ソニーBRAVIAがクリエイターとの共創を始動 森七菜主演短編映画『OPTI』完成で森義仁監督が語る最新『BRAVIA 9 II』のポテンシャル

ソニーマーケティングは6月12日、ソニーグループの本社において、森義仁 監督の最新短編映画『OPTI』の完成発表会を実施した。
これは、テレビブランド「BRAVIA」を擁するソニーが、新たな映像表現に挑戦したいクリエイターとコラボし、映像制作の未来を共創する取り組みの第一弾となるもの。会の冒頭には、BRAVIAのビジネス担当である、同社 ホームエンタテインメントビジネス部 統括部長の大北大介氏が登壇し、その背景について話してくれた。

曰く、ソニーでは、BRAVIAを通じてユーザーのリビングでの生活をより豊かにすることを目的に、日々製品開発を行っているそうで、映像コンテンツを楽しむデバイスがテレビだけでなく、スマホやタブレットなど多岐にわたる現在を俯瞰して、「しっかりと作品に向き合い、そして大画面で映画(作品)の世界に深く没入する。そういうテレビならではの体験価値を、改めてお客様にお届けしたい。そういう想いで今回、この挑戦に取り組みました」と、力強くコメントしていた。
加えて、BRAVIAの存在意義については、「ユーザーのみなさまに、美しい映像を届けるだけの存在ではない」とした上で、実際の映像制作の現場では、クリエイターや監督が、撮影・編集した映像が、自分の意図通りの映像・画質になっているのかを確認するプレビューモニターとして使われている事例が多いことを受けて、この6月から順次発売される4K 液晶BRAVIAのフラッグシップとなる『BRAVIA 9 II』では、バックライトに今年の高画質トレンドでもある「RGB Mini LEDバックライト」を搭載。
その画質により一層の磨きをかけたこともあり、「新製品(『BRAVIA 9 II』)にはこれまで以上の可能性を感じています」と自ら太鼓判。「新たな挑戦に取り組んでいただいたクリエイター、そしてそのクリエイターのこだわりを忠実に再現できる『BRAVIA 9 II』の出会いが、今回、映画製作という新しい取り組みに結びついて、今日の発表に至りました。ぜひ、その映像をご確認いただきたいです。BRAVIAはこれからも、“リビングの生活を豊かにする”。その取り組みを続けて参ります」と結び、これからも画質だけでなく、心に迫る映像再現を可能にするテレビ=BRAVIAの開発を続けていく、と宣言していた。
ちなみに、会場にはその『BRAVIA 9 II』の実機も展示されており、様々なデモ映像を、発売(6/13発売)に先駆けて確認することができた。なお、6月13日以降は、全国5店舗のソニーストアのシアタールームにて『BRAVIA 9 II』が展示され、映画『OPTI』の視聴体験も実施されるそうだ。
フラッグシップに相応しい圧倒的な黒の締まりと、鮮やかな色再現


