サンリオの常設VRテーマパーク、婦人靴のダイアナがアバター接客を導入――メタバース領域で新展開が相次ぐ

新展開が相次ぐメタバース領域の1週間

サンリオが『VRChat』に常設テーマパークを開園

 2021年から『VRChat』で音楽フェスイベント『Sanrio Virtual Festival』を開催し続けてきたサンリオが、11月27日に『VRChat』常設コンテンツを発表した。24時間・365日オープンするバーチャルテーマパーク『Virtual Sanrio Puroland』だ。

 これまで期間限定イベントである『Sanrio Virtual Festival』で公開されてきた「夜のピューロランド」をテーマとしたワールドや、様々なゲームコンテンツなどが一斉公開。過去の『Sanrio Virtual Festival』と同様に、無料で訪問可能だ。『Sanrio Virtual Festival』で上演されたバーチャルパレードなども有料コンテンツとして展開され、月間パスか年間パスを購入すれば、いつでも体験することができる。

 また、サンリオキャラクターズをテーマにした居心地のいい部屋の空間や、配信者向けのスタジオ、そしてKizunaAIとのコラボレーションワールドなどが登場。さらに、アンバサダーを起用したツアーや、『VRChat』に根付くコミュニティとのコラボイベント、過去の『Sanrio Virtual Festival』出演者を招く完全新規コンテンツ『8Puronicles』など、大量の新展開が一気に発表された。そして来年2月には、次なるフェスイベント『Sanrio Virtual Festival 2026』も開催されるという。

 サンリオとClaNのVTuberプロジェクト・にゃんたじあ!も、このテーマパークの“看板娘”として起用されることが明かされており、様々な方面から「サンリオのバーチャルコンテンツ」がプッシュされる動きとなっている。

 『Sanrio Virtual Festival』も過去4回の開催で総来場者数が1000万人を突破しているようで、この展開は数年間の積み重ねをもとに踏み出される、新たな一歩ということになるだろう。ピューロランドをメタバースにも開園することで、サンリオがどのような未来を描きに行くか、今後も注目していきたい。

ソニーがVRコンテンツの“新たな楽しみ方”を披露

 月末、そして年末が近いということもあってか、各所で様々な情報解禁が見られた。

 2026年1月7日〜1月11日の期間、新宿で「PULSE DOME」という名前のイベントが開催される。360度ドーム空間で、『VRChat』ゆかりのクリエイターやボカロPなどのパフォーマンスを、VRヘッドセットを身に付けずとも“全方位の映像空間”が体験できるとのことだ。VTuberプロジェクト・VEE所属の月白累のライブは、このドームだけでなく『VRChat』側でも体験できるらしく、なかなかに尖った企画となりそうだ。

 大阪・心斎橋のパルコにある老舗婦人靴のダイアナ店頭では、バーチャルアバターによる接客が11月30日からスタートしている。ダイアナは2024年から『VRChat』向けに3D衣装販売をスタートしており、先述のサンリオとタイアップした商品も展開している。今回のアバター接客は、彼らの『VRChat』展開で縁のあるクリエイターチームの制作アバターが起用されている。システムは、ロボット工学者として著名な石黒浩氏が代表をつとめるAVITAのものが使われているようで、その点では意外なコラボレーションともいえる。

 業界動向としては、XRプラットフォーマーのSTYLYと、WebARのpalanが経営統合するという発表や、VTuber事業が著名なBrave groupの米国事業が、一部新会社へと移管され、独立した動きを取るという発表などもあった。また、にじさんじからは小野町春香が卒業を発表したり、逆に長らく音沙汰のなかった雨森小夜が4年ぶりの配信を実施するなど、年の瀬ゆえか慌ただしい動きも見られる。

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