「お前をもっと強くする」復讐の“共犯者”、藤木直人 × のんコンビが熱い『ミス・キング』4話

『MISS KING / ミス・キング』4話

 のんが主演を務めるABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』第4話のタイトルは「似ている2人」。それは礼子(倉科カナ)が口にする、飛鳥(のん)と藤堂(藤木直人)を示している。

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 似ているのは、2人とも将棋の呪縛に囚われていることだ。対局中、突然意識を失い、倒れてしまった飛鳥。朦朧とする中で飛鳥の耳には「将棋をするな」という謎の声が聞こえていた。その正体は、亡くなった母の桂子(奥貫薫)。飛鳥には対局相手の顔が母に見えていたのだ。

 彰一(中村獅童)が家を出て行った後、幼い飛鳥が将棋を指すと桂子は体調を崩してしまい、それから飛鳥は将棋をやめた。再び飛鳥が将棋を始めたことで、桂子が“亡霊”となって現れた、というのだ。

『ミス・キング』4話

 そして藤堂もまた亡き父の思いに報いることができなかった過去をずっと引きずっていた。藤堂がなぜ将棋界を退いたのかが第4話では明らかになる。それは、藤堂が彰一を殴ったからだった。彰一との対局となる王竜戦の前日に、藤堂の父親は亡くなった。幼い頃から父に将棋を教えられて育った藤堂。彰一との対局は父親も楽しみにしていたが、その時を見届けることはできなかった。精神状態は最悪の中、臨んだ対局は藤堂の惨敗。藤堂は俯いたまま父のことを話すと、彰一は「あなたは将棋指しに向いていない。お父様はお気の毒だ」と残酷な言葉をかける。頭に来た藤堂は彰一の顔面を殴り、棋士を辞めたのだった。第3話で彰一の息子・龍也(森愁斗)と因縁めいた会話が交わされていたが、今ならその理由が分かる。

『ミス・キング』4話

 将棋によって深い悲しみを抱えた過去を持っている2人。飛鳥は藤堂を、藤堂は飛鳥を見て軽蔑しては、反面教師として自戒の念に駆られ、互いに前へと進んでいく。自身の黒星を父のせいにして逃げていた藤堂は「ごめんな親父」と父の遺骨をビルの屋上から撒く。呪縛からの解放だ。前を向く藤堂の言葉は誰よりも力強い。「お前をもっと強くする。投了するにはまだ早い」と背中を押された飛鳥も気づけば、藤堂と一緒に散骨をしていた。飛鳥が弔う理由は特にないが、気づけば飛鳥も笑っている。「私といたら不幸になりますよ」と塞ぎ込んでいた飛鳥はもういない。

『ミス・キング』4話

 第4話で印象的なのは、2人を厳しくも優しく見守る礼子の姿だ。完全にヒモ状態の藤堂を突き放し、飛鳥に対しては両手を広げて帰りを待つ。結果的に2人は粉で真っ白になって居候先の礼子の元に戻ってきたわけだが、嬉しそうに笑みを見せる礼子が陰の立役者に思えてならなかった。

 一方、彰一は結城家に由奈(鳴海唯)が置き忘れた棋譜に「国見飛鳥」の名前を見つける。少しずつ駒を進める娘の“駒音”に彰一は胸騒ぎを覚えていた。

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