Evi選手から“若手最強”に向けたメッセージも 情報量が多すぎた『LJL 2026』決勝戦を振り返る

『LJL 2026』決勝戦を振り返る

 とんでもない、1日になった。

 ただでさえこの日は『リーグ・オブ・レジェンド』国内リーグの最強チームが決定する『LJL 2026 SUMMER CHAMPIONSHIP FINALS』であり、アジア太平洋地域のチームが集う国際リーグ「LCP」への参戦権をかけた「LCP Promotion & Relegation 」の出場権を手にするチームが決まる重要な日。

 だが、その大会前日に事件が起こった。

 国際リーグで活躍する、LoL界のレジェンドプレイヤー、Evi選手が、11年間のプロ生活に終止符を打つと発表。予定されていたエキシビジョンマッチは突如として、Evi選手の引退試合となった。

 つい取り乱してしまったので、遅ればせながらイベントの概要を記しておく。

 2026年9月5日(土)・6日(日)の2日間にわたり、LUMINE 0(新宿)にて『LJL 2026 SUMMER CHAMPIONSHIP FINALS』が開催された。 1日目のSemi Finalで「L Guide Gaming」を下した「New Meta」が、2日目のFinalへ進出。決勝で待ち構える「FENNEL」と激突した。

 今回注目してほしいのは「FENNEL」の若手最強のTOPレーナ―、kkkkkkkkk選手(読み方、ケーナイン選手)である。Evi選手の後継者候補として、コミュニティから一目を置かれている選手だ。Evi選手の最後の闘いの日、その後継者が決勝を闘う、これは何の巡りあわせか……。

 この記事では、引退試合となったエキシビジョンマッチ、Evi選手の引退スピーチ、「FENNEL」vs「New Meta」の死闘、そのすべてをお届けする。また、記事の最後には「Evi選手からkkkkkkkkk選手へのメッセージ」を掲載したので、最後までご覧いただきたい。

 まずは、エキシビジョンマッチからお届けしよう。LJLの黎明期から第一線で活躍してきたプレイヤーで構成される「TEAM LEGENDS」、新世代として注目の集まる「TEAM LJL」によるドリームマッチだ。往年のプレイヤーたちの活躍が見れるのか、それとも世代交代の象徴的な闘いになるのか。

 ちなみに「TEAM LEGENDS」の平均年齢は29.4歳、対する「TEAM LJL」は22歳だ。

 知識量がモノを言うLoLというeスポーツは、年齢を重ねるほどに上達するゲームとも言われている。とはいえ「TEAM LEGENDS」には現役を退いて久しいメンバーも多く、また「TEAM LJL」のメンバーはルーキーを中心とした構成でありながらも、若くしてLJLの舞台で戦ってきた選手たちだ。

 個人的には、Evi選手は勿論のこと、往年のJG&MIDのコンビである、hachamechaさんとRecapさんの連携にも注目したい。

hachamecha「(TEAM LJLの)お子様たちをわからせてやろうと思います」

 冒頭から煽りが炸裂、これは楽しみすぎる。

 ここでひとつ昔語りをさせてもらうと、黎明期のLJLにおけるJG(ジャングル)というロールは韓国籍の強力な選手が担当することが一般的だったが、その中でもhachamechaさんは数少ない日本人ジャングラーとして、長期にわたりスターティングメンバーとして最前線で戦い続けた歴戦のプレイヤーだ。

 そして、闘いがはじまった。

 まずはBanPickフェーズ、Evi選手のシグネチャーピックである「カ・サンテ」の登場に会場が湧く。hachamechaさんも「リー・シン」をピックし、期待が高まる。

 「TEAM LEGENDS」 vs 「TEAM LJL」、平均7歳差のプライドマッチが始まった。

 BO1という一発勝負の戦い、重要なファーストブラッドは、BOTレーンで起きた。「TEAM LEGENDS」のファーストブラッドとなったが「TEAM LJL」もただでは終わらない。即座にジャングルのAnkochan選手が介入して、1キルを取り返す。さらに畳みかけたいところだったがhachamechaさんが参戦して、ここは1対1のトレードで終わる。

 ただ「TEAM LEGENDS」はファーストブラッドではあるものの、SUPにキルが入り、ADCがデスしている。一方「TEAM LJL」はADCにキルが入った。その後のファイトでも「TEAM LJL」のADCである、dresscod選手にキルが入る。

