AQUOS誕生25周年 テレビは“観る”から“話す”へーーシャープが『AQUOS AI』発表

シャープは5月14日、テレビ向けの新サービス「AQUOS AI」と、4K mini LEDテレビ「AQUOS XLED」7機種、4K有機ELテレビ「AQUOS OLED」8機種を公開、報道陣向けの発表会が開催された。AQUOS AIは生成AI技術を活用したサービスで、テレビの大画面に映ったAIキャラクターと自然な会話を楽しめる。提供開始は5月23日だ。
AQUOSブランドは今年で誕生から25周年を迎える。国内累計出荷台数は5600万台に達しており、日本国内で販売された薄型テレビの3台に1台がAQUOSという計算になる。シャープは「AIでテレビがもっと楽しく、美しく」を新たなブランドコンセプトに据え、映像や音、使い勝手の各要素にAIを組み込む方針を打ち出した。

会話で番組を選び、雑談もこなす「AQUOS AI」
AQUOS AIには3つの機能がある。AIキャラクターと自由に会話できる「トーク」、気分を伝えるとコンテンツを提案してくれる「番組おすすめ」、テレビの操作を相談できる「使い方ヘルプ」だ。

会場の展示では番組おすすめ機能を試せた。「スカッとした気分になれる番組が見たい」と話しかけると、AIキャラクターは「さっぱり爽快なものと温まる爽快さのどちらがいいかな」と質問を返し、会話を重ねながら好みを絞り込んでいく。

提案するコンテンツは放送番組のほか、USB-HDDに録画した番組、YouTubeの動画も対象だ。

トーク機能では雑談やレシピの相談など、幅広い話題に応じる。AIモデルはインターネットに接続しないため、原則として学習時点までの話題に答える形だ。要所はシャープがチューニング時に知識を追加しており、天気情報については別途インターネットで検索する仕組みだ。
会話の相手となるAIキャラクターは大輝(だいき)とあゆみの2人から選べる。65V型のテレビではほぼ等身大のサイズで画面に表示され、表情を変えながら反応する。AQUOS AIは、シャープが昨年12月に発売した対話型キャラクター端末「ポケとも」の対話技術をテレビ向けに進化させたサービスで、ポケともは1対1で持ち歩くスタイル、AQUOS AIはリビングで家族みんなが使う想定と立ち位置を分けている。

会話のベースとなる大規模言語モデルにはOpenAIのGPTを採用し、シャープが独自にチューニングを加えた。会話内容はAIの学習には使われず、サービス改善のために参照する場合もセキュリティサーバー内で管理するという。
月50回まで無料、有料プランは月495円から
料金体系は3段階で用意した。月50回までの「フリー」は無料、月400回までの「ノーマル」は495円、月1600回までの「ゴールド」は1980円だ。会話は1往復で1回とカウントする。番組おすすめと使い方ヘルプは利用回数の制限なく無料で使える。

ノーマルとゴールドの回数設定の根拠について、商品企画担当の鈴木氏は「過去のシミュレーションに基づいて算出した」と説明した。上限を超えた場合は100回165円で追加購入できる。未使用分の翌月繰り越しはできない。
RGB Tandem有機ELパネルを採用した「S9Aライン」
有機ELテレビのフラッグシップ「S9Aライン」には、新世代の「RGB Tandem有機ELパネル」を搭載した。光の3原色である赤・緑・青それぞれに高効率な発光素子を用いることで、色再現範囲を従来パネルから大幅に拡大している。

下位の「S7Aライン」に搭載した「S-Brightパネル」と比べると、カラーボリュームは約2.4倍に広がった。カラーボリュームは色域と最大輝度を掛け合わせたシャープ独自の指標で、数値が大きいほど明るいシーンでも豊かな色を表現できる。
シャープは前年までフラッグシップ有機ELにQD-OLEDを採用していた。今年RGB Tandemに切り替えた理由について、鈴木氏は「発光効率と色再現性が向上し、QD-OLEDに遜色ないレベルに達した。反射率を抑える技術も搭載でき、消費電力でも有利だと判断した」と語った。色純度に強みのあるQD-OLEDと、総合性能で並んだ位置づけだ。

パネル表面には低反射コートを施し、外光や照明の映り込みを抑えている。展示会場では引き締まった黒に、こちらを向いた人の影が映り込まない静けさを確認できた。
Advanced RGB 量子ドットリッチカラーを採用した「X9Aライン」
mini LEDテレビのフラッグシップ「X9Aライン」には、新開発の「Advanced RGB 量子ドットリッチカラー」を搭載した。青色LEDのバックライトと量子ドットシートを組み合わせる方式は従来と同じだが、量子ドットの粒のサイズを調整することで赤と緑をより深く鮮やかに再現できる。

