デルが新型『XPS 13』で狙うのは「手の届くXPS」 グローバルでは『MacBook Neo』対抗、日本ではAI PC推進機として投入

 米Dell Technologiesは、台湾・台北で実施された「COMPUTEX TAIPEI 2026」に合わせて、新型ノートPC『XPS 13』を発表した。XPSシリーズとしては最軽量・最薄モデルとなる製品で、学生や若年層、初めてプレミアムノートPCを購入するユーザーも視野に入れた新しいラインアップとして展開する。

 その後、6月16日には日本国内向けの発表会も開催され、日本市場への投入も明らかになった。

『XPS 13』はCESで示した「新しいXPS戦略」の答え

 『XPS 13』は、厚さ12.7mm、重量約1kgの薄型・軽量ボディを採用した13.4型ノートPCだ。約1kgという重量は、XPSシリーズ史上最軽量を実現。アルミニウム製シャーシを採用しながらも、高い剛性と優れた携帯性を両立している。

 ディスプレイは13.4インチの2.5K液晶を搭載し、タッチ操作に対応する。DCI-P3色域を100%カバーし、30Hzから120Hzまでの可変リフレッシュレートもサポート。動画視聴やWebブラウジングでは消費電力を抑えつつ、スクロール時には滑らかな表示を実現する。

DELLの戦略機「XPS」

 CPUには、同じく「COMPUTEX TAIPEI 2026」で発表されたインテルのエントリー向けSoC「Intel Core シリーズ3」を採用し、今後はミドルハイ向けSoC「Intel Core Ultra シリーズ3」を搭載したモデルも投入予定だ。メモリーは最大32GB LPDDR5X、ストレージは最大1TBまで選択できる。

 通信機能ではWi-Fi 7を標準搭載するほか、Windows Hello対応の顔認証、4スピーカー構成、バックライト付きキーボードなども備える。

 米Dellは今回の『XPS 13』について、学生や新社会人、初めてプレミアムノートPCを購入するユーザーを主なターゲットとしている。これまでのXPSシリーズは20万円を超える構成も珍しくなく、ハイエンドノートPCとして位置付けられてきたが、『XPS 13』は手に取りやすい価格帯を目指したモデルであり、新たなユーザー層の獲得も視野に入れている。

「COMPUTEX」の会場で見えた『MacBook Neo』への対抗意識

DELLの戦略機「XPS」

 今回の「COMPUTEX TAIPEI 2026」で、筆者は米Dellが展開していたプライベートのデモスイートを訪れ、『XPS 13』の実機をチェックする機会を得た。

 本体は13.4インチディスプレイを搭載しながらも約1kgに抑えられており、軽快に持ち運ぶことができる。バッグに入れて日常的に持ち歩くシーンも想像しやすく、学生やビジネスパーソンにとって扱いやすいサイズ感だ。CNC加工のアルミニウム製シャーシによる質感も高く、価格を抑えたモデルでありながらXPSブランドらしいプレミアム感はしっかり維持されていた。また、デモスイートでは『XPS 13』の近くにAppleの『MacBook Neo』が展示されていた。

DELLの戦略機「XPS」

 米Dellは公式発表でも『MacBook Neo』に言及しており、同製品を主要な競合として位置付けている。米国市場では両製品が近い価格帯で展開されるものの、そのアプローチは異なる。

 『MacBook Neo』がApple IntelligenceやiPhoneとの連携を強みとする一方、『XPS 13』は2.5Kタッチディスプレイや120Hz表示、Wi-Fi 7などハードウェア面の充実度で差別化を図る。

 今回の『XPS 13』で狙うのは、従来のXPSユーザーだけではなく、学生や新社会人、初めてプレミアムノートPCを購入するユーザーに向けてXPSブランドの裾野を広げる役割も担っている。実機や展示内容からは、「同じ予算でより多くの機能を求めるユーザー」に向けた提案を行なっていることがうかがえた。

日本では15万4800円から展開 米国での販売価格と大きな隔たりがある理由とは

DELLの戦略機「XPS」
新たにブランドアンバサダーに就任した福士蒼汰が発表会に登壇

 そして、デル・テクノロジーズは6月16日、日本国内向け発表会を開催し、『XPS 13』の国内展開を発表した。

 米国では699ドル(約11万2800円、1ドル=約161円換算)から販売される一方、日本での価格は15万4800円からとなる。米国では別途0~10%程度の州税が加算されるものの、日本での価格とはだいぶ隔たりがあるように思える。

 この価格差について、デル・テクノロジーズ ジャパンでコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタントを務める松原大氏は、日本市場では8GBメモリー搭載PCの構成比が約10%にとどまっていることが背景にあると説明する。

 デル・テクノロジーズ ジャパンはAI PCの国内普及を進めていることから、日本では需要の高い16GBメモリ搭載モデルをグローバルに寄せた販売価格に設定することになった。その結果、8GBモデルと16GBモデルの価格差が米国市場とは異なる形になっているという。また、米国では新学期シーズンに合わせた販促価格が反映されていることも、日米の価格差につながっているとしている。

 国内では学割プログラムの対象となるほか、7月31日まで全XPSシリーズ購入者に1万Dell Rewardポイントを付与するキャンペーンも実施する。さらに7月9日から12日まで、東京・表参道のZeroBase表参道で体験イベントを開催する予定だ。

 XPSシリーズはこれまでハイエンドユーザー向けのイメージが強かったが、『XPS 13』はそのブランド価値を維持しながら、より幅広いユーザー層へ門戸を広げる役割を担うモデルとなっている。あらゆるモノの値段が上がっている昨今、「手の届きやすいXPS」がユーザーに受け入れられるかどうかは、今後のXPSブランドの方向性を占う上でも注目されそうだ。

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