簡単にその特徴を説明すると、やはり一番はRGB Mini LEDバックライトの搭載で、液晶テレビではこれまで、白色発光する小さいLED(Mini LED)をたくさん敷き詰めて、色の再現はその上にあるカラーフィルター層で付加していたが、そのLED素子一つひとつの中にRGBの発光素子を入れ込むことで、素子一つひとつで色を表現することが可能になったことが大きい。これにより、より色の彩度(鮮やかさ)、明度(色の明るさ)が向上し、色相についても、従来は色の三原色の中で、再現を少し苦手としていた赤(R)と緑(G)の純度を、より高めることができ、さらに肉眼でみる実世界の色味に近づけることが可能になった、ということだ。
『BRAVIA 9 II』についてはさらに、新開発の低反射フィルターを付与することで、画面への周囲の写り込みを大幅に低減することに成功。写り込みが減ったことで、黒はより沈み(黒浮きしないので、より深みのある黒が堪能できる)、色再現はより彩度、明度、純度をアップすることができた、となる。上の写真にもあるように、実際にBRAVIA 9 IIの映像を確認することができたが、黒の再現は液晶とは思えないほど深く沈むし、周囲の明かりを受けての黒浮きもほぼ皆無。正面からの撮影でも、自分が写り込まないので、画面撮影もしやすかった。色再現においても、デモでは原色(RGB)を強調した映像が多かったのだが、いずれも鮮やかな“色”を味わうことができた。加えて、視野角の広さも特筆でき、斜め横から見ても、これまでのように色が浅く(白っちゃける)ことなく、締まった色、映像を表示してくれていた。
監督のこだわりを反映した色再現や、心理状況を表した包囲感のあるサウンド
ここからは実際に、短編作『OPTI』を、『BRAVIA 9 II』(85インチ)と、同時発表のサラウンドシステム「BRAVIA Theatre Trio」+サブウーファー「BRAVIA Theatre Sub 9」(2台)+リアスピーカー「BRAVIA Theatre Rear 9」(2台1組)を組み合わせた5.2chシステムで、ソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Surround Mapping」の効果をかけたサラウンド環境で視聴できたので、そのインプレッションを簡単に紹介したい。
新『BRAVIA 9 II』では、画質の表現の幅が広がったことを受け、今回監督を努めた森氏は、鮮やかな色とノイズっぽいサウンドに包まれる感覚(立体音響)を駆使することで、主人公みのり(森七菜)の不安定な心情・心境を表現したい、という狙いを持って本作を制作したといい(詳しくは後段のトークを参照のこと)、BRAVIA 9 IIは持てる画質の能力を存分に発揮して、その狙い通りの画質を見せてくれた。
特に監督が注力したというフクロウの入ったスノードームのキラメキ感(カラフルなカラー含め)、後半で暴走するAI(OPTI)のノイジーな映像(細かい色が散りばめられている)、ノイジーなサウンドに囲まれるみのり(BRAVIA Theatre Trio+サブウーファー+リアスピーカーによるサラウンドサウンドは、見事に高さ方向の音場も再現してくれて、心がむしばまれていく主人公の心境を、ノイジーな音、あるいはハエの羽音に囲まれる様子でよく再現してくれていた)のシーンは注目だろう。監督の狙いが、映像と音響によってよく分かるようになっていた。



森義仁監督が見た『BRAVIA 9 II』の画質とポテンシャル、作品作りへのインスピレーションとは
さて、上映会の後はいよいよ、本作の監督でもある森氏と『BRAVIA 9 II』のプロダクトマネージャー相馬邦彦氏によるトークショーだ。ここでは2名のコメントをメインに紹介するが、『BRAVIA 9 II』の画質と、BRAVIA Theatre Trioによる音響は、作品の世界観を存分に再現してくれたようで、両名とも大いに満足している様子だった。
——映画の公開を迎えて、今の気持ちを教えてください。
森義仁(以下、森):これまで手掛けた作品の中で、準備から完成までがすごく短かったので、それこそ先週ぐらいまで編集していたぐらいで、ずっと走り続けてきた感じがします。今日初めて関係者以外の方に見てもらえる機会を得たので、たとえるなら、リレーのバトンを渡したっていう感覚に近いです。
——事前に作品をご覧になって、どのような感想を持たれましたか。
相馬邦彦(以下、相馬):コロナ禍で社会から切り離された時の不安みたいなものを、本当に強く思い出しました。加えて、普段、僕らは新製品の説明をする際、どうやろうかって悩んでいるのですが、この作品は映像と音で、(製品の魅力を)見事に表現をしてくださっている、本当に百聞は一見にしかず、を体現した素晴らしい映像作品に仕上げてくださった、と思いました。

——『OPTI』における見どころやこだわりを教えてください。
森:本作には、森七菜さんと、OPTIというAIキャラクターが出てきて、割と日常的というか、明後日ぐらいの未来をイメージして書いた作品で、基本的にはその2人のやりとりによって、どんどん変な世界に誘われていくっていうところが、一番の見どころかなと思っています。その世界を、ちょっと不思議に表現するのに、色とか音響を使いました。
シーンで言えば、後半にOPTIがバグるところがあって、そこはすごく狂気的でもあり、美しくもあるっていう、矛盾した感情を表現をしたくて、たいへんではありましたけど、本当に細かな色まで再現したところが、『BRAVIA 9 II』ではきちんと再現できていました。

夕日のシーンもおススメで、一口に夕日と言っても、その中にはいろいろな色が含まれているし、光の反射もあるので、撮影の時には時間帯もこだわっていましたから、後々のカラコレ(色調整)でも、その色のバランスはもちろん、心に訴えかけるような夕日(の色)を目指しました。