「X7Aライン」の量子ドットリッチカラーと比べ、カラーボリュームは約1.4倍だ。パネルには高輝度・広色域の「N-Black Wideパネル」を採用し、明るいリビングでも引き締まった黒を表現できるという。

業界では3色のLEDを使うRGB mini LEDも登場している。シャープがRGB mini LEDではなくAdvanced RGB 量子ドットを選んだ理由について、鈴木氏は「RGB mini LEDは色を増やすアプローチ、Advanced RGBは色を保つアプローチだ。我々の思想に合っているのは後者だ」と説明した。色の純度や安定性、長期間使用したときの色ズレの少なさで、量子ドット方式に分があると判断したという。
イルカの上あごをイメージした「ネイチャーテクノロジー」
音響システムも刷新した。上位ラインのS9AとX9Aには、新音響システム「AROUND SPEAKER SYSTEM++(アラウンド スピーカー システム ダブルプラス)」を採用した。本体上部にハイトスピーカー、左右側面にサイドスピーカーを配置し、上下左右から立体的な音を届ける。
画面下部の「パワーボイススピーカーユニット」は前向き25度に傾けた。あわせて、音を反射させて前方へ導くリフレクターには新しい形状を採用している。
リフレクターの形状はイルカの上あごから着想を得た。シャープが「ネイチャーテクノロジー」と呼ぶ自然界の構造を製品に応用する取り組みの一環だ。イルカが効率よく音波を発信する仕組みを再現することで、視聴者側への音の放出効率を従来機より約40%引き上げた。ナレーションや歌声などの人の声がクリアに聞き取りやすくなる。

人感センサーが視聴位置を検知、うたた寝も判定する
画像処理エンジンには新開発の「Medalist S7」を全機種に搭載した。AIが映像のシーンを判別して画質と音質を自動調整する「AIオート」を進化させ、「AIオート好み設定」を新たに加えた。映像の好み、顔色の好み、黒表現の好みをそれぞれ「ビビッド」「標準」「ソフト」の3段階からカスタマイズできる。
「S9Aライン」と「X9Aライン」にはミリ波の人感センサーを搭載した。視聴者の位置や距離を検知して、輝度やコントラスト、スピーカーの出力バランスを自動補正する。近くで見た場合は明るさを抑えてノイズを目立たなくし、離れた場所では明るくはっきりした映像に補正する仕組みだ。

うたた寝の検知にも対応する。動きが止まった視聴者の脈拍をミリ波センサーが捉え、一定以下に下がると睡眠に入ったと判断して画面を自動でオフにする。子どもがテレビに近づきすぎた場合の警告表示や、視聴距離に応じた番組表の拡大表示も用意した。

AQUOS AIサービスの提供開始は5月23日だ。同日からは新製品の購入者向けに、最大5万円のキャッシュバックキャンペーンも始まる。等身大のAIキャラクターと話す感覚や、新パネルの色の出方は店頭で確かめてほしい。
**参考情報**
商品名:4K mini LEDテレビ AQUOS XLED
型名:『4T-75X9A』『4T-65X9A』『4T-55X9A』
発売日:6月20日
価格:市場想定価格63万8000円前後、49万5000円前後、40万7000円前後(すべて税込)
商品名:4K mini LEDテレビ AQUOS XLED
型名:『4T-65X7A』『4T-55X7A』『4T-50X7A』『4T-43X7A』
発売日:5月23日
価格:市場想定価格44万円前後、35万2000円前後、28万6000円前後、27万5000円前後(すべて税込)
商品名:4K有機ELテレビ AQUOS OLED
型名:『4T-77S9A』『4T-65S9A』『4T-55S9A』『4T-48S9A』
発売日:5月23日
価格:市場想定価格93万5000円前後、66万円前後、49万5000円前後、33万円前後(すべて税込)
商品名:4K有機ELテレビ AQUOS OLED
型名:『4T-65S7A』『4T-55S7A』『4T-48S7A』『4T-42S7A』
発売日:5月23日
価格:市場想定価格47万3000円前後、36万3000円前後、29万7000円前後、28万6000円前後(すべて税込)
サービス名:AQUOS AI
提供開始日:5月23日
料金プラン:フリー(月50回まで)無料、ノーマル(月400回まで)税込495円、ゴールド(月1600回まで)税込1980円。番組おすすめと使い方ヘルプは無料。
●参考資料
https://jp.sharp/aquos/aquos_ai/























