『ソニック』35周年記念、瀬上純・雄之助インタビュー 受け継がれてきた“音速のDNA”

『ソニック』35周年 “音速のDNA”

雄之助インタビュー:憧れのサウンドの“再構築”

――雄之助さんは、これまでいちプレイヤーとしてソニックシリーズに触れてこられたそうですね。最初の出会いはいつ頃だったのでしょうか?

雄之助: 小学生の頃ですね。毎日のように遊びに行っていた友達の家で、メガドライブ版の『ソニック』をプレイしたのが最初です。その後、自分自身でも『ソニックアドバンス』や『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』などをプレイしていました。ゲームだけでなく、生活の至る所にソニックのグッズがあったりして、僕にとってはずっと身近で大好きなコンテンツでした。

――ひとりの音楽クリエイターとして、ソニックの音楽にはどのような印象を持たれていましたか?

雄之助: 歴代の楽曲もよく聴いていて、イントロが流れた瞬間にどこにいても反応して盛り上がってしまうくらい大好きです。ただ、クリエイターとして最も衝撃を受けたのは『ソニックマニア』と比較的近作なんです。Tee Lopesさんが手掛けられたあの音楽は、僕の人生でトップ5に入るくらい絶大な影響を受けています。トレンドを追いすぎず、ウェット感のあるグルーヴィーでおしゃれなサウンドに仕上がっていて。同じメロディでもAct 1とAct 2でアレンジをガラッと変えてくる手札の多さに、「こんなことができる人がいるんだ」と強く感動しました。制作をしていない時はずっとあのサントラを聴いていて、Spotifyの年間トップアーティストに毎年Tee Lopesさんがランクインするくらい、僕にとっては癒しであり憧れの音楽ですね。

――そんな雄之助さんが『ソニックレーシング クロスワールド』収録の書き下ろし楽曲「ジェットブラック」(シャドウ×初音ミク)で、ソニックとお仕事として関わることになりました。このオファーを受けた際の率直な思いをお聞かせください。

雄之助: シャドウというキャラクターと初音ミク、そして僕の音楽スタイルを掛け合わせるという企画の親和性の高さに、すぐさま「絶対にやりたい」と強く思いました。本当に夢のようなお話でしたね。

――同楽曲では、雄之助さんのキャリアの中では比較的珍しい「ドラムンベース」を軸にされています。このジャンルを選択した理由は何だったのでしょうか?

雄之助:Project ONSOKUという企画の趣旨や、レースゲームとしての「前に進んでいく疾走感」をどう表現するかを考えた結果、ドラムンベースが最適だと判断しました。ただ、全編を淡々とドラムンベースで押し切るのではなく、途中のドロップでダブステップのようなタイトな四つ打ちのパートを挟み込んでいるのがポイントです。

 四つ打ちから急にリズムが変わることで、ガラッと印象が変わり、シャドウらしい「スマートさ」や「クールさ」が際立つんです。徐々に段階を踏んで、サビで疾走感とともに感情を爆発させるような展開を意識しました。また、ソニックといえばリングの音などの特徴的なSEがありますが、今回はあえてSEを使わず、純粋な音楽の重さや展開だけで勝負しようと心に決めて制作に臨みました。

――その「ジェットブラック」はファンから非常に大きな反響を呼びましたね。

雄之助:正直、予想を遥かに超えるリアクションにびっくりしました。シャドウという絶対的な人気キャラクターのファンの方々に受け入れてもらえるか、あえてSEを使わなかった自分のアプローチがどう響くか不安もあったのですが、TikTokなどでドロップ部分が使われている動画を見かけたりして、本当に嬉しかったです。初音ミクとの楽曲としてうまく消化され、皆さんに愛される形になったのは光栄の極みですね。

――そして今回、瀬上さんが手掛けた35周年記念楽曲の日本語版アレンジ「音速を超えて」も担当されました。オファーを受けた際のお気持ちと、制作におけるアプローチを教えてください。