あとは、みのりの象徴としてスノードームを使っていて、ある意味、籠の中の鳥ではないけど、閉じ込められた世界だけど、(ドームを)振ると、いろんな色(いろんな感情)があって綺麗でもあり、でもほおっておくと(キラキラが)沈んでしまって、フクロウが一匹寂しくポツンっている状態になる。それがみのり(森七菜)とリンクしていていて、その色彩、細かな色を使うことで、(みのりには)いろいろな感情があったっていうの表現したり、シンプルだけど複雑な世界観っていうのを描けたかなと思っています。

——いまの話を受けて、相馬さんへ質問です。色鮮やかさや暗闇での輝き、まばよくも狂気を感じるような量子感のある表現を追い込んだとのことですが、BRAVIA開発者として、鮮やかさや輝度を追い込む上で、どのような苦労があったのかを教えてください。
相馬:OPTIがバグるシーンは、液晶テレビでは特に再現が難しいシーンでして、暗いんだけど、全部が黒に落ちきってない微妙な低階調のニュアンスもあって、その中でしっかりと明るい部分がある。そういう部分は、液晶ではどうしてもフレア(光っている物体の周辺に、光が漏れ出すこと)を気にしますので、暗いシーンでの明るいところは、『BRAVIA 9 II』では忠実に再現できていると思います。
バックライトがRGB Mini LEDになったことで、明るいところでも色が白っちゃけたりせずに、深い色味をきちんと再現できている。そこがポイントですけれども、監督は、新開発の低反射フィルムをすごく気に入ってくださったんだと分かって、うれしく思っています。明るい部屋で見ても、画面に自分とか周囲が映り込むことなく、暗い低階調であっても微妙なグラデーションをしっかりと見せている。本当に没入できる体験を味わえました。そこが技術者としてこだわり抜いた、今回の2026年モデルの、見どころです。
森:この物語を考える初期の段階、ふとAIにしようかなぐらいに思っている頃に、新型の新型『BRAVIA 9 II』を見させてもらって、技術的な説明よりもまず自宅で見た時に、これまではホラー映画などを観ると、暗いシーンになると自分が映り込んでしまって、興ざめすることが多かったのですが、新型BRAVIAでは、それが全然なかった。じゃあ、暗いシーンを攻めていいんだっていう勇気もらえたので、『OPTI』はもう、全然入れていいんだって確信できました。脚本を書く前に見られたので、本当に良かったです。
——今回『BRAVIA 9 II』は、再生機としての役割だけでなく、クリエイターのクリエイティビティを支えるプレビューモニターとしても大活躍だったと聞いています。それに対してどのように思われますか。
相馬:ディスプレイを、制作者の想いを家庭に届けるための窓というか、キャンバスと表現するとしたら、我々が大切にしているのは、そのキャンバスそのものの性能を上げて、表現力を上げて、制作者のクリエイティビティ(創造性)を、少しでも支援できたらいいなということです。そして、一緒に新しい感動をお伝えしたい。それを大事にしてテレビを作っていますので、今日こうして森監督のお話を伺えて、(テレビで)こういう再現ができるなら、こういうことチャレンジしてみようと、思っていただけたのであれば、本当に設計者冥利に尽きると言いますか、作ってよかった、一緒にやらせていただいてよかった、と心から思いました。
——BRAVIAの設計者としてどのような製品を作り続けたいか、クリエイターとの共創に対する意気込みを教えてください。
相馬:ソニーグループには、レンズ to リビングルームという言葉がありまして、映像の撮影現場から家庭まで、ソニーの技術で、制作者の思いと感動を伝えようという、ミッションと言いますか、目標に沿って、商品の開発をしています。やはりお客様が感動するのは、ディスプレイのデザインではなくて、ハードとコンテンツが揃って初めて、感動をお届けできると思っていますので、その観点に立てば、ディスプレイのこれからの進化についても、単純に輝度が上がりましたとか、色域が広がりましたではなく、それを使ってクリエイターのみなさまにどういう表現をしていただけるのか。これを考えないと、新しい感動、新しい体験を、お客様にお届けできないのかなと思っています。
今回は、このように素晴らしい機会を与えてくださって、森監督をはじめ、撮影に関わられたみなさまのご意見、ご希望もいろいろとあるかと思いますので、それをぜひフィードバックしていただき、次の商品開発、それから新しいエンターテイメントへ向けて、協力をさせていただけると、すごくうれしいです。
——最後に、森監督から視聴者のみなさんに対してのメッセージと、これからのBRAVIAに期待することを教えてください。
森:相馬さんのお話にも通ずるのですが、今回、編集段階(オフライン編集)から『BRAVIA 9 II』(85インチ)をお借りできたことがまず、大きいと思っています。というのも、以前作った作品では、古くて小さいテレビモニターを使って編集したことがあって、完成してからようやく、大きくて綺麗なモニターでチェックしてみたら、今まで見えてなかったものが見えることがあって。もう編集に戻れない段階で、そう思ってしまった経験があったので、まあお恥ずかしい話なんですけど、やはり初期段階から、マスモニ(マスターモニター:正確な色や階調を表示できる業務用モニター)に近い形で映像をチェック出来て、まさに一気通貫して、僕ら作り手が見ているものと100%同じ、何も濁り気ない状態で、視聴者に見てもらええるのはすごくうれしいし、感動するところなので、これからも視聴者のみなさんには100%ものを受け取ってほしいし、ソニーさんにはそこをずっと目指し続けて、作り手と視聴者の距離を、なるべく短くしてもらえたら、うれしいですね。

