Galaxy使いの木梨憲武がこだわる表現活動とAIとの関わり方

木梨憲武の表現活動とAIとの関わり方

 サムスン電子ジャパンは、2025年12月23日に「Samsung Galaxy AI School」を開催した。会場となったGalaxy Harajukuには、抽選で選ばれた一般招待客のほか、ゲストとしてSamsung Galaxy歴2年の木梨憲武が登場。「Galaxy AI」を使ったアート制作やWebCM「Voices of Galaxy」の楽曲制作の舞台裏について語った。

Galaxyユーザーの情熱を応援する「Voices of Galaxy」

 冒頭では、サムスン電子ジャパン CMO/MX事業本部 Marketing Team長の小林 謙一氏が登壇。Samsung Galaxyユーザーにフォーカスしたグローバルプロジェクト「Voices of Galaxy」や今回のイベントの趣旨について説明した。

 Voices of Galaxyは、日々情熱的かつクリエイティブに活動しているGalaxyユーザーにスポットライトを当てる取り組みで、自分たちの暮らしや表現をどのようにアップデートしているのかを紹介していく企画。日本では木梨憲武、山田優、料理研究家/YouTuberのリュウジ、足立梨花の4名が参加し、さまざまな動画コンテンツを配信している。

 Samsung Galaxy AI Schoolは、生成AIの技術を活用したGalaxy AIについて、日常を楽しく・便利にしてくれる身近な存在に感じてもらうために企画されたイベントだと小林氏は説明する。

galaxy

「写真・動画編集に役立つ『生成AI編集』や文章生成が可能な『入力アシスト』など便利な機能が揃っていますが、ユーザーからは操作が面倒そう・難しそうといった声が多いのが現状です。

 そこで、ユーザーが描いた簡単なスケッチや入力したテキストをもとに、AIが多様なスタイルの画像を生成する『スケッチアシスト機能』のように、直感的で日常をちょっと豊かにしてくれる機能を実際に体感してもらい、Galaxyならではの使いやすさを伝えられたらと思っています」(小林氏)

「おじさんでも問題なく使える」 最新『Galaxy Z Flip7』の魅力

 続いて、ゲストの木梨憲武が登壇。開口一番、愛用する端末『Samsung Galaxy Z Flip7』(以下、Z Flip7)について「音楽やアート制作のヒントをもらえるので、おじさんでも問題なく使える」とコメントした。

 例えばAIに「誰かを想う気持ちをバラードにして歌いたい」といったイメージを伝えると、タイトルやテーマだけで、ほんの数秒で歌詞を提案してくれ、それをもとに友人のミュージシャンにメロディーを付けてもらい、楽曲が少しずつ形になっていくという。

galaxy

 「このやり方で何曲も生まれていて、音楽制作の面白さがぐっと広がった」と、木梨はZ Flip7の利用シーンを共有。音楽を作る、あるいは絵を描こうと思っても、「何から始めていいか分からない」と感じてしまう人に対しては「絵でも音楽でも、大切なのは思い込み」だとアドバイスを送った。

 「誰か憧れのアーティストがいれば、まずはその人を真似るところから始め、そこから少しずつ自分のオリジナルを見つけていくこと。僕自身、美大に行ったわけでも、ボイストレーニングやギターをきちんと習ったわけでもありません。ほとんど人に頼りながら、“勢い”と“勘違い”で進んできたんです。結局、最初の思い込みと飛び込む勇気が大事になると思います」(木梨)

 現在は自身3度目となる全国巡回展「『木梨憲武展-TOUCH』SERENDIPITY-意味ある偶然」を開催中で、佐賀県に次いで熊本県の展覧会からはGalaxyの作品も織り交ぜて展示する予定だという。

 しかし、「全部Galaxyに任せてしまうと、結局Galaxyの作品になる」という懸念から、AIはあくまで参考やヒントとして使い、最終的には自分のオリジナルを加え、作品に落とし込むことを制作の軸に置いているそうだ。

 Voices of GalaxyのCMでは、自身の実家である祖師谷大蔵の「木梨サイクル」を訪れたり、音楽スタジオでミュージシャン仲間と楽曲制作に励んだりする様子が描かれている。

 撮影当日は自転車屋や仲間のスタジオだけで完結し、「本当に一日中楽しく撮影できた」と木梨は振り返った。言わなくてはならないコメントや製品の機能紹介にとらわれることなく、自然に良い作品ができたという。