雄之助:「本当に僕でいいんでしょうか!?」と思いつつ、お受けする以外の選択肢はありませんでした。瀬上さんの原曲は非常にパワフルでワクワクする展開なので、それを損なわずに初音ミクとエレクトロニックなサウンドをどう融合させるかが最大のテーマでした。

 まず取り入れたアイデアが「キーの設定」です。『ソニックレーシング クロスワールド』でミクがトロフィーを取った際に流れる勝利SEがあるのですが、そのSEと同じキーに設定することで、ゲームをプレイしている方がスッと楽曲の世界に入り込めるようにしました。

 また、今回はあえて「音数を多く」しています。普段の僕の制作や「ジェットブラック」では、音数を減らして重さを強調することが多いのですが、今回は瀬上さんのロックが持つワイルドさや盛り上がりに負けないよう、掛け声のサンプルなども多用し、クラブミュージックが得意な僕なりの解釈で、華やかでポップなトラックに仕上げました。

――同曲のミュージックビデオは映像クリエイターのFUKUDA.(THINGS.)が制作されていますが、雄之助さんも監修として深く関わられたそうですね。

「音速を超えて」(作詞:豊田栄太郎、作曲:瀬上純、編曲:雄之助)

音速を超えて / 初音ミク【ソニック35周年アニバーサリーソング】

雄之助: はい。ミクの衣装の青のワンポイントの入れ方や、ポージングなどについてアイデアを出させていただき、FUKUDA.(THINGS.)と一緒に詰めていきました。完成したMVを見た時は、カオスエメラルドの要素だけでなく、歌詞に寄り添った深いストーリー性が表現されていて、本当にジーンと来てしまいました。瀬上さんの素晴らしい原曲ありきですが、映像も含めて最高の作品になったと自負しています。

――ファンとして、そして公式クリエイターとして、今後ソニックの音楽とどのように関わっていきたいですか?

雄之助: この1年で「ジェットブラック」を作り、さらに35周年の記念楽曲にまで携わらせていただいたことは、僕にとって本当に信じられない夢のような出来事でした。東京ゲームショウで公式としてDJをやらせていただいた時も感動で胸がいっぱいでしたね。僕はゲームもキャラクターも、ソニックというコンテンツのすべてが大好きなので、今後もその一部になれる機会があるなら、何をやれることがあっても「すぐ飛んでいきます!」という気持ちです!(笑)

 また、今回の35周年アニバーサリーソングは、ご紹介した「Speed Is My Life」、日本語版「音速を超えて」のほかにバーチャルアーティストの泠鸢yousaさんが制作および歌唱を担当している中国語版「Here We Go ~ Run to the Future」を発表しています。

 いずれも発売中の『ソニックレーシング クロスワールド』にも追加され、ゲーム内のジュークボックスに追加され、一部の楽曲はレース中のBGMに設定することが可能です。雄之助さんの『ジェットブラック』もすでにゲーム内に実装されているのでぜひ、レース中に楽曲を聞きながらプレイしてみてください。

「中国語版:Here We Go ~ Run to the Future」(作詞・歌唱:泠鸢yousa、作曲:瀬上純、編曲:脇眞富)

ソニック35周年アニバーサリーソング 中国語ver 『Here We Go ~ Run to the Future』

■公演情報
『SONIC - LIVE! A Musical Odyssey of Sonic the Hedgehog』
日時:2026年6月28日(日)17:00開場/18:00開演
場所:東京・昭和女子大学 人見記念講堂
公式HP:https://promax.co.jp/sonic-live/

■配信情報
Forever Fast - 35th Anniversary of Sonic The Hedgehog  
https://lnk.to/foreverfast
音速を超えて  
https://lnk.to/onsokuwokoete
Here We Go ~ Run to the Future
https://lnk.to/runtothefuture

■ゲーム情報
『ソニックレーシング クロスワールド』
公式サイト:https://sonic.sega.jp/SonicRacingCrossWorlds/

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