森七菜、「AIに依存していく恐怖と、生身の感覚の大切さに気付ける作品になっています。ぜひ、ご覧ください」
最後に、トークセッションの途中に上映された、『OPTI』で主演を務めた女優の森七菜からのビデオメッセージのコメントを簡潔に紹介したい。

●森七菜コメント
私も日頃からAIを使った生活をしていて、本当に便利すぎて、そっちに寄り添っていくことの方が簡単な世界になっているような気がしていたので、本作の脚本を読んで、誰もが少しは持っている(AIへの)不安感みたいなのが現れているなと思いました。
でも、やっぱり不便に生きていく才能みたいなものが、今この世界では求められているような気もしていて、そこに心だったり、体みたいなものが宿ってくると思っているので、その大切さに気づける作品になっていると思いました。

撮影中は何日間もずっと一人だったので、本当にOPTIが自分の世界のような気持ちになってきて、AIに感情移入できる世界が少し実感できてしまったことが、自分自身に対する少しの恐怖のように感じて、すごく不思議な気持ちになったのと同時に、やっぱり演じるのもすごく難しかったので、そこに没入して行きたい気持ちと、何かをしていくごとに恐怖が高まっていくその矛盾感は、みのりと共通する部分でもあったのかなと思って、(それを)大事にして演じました。
現場にはOPTIの声を演じられた方(尾美咲:本編最後にイヤホンを付けて出てくる女性を演じている)もいらっしゃったので、生で会話をさせてもらえたことがすごく大きかったです。みのりは、AIが生きているものと錯覚してしまった子でもあるので、その感覚に近づけたのは、監督のおかげだったと、すごく感謝しています。
本当に一人で芝居するのはすごく難しいし、体のある共演者の存在の大切さにめちゃくちゃ気づいて、これからは、一緒に芝居させてもらえる人のことを、より一層大事にしようって思えた現場でした。誰かといる幸せとか、誰かに煩わしい気持ちを持てるっていうことですらも幸せなんだなって、気づける作品になっていると思います。
私たちにとっては新しい者たち(AI)と、これからどうやって生活して行けばいいのかは、不明確なところもありますが、きっとどこかにすくい取ってくれる場所があるんじゃないかと思っています。ぜひ。お楽しみください。
短編映画『OPTI』は、6月13日より、全国のソニーストアで上映。7月12日より、Amazon Prime Videoにて独占配信開始となる。

●ソニーBRAVIA 9 II 製品サイト
https://www.sony.jp/bravia/products/K-XR90M2/●ソニー BRAVIA Theatre Trio製品サイト
https://www.sony.jp/home-theater/products/HT-A8/●映画『OPTI』特設サイト
https://www.sony.jp/bravia/cinema/●映画『OPTI』 予告編動画
https://www.youtube.com/watch?v=89YAaXZ9Dao●森七菜 公式サイト
https://www.sma.co.jp/s/sma/artist/581?ima=0000&link=ROBO004#/news/0






