AIのコピーではなく「自分なりにアレンジ」することが大切

 ここから、Samsung Galaxyに搭載されているGalaxy AIのスケッチアシスト機能を使ったアートワークショップ体験が行われた。一般招待客から事前に募った3つのテーマをもとに、木梨が描いたスケッチをスケッチアシスト機能で水彩画やイラスト、ポップアートなどさまざまな描画スタイルに生成し、作品を完成させていく。

galaxy

 最初のテーマは「木梨さんが好きなハワイ」。普段から描いているというヤシの木のラフスケッチを描き、ポップアートに仕上げるボタンを押すと、カラフルな作品が出来上がった。

galaxy

 「この色味の発想は俺にはできない」と生成AIのすごさを体感した木梨。もちろん、このままコピーして額装すれば完成するレベルだが、そのままだと“Galaxyの作品”になってしまうため、「あくまで『ヒント』として受け取って、自分なりにアレンジを加えて仕上げていくのが大事」と語った。

 本当にハワイの景色を見て色を選ばなくても、生成AIが自然にアレンジを加えて、さらに盛り上げてくれるのを目の当たりにした瞬間だった。

galaxy

 2つ目のテーマは「みんな仲良し、仲間」。繋がる・助け合うといったテーマの「リーチアウト」を普段から描くという木梨は「何十年も描いている人の手ばっかりの絵を、Galaxy AIがどんな表現に仕上げてくれるのか興味がある」とし、ポップアートを選択。

galaxy

 すると、まるで雪の結晶のようなクリスマスをイメージした幻想的な仕上がりとなった。

galaxy

「簡単なラフスケッチから、数秒でデザインを仕上げてくれると、『ここにロゴを入れてみよう』とか『文字を足してみよう』など、あとから自分でいくらでも手を加えられるのは、ひとつの面白い遊び方だと思いますね」(木梨)

 最後のテーマは「ノリさんの考えるイルミネーションに輝く世界」。

galaxy

 木梨が自身を似せた“ノリサンタ”を描き、ポップアートのボタンを押すと、スケッチアシスト機能が導く色のセンスや配色の素晴らしさを感じる出来栄えに。

「本当に誰でもピカソになれる」

galaxy

 そう語る木梨は、スケッチアシスト機能が落書きを美しい作品に仕上げてくれることに対し、嬉しさをにじませた。

来年の抱負は「集」 常に進化を目指す木梨憲武の原動力

 続いて、「Voices of Galaxy」内で生み出された楽曲制作の秘話トークが行われた。CM内では友情とバラードをテーマに歌詞を作り、ミュージシャンの仲間とともに楽曲制作をしていたが、Galaxy AIが創作する歌詞は「とてもいい」と木梨は感想を述べた。

 「歌詞はAIからもらえるので、あとは自分がお風呂で歌ってるような鼻歌のメロディに、その詩を当てはめていくんです。実際にCM撮影の現場でも、配信するかCDを発売するかは置いておいて、1曲制作したんですよ。もう本当にメロディも詩もAIからもらって、それを組み合わせれば楽曲が作れちゃう。そんな時代がすぐそこまで来ている感じですね」(木梨)

 また、交流のある音楽プロデューサーの秋元康が「AI VS 自分の詩」で負けたことを受け、木梨自身は「AIに負けないよう、戦いに臨んでいきたい」とコメントした。

galaxy

 2025年の活動を振り返ったなかで、「今年の漢字一文字」について聞かれると、「動」を発表。妻に怒られながらも、本当に動き回った1年だったと振り返った。

 そして来年の抱負は「集」を書いた。

 「団体活動が好きなので、2025年もみんなで集まりましたが、もっと多くの人と出会いたいと思っています。実は藤井 風くんのインタビューを見ていて、あらためて彼の魅力を感じましたし、アメリカで集合したいですね(笑)。自分もインタビューに対して落ち着いて答えられるようになりたいです」(木梨)

galaxy

 展覧会のツアーや個展など、活動の場を広げている木梨。今後も現状にとどまらず、アートも音楽も常に進化を目指しながら、新しい友達や現場の仲間と一緒に作品や展示空間を作っていきたいと抱負を語った。

 単にAIをツールとして使うのではなく、創造性を拡張するパートナーとして捉える重要性を、今回のイベントを通じて 再確認することができた。

2年使った『Galaxy Z Flip5』から最新『Galaxy Z Flip7』へ──乗り換えて改めて実感した「折りたたみスマホを選ぶ理由」

Flip5からFlip7への乗り換えレビュー。50MP広角カメラ強化、折り目改善、カバー画面拡大が進化点。携帯性を重視し、2台持…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる