ポケモンは今や1000種類以上! 30年の歴史でどんな進化を遂げたのか振り返る

「ポケモンはいま何匹(何種類)いる?」 そう聞かれて、初代『赤・緑』の「151匹」と答える人はさすがに少なそうだが、シリーズを追いかけているファンでなければ、「1000種類を超えている」とは思いもしないのではないだろうか。
しかし、ポケモンの世界は広がり続け、今や図鑑のナンバー表記は4桁表示に突入した。あのフシギダネも、今では「No.0001」と表記される時代になっている。

2026年にはシリーズ30周年を迎えるポケモン 。この30年の間に、ポケモンたちは単に数が増えただけではなく、その生態系や世界観そのものが大きく進化している。
歴史の積み重ねによって生まれていく、知っているポケモンの新たな側面
数が1000種類を超えたといっても、単に新しいポケモンが追加され続けたわけではない。時折直面した課題や、技術の発展に合わせて変化したものがある。その時代ごとに反映されていったものの一例が「タイプ」だ。
例えば、初代で猛威を振るったエスパータイプに対抗するために『金・銀』では「あく」「はがね」タイプが登場し、『X・Y』ではドラゴンタイプへの対抗として「フェアリー」タイプが発見された。言ってしまえば、対戦ゲームとしてのバランス調整が行われてきた歴史でもある。
この変化に伴い、既存のポケモンにも変更が加えられている。おなじみの「ピッピ」は、かつてノーマルタイプだったが、現在では「フェアリー」タイプが追加されている。そもそもピッピは「ようせいポケモン」だ。フェアリータイプを追加することで、ようやく実態に分類が追いついたとも言えるだろう。

こうした個性の追加や変化は、近年のポケモンにおいてさらに加速している。 執筆時点で発表されている最新作『Pokémon LEGENDS Z-A』では、バトルにおいて切り札となるシステム「メガシンカ」がフィーチャーされている。これは、既存の進化の限界を超え、一時的にさらなる進化を遂げる現象だ。
本作で新たに発見されたメガシンカの中には、ピッピの進化形であるピクシーがメガシンカした「メガピクシー」の姿もある。 このメガピクシーは、羽が生えたことによってタイプに「ノーマル」がなくなり「ひこう」が加わり、より妖精としての側面が強調された姿になっている。ついに元々あったノーマルタイプすらなくなったのである。

まさに歴史の積み重ねによって、知っているポケモンに新たな解釈が加えられ、表現の幅が広がっている例と言えるだろう。
1000種を超えて到達した「生物としてのリアリティ」
バトルのシステムだけでなく、ポケモンという「生き物」の描き方も、1000種類を超えたことでより深みを増している。 もともと同じポケモンであっても、性格や性別によって個性が異なることは以前から描かれていたが 、世界観が成熟した現在では、より「生物としてのリアリティ」を表現することを目指しているようだ。
例えばリージョンフォーム。こちらはリージョン(地域)によって姿が異なるものであり、同じナッシーであっても南国の地方であるアローラでは首が長く育っているのである。環境に適応して首が長く育った姿で登場する。同じ生物でも地域によって特徴が異なるという、現実の動物に近い設定が盛り込まれている。
さらに面白いのが「収斂進化」の概念を取り入れたポケモンが出てきたことだ。「ウミディグダ」というポケモンが登場する。

見た目は「ディグダ」にそっくりだが、実は全くの別種。住む環境に合わせて進化する過程で、たまたま似た姿になったという設定だ。ゲーム内では特に名称はないが、実際にある生物らしさを取り込んでいる。
こうした現実の生物学にある発見や概念をポケモンに取り入れることで、世界観はより深く進化している。そして、こういった違いを面白がれるのも、プレイヤーが既に「ディグダ」というポケモンを知っているからこそである。
2026年には、ポケモンはシリーズ30周年を迎える。 151匹から1000匹以上へ。 30年という歳月を経て、もはや「レベル30」になったとも言える。
かつてポケモントレーナーだったあなたも、今のポケモンに触れてみてはどうだろうか。きっと当時の思い出とともに、新たなる側面が見られる奥深い世界が待っているはずだ。























