セクシー女優歴16年、織田真子が考える“自分らしい結婚”とは 厳しい現実を前に婚活企画に挑んだ理由

2026年にSeason5の放送が決まっているABEMAの人気ドキュメントバラエティ『愛のハイエナ』。9月16日に配信されたSeason4の最終回(ABEMAプレミアムで配信中)では、セクシー女優が本気で婚活に挑む企画「婚活女優 私が結婚できないわけ」が放送され、「続きが見たい!」とスタジオを盛り上げた。
その中でも注目を集めたのが、41歳の織田真子だ。女優歴16年、数々の作品に出演してきた彼女は、「年齢を重ねるごとに、男性に求めるものは少なくなってきた」と話す。そんな彼女が結婚相手に望む“ただひとつ”の条件は、「仕事を頑張る自分を理解してくれること」。その言葉には、セクシー女優という枠を超えて、自分のキャリアと真剣に向き合ってきた女性たちの思いが重なるようだった。
「40代女性の初婚成婚率は1%」そんな厳しい現実を前に、1カ月半にわたって婚活に向き合った織田。そこから見えてきた“本当に実現したい未来”について話を聞いた。(佐藤結衣)
仕事で全力を尽くすため、メンタルをブレさせない“守り”の日々

――織田さんはこれまで、あまりプライベートな面を出されていない印象でしたが、「婚活」という私的なテーマに挑戦されたのは、どんな心境の変化があったのでしょうか?
織田真子(以下、織田):私はよく“ホワッとした雰囲気”に見られるんですけど、実はかなりの仕事人間なんです。セクシー女優のほかにも、レースクイーンの育成・マネジメントの会社を運営したり、ストリッパーとして舞台に立ったりと、「やってみたい」と思ったことには全力で取り組んできました。
これまでSNSなどでプライベートをあまり発信してこなかったのも、自分が安定して働くための“守り”の策だったんです。やっぱりメンタルがブレてしまうと、どうしても仕事に影響が出てしまうので。その結果、恋愛にエネルギーを割く余裕がなくなっていったところもありました。
でも昨年、デビュー15周年という大きな節目を迎えまして。年齢的にも、引退を見据えてキャリアを考える時期に差しかかってきたんです。どこかで「十分やりきった」という気持ちもあって、これまで積み上げてきたことを何かしらの形でお披露目できたらいいなと思うようになりました。そんなときにちょうど番組からオファーをいただいて。「よし、思い切って出演してみよう」と決めたんです。
――「婚活」そのものに対する不安や迷いはありませんでしたか?
織田:むしろ楽しみでした。こういう機会でもなければ、自分から婚活を始めることはなかったと思うので。ただ一方で、「ファンの方にどう受け取られるかな」という不安は少しありました。“セクシー女優・織田真子”とは違う一面をお見せする機会が、これまで本当になかったので。
加えて、レースクイーン関連の仕事にも密着取材が入ると聞いて、「自動車メーカーの方々にご理解いただけるだろうか」という迷いもありました。でも、いざ蓋を開けてみると、みなさん意外と好意的に受け止めてくださって。取材も快くOKしていただきましたし、ファンのみなさんからも温かい反響をいただけて、本当にホッとしました。
仕事で見せている“自分”を期待されるほど、プライベートが出せないことも

――具体的には、どんなリアクションがありましたか?
織田:一番多かったのは「本当に彼氏いなかったんだね」っていう反応ですね(笑)。これまでプライベートをほとんど公開せずに活動していたので、「実は結婚してるんじゃないの?」なんて噂が立ったこともあったんです。でも今回、婚活企画に参加したことで「やっぱり独身なんだ」と、ある意味安心してもらえたみたいです。レースクイーン関係のお客様からは「え、結婚したかったの? じゃあ紹介しようか?」なんて声もあって。婚活を宣言したことで、応援してくれる人の多さを感じられたのは嬉しい驚きでした。
それから、たまたまオンエア後に街を歩いていたときには、若い女の子たちが「セクシー女優が婚活してた番組、見た?」と話しているのが耳に入ってきたことも。もちろん、そこに私がいることには気づかれていなかったんですけど、婚活への関心はもちろん、セクシー女優という存在そのものにも興味を持たれているんだなとびっくりしました。
私自身、この仕事に対してずっと“後ろめたさ”というか、日陰を歩いているような気持ちがあったので。でも、実際は私の感覚よりもずっと世間がオープンになっているのかもしれないなと感じました。

――番組では、「相手に求めるのは仕事への理解」と話されていました。とりわけ、ご家族への影響も気にされていましたよね。
織田:そうですね。婚活中にデートした男性から「(家族も)たぶん大丈夫だと思うよ」と言われても、「本当に!?」って半信半疑でした(笑)。
やっぱりこの仕事をしていて恋愛や結婚が難しいのは、セクシー女優という特殊な仕事である後ろめたさに加えて、映像の中の自分と、プライベートの自分との間に大きなギャップが生まれてしまうことなんですよね。どうしても仕事では“イメージ”を作り上げている部分があるので。
――「仕事でシェフをしている人が、家でもレストランみたいな食事を出してくれる」と思われるような、過度な期待が生まれてしまう感じでしょうか。
織田:はい。作品の中の“織田真子”を、プライベートでも期待されているんじゃないかと。実際の私は誰かに尽くすというよりは、けっこうドライなところがあるし、新しい作品に挑む前は1~2週間ほど、その役や世界観のことばかり考えて作り込んでいるタイプなんです。だから、デートでまず仕事の話から始まってしまうと、ついファンの方と接するようなモードに切り替わってしまって。仕事上の顔しか出せなくなるというか、「リアルな私を見せても大丈夫かな」と不安が先に立ってしまうんですよね。その結果、お付き合いに踏み出すことにもためらいが出てしまいました。
焦ってする「結婚」より、理解し合う「恋愛」 婚活で見えた本当にしたいこと

