり前の光景になっている。今後もそうしたタイトルが日本市場を席捲する流れは続きそうだ。
先日Sensor Towerが公開したデータでも、中国の大手パブリッシャー・Perfect World Gamesが今年4月にリリースした『NTE: Neverness to Everness』の“最大の市場”が日本であることが示されていた(※)。
『NTE』のダウンロードは3位、しかし収益は日本が1位
Sensor Towerが公開したのは、『NTE』モバイル版に関するデータ。その市場別ダウンロード数シェアにおいて、日本は10%を占めており、アメリカと中国に次ぐ3位の位置となっていた。
その一方、収益に関しては日本が32%という圧倒的なシェア率で1位に。それに続く中国の収益シェアは21%なので、約10%の差が付いている。
もちろんこのデータには、集計期間も大きく影響しているのだろう。中国では日本に先行して4月23日にリリースされていたが、Sensor Towerのデータは日本で同作がリリースされた4月29日から約1カ月の集計期間となっていた。そのためリリース直後のブーストの影響もあって、日本の収益比率が高めに出ている可能性がある。とはいえ、それでも開発元の中国に匹敵するほどの収益シェアを記録していることは驚きの結果と言えるのではないだろうか。
細部まで作り込まれた“日本愛”とオタク文化の影響
日本で同作が大きな話題を呼んだ理由としては、同作が“日本愛”のあるゲームであることが挙げられるだろう。オープンワールドとして構築された作中世界は明らかに日本をモデルとしており、東京タワーのような建築物や秋葉原のような街並みが再現されている。しかもその作り込みはよくある“なんちゃって日本”ではなく、細部までリアリティが追求されており、日本のユーザーにも驚かれるほどのクオリティだ。
さらに根本的な話として、そもそも同作にはオタク文化の影響が色濃く見られる。たとえば序盤から登場するヒロインのミントは、90年代後半ごろの萌えキャラを連想させる造形。またムービーのなかで、キャラクターの反応を表現するためにいわゆる“漫符”が多用されていることも印象的だ。
miHoYo、Yostar……オタクが立ち上げた中国企業
同作にかぎらず、ここ最近ヒットしている中国や韓国のモバイルゲームは、日本のオタク文化を正統に受け継いだ作品が多い。
たとえば有名な話としては、『崩壊』シリーズや『原神』などのアニメ調ゲームを手掛けているmiHoYoは、日本のオタク文化が大好きな大学院生たちが設立した企業だった。miHoYoの「mi」は初音ミクが由来とも言われており、創始者の蔡浩宇氏は『マクロス』シリーズをきっかけに多くの日本のアニメやマンガなどにハマったという。『原神』や『崩壊:スターレイル』にオタク文化のDNAが流れ込んでいるのも、そうした経緯を考えると当然と言えるだろう。
そして『アークナイツ』や『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』で有名なYostarを設立したのは、元々miHoYoの日本支社の社長を務めていた李衡達氏だった。彼もまだ自他共に認めるオタク。以前『アズールレーン』の公式生放送で美少女ゲームの詳細な年表を作成した際には、日本のオタクからもその知識の広さに驚きの声が上がっていた。
「潤沢な資金」だけではない、中韓ゲーム躍進の本質
なお、よく中国や韓国のモバイルゲームが日本で流行している理由について、「潤沢な資金を注ぎ込んでいるから」といったことが言われるが、その分析は片手落ちだと思われる。それほどリッチな作りでなくとも、『カオスゼロナイトメア』や『トリッカル・もちもちほっペ大作戦』など、“オタク文化ライク”なヒット作が次々と生まれているからだ。
逆にオタク文化の本場であるはずの日本からは、完全新規IPでヒットするモバイルゲームがあまり出ていない印象。むしろ過去のIPが豊富に存在するがゆえに、“IPを転用して消費する”タイトルが量産されているように見える。中国や韓国はオタク文化に後から参入したために、圧倒的な熱意でオリジナルIPを開拓できているのかもしれない。
もちろん『学園アイドルマスター』など、オタク文化の想像力で作られた日本産ゲームの新作はたしかに存在している。独占的な市場ではなくなったからこそ、切磋琢磨のなかで刺激的なタイトルが生まれてくることを期待したい。
参照
※ https://sensortower.com/ja/blog/nte-japan-is-the-largest-market-JP






























