『Weekly Virtual News』(2026年1月22日号)
12周年を迎えた『VRChat』の最新動向 サンリオVfes、BOOTH即売会など、大型企画が盛況
今年も、『サンリオVfes』の季節がやってくる。『VRChat』を舞台に開催される総合フェスイベント『Sanrio Virtual Festival 2026』が2月8日から3月8日にかけて開催されること、そして出演者や企画の詳細内容が解禁された。
メインとなる音楽フェス側の出演者は総勢28組。活動に復帰し、「Virtual Sanrio Puroland」に専用ワールドがオープンしたKizuna AIに加え、各所で活躍続きのホロライブ・儒烏風亭らでん、生粋のサンリオファンとして知られるにじさんじ・周央サンゴなど、今回も様々なバーチャルアーティストが参加する。
IPコンテンツの枠からも、『ヒプノシスマイク-DivisionRap Battle-』から全18キャラ、さらに「涼宮ハルヒ」シリーズのSOS団、そしてサンリオの人気キャラ・KUROMIも参加する。変わり種として、少女漫画雑誌「ちゃお」で連載されていた『ミルモでポン!』が、いくつかのステージにコラボ出演するとのことだ。
これまでの開催回を盛り上げてきたクリエイターのキヌ、および約束の姿は、音楽フェスではなく、サンリオの新規IPプロジェクト「8Puronicles」の監督として確認できる。同プロジェクトはピューロランドに古くから存在する「8人のピューロ」という物語をベースにした、バーチャルパレードとなるようだ。『VRChat』発のクリエイターが、サンリオ公式のコンテンツクリエイターとして採用された形でもあるので、今後の動向にも注目したい。
そしてもう一つ興味深いのは、サンリオのキャラクタープロジェクト「SHOW BY ROCK!!」シリーズに特化した新規エリアの登場だ。作中に登場する「Shibuvalley」と「Under North Zawa」の2つのロケーションがワールドとして公開され、ライブ、DJ、路上弾き語りなど、様々なコンテンツが提供される。IPの世界観を表現できる場所として、サンリオが本格的に『VRChat』活用を推し進め始めていると見てよいだろう。
例年通りのにぎやかなフェスになると同時に、新たな展開によって2021年から重ねてきたイベントが“新たなフェーズ”に進んだように感じられる。2026年のサンリオのVR展開には引き続き期待したい。
「BOOTH」公式即売会や鹿児島・日置市の伝統芸能を『VRChat』に再現する試みも
1月16日から1月25日にかけて、クリエイターEC「BOOTH」の公式オンライン即売会『BOOTH Festival VRChat Edition』が開催中だ。その名の通り、メイン会場は『VRChat』にあり、『VRChat』関連アイテムが出展されている。
現物の3Dモデルが展示されることが多い「バーチャルマーケット」と比較すると、実物がない分、購入前の確認は少しやりにくいが、一会場内のアイテム陳列数については群を抜いている。
そしてなにより、「商品パッケージを手にとって商品カゴに入れる」体験が実装されており、さながら現実のウィンドウショッピング(と衝動買い)の楽しさが表現されているのがポイントだ。友人とともにお買い物をするのが、きっと最大限に楽しめる巡り方だろう。
鹿児島県日置市の伝統芸能が『VRChat』に再現されたワールドも1月13日に公開された。戦国時代より伝わる太鼓踊りである、「伊作太鼓踊」「大田太鼓踊り」「徳重大バラ太鼓踊り」の三種を、モーション付きの3Dモデルで観覧できるコンテンツだ。
鹿児島県の指定無形民俗文化財に指定された由緒ある伝統芸能を、島根県江津市の「石見神楽」のVRChatコンテンツを制作した株式会社Vが制作を手掛けている。舞の“動き”をデジタルアーカイブとして記録する試みは、継承がカギとなる伝統芸能と相性がよい。今回のワールド公開で、その流れがある種シリーズ化された点がポイントだろう。
ちなみに、日置市は『VRChat』と『cluster』それぞれで、日置市をテーマにしたユーザーの自主制作コンテンツも募集している。こうした試みが自治体から生まれている点にも注目したい。
様々な企画が昨年に続き展開されている『VRChat』は、1月17日に12周年を迎えた。
日本への本格上陸時期でもあるSteamアーリーアクセスのスタートはだいたい2017年ごろだが、Oculus DK1開発キット向けのアプリとしては2014年にリリースされている。ちょっとした知識としておぼえておくとよいだろう。デフォルトのホームワールドには大きなケーキも飾られているので、ついでに見に行ってみるのもよい。