 ここまでは「TEAM LJL」が優勢の展開といえるだろう。

 間髪入れず、MIDレーンでも動きがあった。「TEAM LJL」のReavy選手がアグレッシブなプレイで、ソロキルを狙うが、これはRecapさんの老獪なプレイが光り、体力を23だけ残して生き残る。一方、Reavy選手はタワーダメージでデスとなってしまった。

 「そろそろ、Eviさんの活躍がみたい」と思っていたころ、ついにそれは起きた。

 序盤という体力が低く、タワーダメージが痛い場面での、タワー下でのソロキルである。このプレイについては、解説のしゃるる氏も「やるなぁ……対ナーは難しいのに」と感心する表情を見せた。そして、このEvi選手のキルから試合が動いていくことになる。

(おそらくだが)Evi選手の指示で「TEAM LEGENDS」はスワップする(TOPとBOTが入れ替わる)判断をする。

 ここでhachamechaさんのリー・シンも魅せていく。完璧なウルト+フラッシュのコンボで、スワップ後のTOPレーンでの有利を確固たるものにしていく。

観客席からは、お子さんの声援が聞こえていた。負けられない……!

 そこからの展開は速く、気づけば「TEAM LEGENDS」は22分というスピードでネクサスを叩き割った。

 試合開始当初こそ、序盤のBOTレーンの有利から「TEAM LJL」が優勢になっていくかと思われたが、中盤からのEvi選手のマクロが光ったか、完全に「TEAM LEGENDS」の流れになっていった。

試合後のインタビュー

Ankochan選手「悔しいです。(同じくJGである)hachamechaさんに勝ちたかったですね。(今日の試合からも)学べることがたくさんあった。熟練度、チーム全体の動きが巧かったです」

leaf選手「(Evi選手に対して)カウンターピックしたのにソロキルされたのが悔しい。Eviさんの引退試合ってことでもあったので、ここでEviさんに勝利して『若い世代は大丈夫だ』ってことを示したかったんですが……悔しいです。ただ、こういう場で対戦をさせていただいたことに感謝しています」

Evi選手の引退セレモニー&Evi選手のスピーチ全文

 試合後には、福岡ソフトバンクホークス ゲーミング(以下 SHG)所属、Evi選手の引退セレモニーが行われた。Ev選手は9月4日に引退を発表、コミュニティ全体に大きな衝撃を与えた。

 国内のLoLの競技イベントで、特定の選手の引退セレモニーが組み込まれるのは珍しいことである。それほどまでにEvi選手の国内のLoLシーンへの貢献度は高く、何よりもコミュニティとファン、そして全てのLoLプレイヤーに愛されている選手だったことが伝わるだろうか。

 セレモニーでは、SHG所属のVan選手、たかやスペシャルさん、eスポーツキャスターのeyesさんから花束が贈呈された。世界を相手に戦い抜いてきたレジェンドの「一区切り」に、会場全体から大きな拍手が送られた。

 Evi選手本人のスピーチでは、ファンや関係者への想いが語られた。引退発表直後の自身のTwitch配信で「ガソリンが切れた」と話していたように、11年間、Evi選手は全力で戦ってきたのだろう。

 11年間の様々な想いが駆け巡るなか、それでもスピーチ中には自身の話ではなく「次の世代へ」の話を優先していたのが、なんともEvi選手らしいと感じた。スピーチの全文をお届けする。

 皆さんこんにちは、Eviです。

 今日何を喋ろうかとずっと考えていたのですが……。まず、このような機会をいただけたことを本当にありがたく思いますし、今日会場に来てくれた皆さん、見てくれている皆さん、本当にありがとうございます。

 11年間プロとしてLJLでやってきて、本当にいろんなことがありました。悔しい時もあったし、でもその悔しさがあったからこそ嬉しい時もあったし、本当に皆さんのおかげでここまでやってくることができました。本当に感謝しています。

 今日は僕らを「レジェンドチーム」と呼んでいただきましたが、今日のLJLファイナルでは、また新しいレジェンドとなる人たちの決勝戦が行われます。

 ここからまた歴史が始まる人たちがいる、そんな日にこういう話をするのもなんですけど……。ちょっと頭が混乱してきて、ごめんなさい。とにかく、11年間ありがとうございました。

 そして今日、新しいレジェンドたちの決勝を、皆さんで見届けましょう。

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