6年ぶりに登場した『AirPods Max 2』の実力を検証レビュー Bluetoohからロスレスまで、徹底的に聴き込んでみた

『AirPods Max 2』の実力を徹底レビュー

 アップルから、ワイヤレスヘッドホンの新製品『AirPods Max 2』が発売された。『AirPods Max』から6年ぶり、コネクター部が変更された『AirPods Max(USB-C)』から1年半を経ての登場とのことで、待ちかねていたファンも多いだろう。

 その『AirPods Max 2』は、デザインやドライバーユニットは前モデルからほとんど変わっていない。本体カラーはミッドナイト、スターライト、ブルー、パープル、オレンジの5色となり、本体と同色の持ち運び用Smart Caseが付属している。

右イヤーカップの上部にリスニングモードの切り替えボタン(左)と、
各種操作が可能なDigital Crown(右)を搭載している

 主な変更点としては、信号処理用のチップが「H1」から「H2」に交換され、アクティブノイズキャンセリングの効果が最大1.5倍に向上したことなどが挙げられる。また、リスニングモードは「オフ」と「外部音取り込み」、「適応型」、「ノイズキャンセリング」の4つから選択可能になったのも、進化ポイントだ。

 今回搭載された「H2」チップについて補足しておくと、アップルは「Beats by Dr.Dre」ブランドでもオーディオ機器を展開していて、ワイヤレスイヤホン『Powerbeats Pro 2』にも「H2」チップを搭載し、高いノイズキャンセリング性能を実現している(関連リンク参照)。こういった技術の蓄積も『AirPods Max 2』に活かされているのだろう。

アクティブノイズキャンセリング用に、外側に6つ、内側に2つのマイクを搭載する。音声用は2つがノイズキャンセリングと兼用で、その他にもマイクを1個搭載した

ハイダイナミックレンジアンプの搭載で、音質をさらに改善

イヤーパッドを取り外したところ。ドライバー本体は内部に格納されていて見えなかった

 さらに「H2」チップの処理能力を活かして、装着時のイヤーパッドの密閉度に応じてサウンドを調節するパーソナライズ機能も搭載されている。ここでは装着状態や人の動き、耳の形状に合わせて、最適な音楽体験を提供してくれるそうだ。

 音質面では、新たに「ハイダイナミックレンジアンプ」が搭載されたことにも注目したい。専用ドライバーは前モデルから踏襲されているようだが、駆動するアンプが新しくなったことで、より自然なボーカルや広いサウンドステージが再現されるという。オーディオ用スピーカーでも、組み合わせるアンプをアップグレードすると音がよくなることは多いわけで、『AirPods Max 2』でも同じ効果を期待できる。

 USB-Cコネクターは、充電に加えて、iPhoneやiPad、MacとUSB-Cケーブルで繋ぐことで、24ビット/48kHzのロスレスオーディオと超低遅延での再生を楽しめる。ここは『AirPods Max(USB-C)』と同様だ。

イヤーパッドは磁石による着脱式で交換も簡単にできる。内側にはL/Rがわかりやすく表示されている

ロスレスサウンドはUSB-C接続で対応する

USB-Cコネクターは右イヤーカップに搭載。充電の他に、再生用機器と繋げばロスレスオーディオの再生用にも使える

 ここで、「ロスレスオーディオ」という規格についてもあらためて説明しておきたい。一般的に、「Apple Music」などの音楽ストリーミングサービスではデータ量を節約するためにデジタル音源を圧縮して伝送し、再生機(スマホやヘッドホン)で解凍・再生している。

 その際の圧縮方式には「ロスレス」と「ロッシー」があり、ロスレスは圧縮・解凍の前後でデジタルデータが変化しない(ロスレス=情報のロスがない)。一方のロッシーは人の耳に聴こえないデータをカットして圧縮するので、圧縮時のデータ量はロスレスより小さくできるが、音楽情報にはロスが発生する。

 『AirPods Max 2』の場合、Bluetoothコーデックはロッシーに分類される「AAC」規格までの対応のようで、ワイヤレスではロスレス信号は伝送できない。それもあって、ロスレスを楽しむ場合にはUSB-Cケーブルでの接続が必要ということなのだろう。

ヒンジ部分の構造は従来モデルと同じ。イヤーカップは90度の範囲で向きを調整可能だ

「24ビット/48kHzのハイレゾ対応」の意味は?

Smart Caseに入れた状態でもUSB-Cケーブルで充電が可能

 もうひとつ、「Apple Music」を含めて最近の音楽ストリーミングでは「ハイレゾ」音源が増えている。ハイレゾとはCDに収録する際に利用されるフォーマットである16ビット/44.1kHz(1秒間に4万4100回、最大6万5536の分解能でデジタル化する)を超える情報量をもったデータのこと。どのハイレゾ信号が再生できるかは機器のスペック次第で、『AirPods Max 2』は上記の通り24ビット/48kHzに対応している。

 この点について、「Apple Music」でも24ビット/192kHzのハイレゾ音源を配信していることもあり、『AirPods Max 2』が24ビット/48kHzまでの対応ということを残念に感じているユーザーもいるようだ。

 これはあくまで推測だが、ハイレゾ音源を聴き比べると24ビット/48kHzの方が音の輪郭が明瞭に感じられることもあるわけで、『AirPods Max 2』ではそういった音づくりを狙っているのかもしれない。さらに近年、「Apple Music」では空間オーディオ(ドルビーアトモス)を訴求しているが、ドルビーアトモスは24ビット/48kHzでの制作が一般的というのも無関係ではない気もする。

付属のSmart Caseに収納すると自動的に超低電力状態に切り替わり、バッテリー充電が長持ちする

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