――番組では「40代女性の初婚成功率は1%」という衝撃的な数字も出ていました。
織田:この年齢からの婚活はきっと難しいだろうなと覚悟はしていましたが、こんなふうに数字で示されるとインパクトがありますよね。でも、現実を見なければ次のアクションを起こせないこともわかっていたので、その数字を受け止めたうえで「じゃあ、自分にできることを頑張ろう!」と、むしろ前向きな気持ちになれました。
――結婚相談所の先生とのカウンセリングでは、「子どもを希望するかどうか」というセンシティブな話題も出ていました。
織田:個人的に「いつかは……」という気持ちがあったので、卵子凍結もしていました。今も「できたらいいな」という思いを手放したわけではないのですが、妊娠のタイムリミットに焦って結婚を決めるのは、私の選択としては少し違うかもしれないと、婚活を通して感じるようになったんです。
もし本当に「子どもを諦めきれない」と思っていたら、もっと早くに行動していたと思いますし。だから今は、それよりもお相手と「ちゃんと恋愛をしたい」という気持ちのほうが強いんだなって。婚活をしてみて、そこが自分にとって一番大切なんだと気づくことができたように思います。なので、番組でも「時間をかけていきます」という結論になったんです。
――先生からは「婚活のゴール=結婚」という前提で、スピード感を持って動くようにとアドバイスもありましたね。
織田:はい。でも、やっぱりこれが“私らしさ”なんだと思います(笑)。先生が「結婚」という成果を第一に考えて指導してくださったのはよくわかっていますし、その姿勢にもすごく感謝しています。
ただ、“婚活市場で理想とされる女性像”を演じてしまうと、結局この仕事で感じてきた恋愛や結婚の難しさと同じく、プライベートの自分を見せられなくなってしまうことと変わらないような気がしていて。だからこそ、今回婚活を経験できたことは本当に良かったと思っています。自分が何を本当に求めていたのか、動いてみたことで見えてきたので。
仕事を愛してきた私が自分らしい結婚をすることが、次世代の希望になれば

――その後、素敵な出会いはありましたか?
織田:まだパートナーは見つかっていません(笑)。でも、これまでにはなかった「彼氏を作るぞ!」という気持ちが芽生えていて、毎日の心持ちが明らかに変わりました。自分が思っていたよりも、この仕事に対する世間の目がネガティブではないと実感できたことで、恋愛や結婚に対して前向きに行動したい気持ちが強くなったんです。
それに、婚活を通して自分の“恋愛のクセ”というか、反省すべきところも見えてきたので、そこは少しずつ直していけたらいいなと思っています。
――どんなところを反省されたのでしょうか?
織田:今回、何名か婚活デートをさせていただく中で「この人いいな」と思う男性がいたんですが、「連絡がマメじゃないとお付き合いは難しい」とお断りされてしまったんですよね。私は本当に連絡をしないタイプで(笑)。
これまでずっと仕事優先で生きてきたので、自分のペースができあがっているというか。だから相手にも自由でいてほしいと思っていたんですけど、やっぱりお互いに歩み寄る努力は必要ですよね。そこは、もう少し柔軟になれたらと思っています。
――それぞれの生活や恋愛スタイルが固まっているのも、大人の恋愛の難しさですよね。
織田:本当にそう思います。あと、婚活中に先生から「もっとツッコんだ質問をしてみてください」とアドバイスをいただいたことも印象的でした。短期間で結婚を目指すなら、確かに大事なポイントなんですよね。
私は“ゆっくり婚活をする”という結論になりましたが、いずれ結婚を意識したお付き合いをするうえでは、当たり障りのない会話だけではなく、ちゃんとお互いを理解し合える核心的な話題にも踏み込んでいくことが大切だと感じました。
――なるほど。前向きに改善していく姿勢が素敵です。今後、また婚活企画にチャレンジしたいという気持ちはありますか?
織田:それはぜひやりたいですね! たとえば、今回の婚活では出会うことのなかった海外出身の方ともデートしてみたいです。実は、先生からも「相手の年収を気にしないのであれば、外国人もおすすめ」と言われたんです。国によっては、いくら内面が素敵でも、収入や資産がないと結婚が難しいというケースもあるそうで。そうした話を聞いて、まだまだ出会っていない人たちがいるのではと、視野がぐっと広がりました。


――その様子を、ぜひ続編として見てみたいです。
織田:私の婚活を通して、この世界を選んだ女の子たちが「ちゃんと生きていけるんだ」と少しでも希望を持ってくれたらうれしいなと思っているんです。この仕事は肉体的にも精神的にもハードで、しかもお金の管理も難しい。だから、デビューして数年で壊れてしまう子も少なくないんです。
私自身もお金の使い方に悩んだ時期があって、一般的な社会性を身につけたいと思い、レースクイーン関連の会社を立ち上げました。ちゃんと努力すれば応援してくれる人もいるし、ある意味、夢のある世界でもある。
SNSの普及やメディアでの取り上げられ方も変わっている今、この業界を身近に感じる人が増えたからこそ、「ちゃんとやる」ことの大切さを伝えたい。それを、長い間この仕事を愛してきた私が、自分らしい形で結婚する姿を見せられたら……と、次の世代の女性たちにとって少しでも光になればと思っています。



















