『iPhone 17 Pro』を2週間使って感じた“意外”な進化ポイント 気になるカメラ性能も作例付きで徹底レビュー

また今年も新しいiPhoneが発売された。今回登場したのは、『iPhone 17 Pro/Pro Max』と『iPhone 17』、それと『iPhone Air』の3モデルだ。
筆者は例年どおりプロモデルの『iPhone 17 Pro』を入手。さらに今年は『iPhone Air』も手に入れた。どちらも発売初日に手元に届いていたので、2週間ほどじっくり使ってみた。本稿では、その感想をレポートしてみよう。
まずは『iPhone 17 Pro』の使用感をお届けし、別記事にて『iPhone Air』の感想をお伝えする。
進化ポイント1:内部のスペースを広げてバッテリーをサイズアップ
今回の『iPhone 17 Pro』で大きく変わったのは2点。「ボディ構造」と「カメラシステム」だ。
iPhoneのボディは『iPhone 11 Pro』以降、金属製のシャーシの表裏をガラス板で挟み込む構造だったのが、『17 Pro』では鍛造アルミニウム合金を削り出した一体型のユニボディに生まれ変わった。そして背面カメラ部分の出っ張りを横幅いっぱいまで広げることで、ボディ上部に内部コンポーネント用の追加スペースを確保した。その結果、より大きなバッテリーを搭載でき、『16 Pro』では最大27時間だったビデオ再生時間を『17 Pro』では最大33時間まで延長している。さらに上位の『17 Pro Max』では、最大39時間とiPhone史上“最長”のビデオ再生時間を実現した。

ワイヤレス充電のため背面の一部にガラス素材のパネルを組み込んでいる
実際、日常的に使っているだけでもバッテリー駆動時間が長くなったのを実感した。試しにインターネット上からデータを連続してダウンロードするテストを行ったところ、『16 Pro』では1時間でバッテリーが11%消費(80%→69%)されたのに対して、『17 Pro』では8%(80%→72%)と消費は少なかった。なお、バッテリーの最大容量は『16 Pro』が98%、『17 Pro』が100%だった。
これはバッテリー容量が増えたことに加えて、搭載しているチップが最新の「A19 Pro」になったことや、Appleが新たに設計したワイヤレスネットワークチップの「N1」搭載など、全体の電力効率がアップしているのも関係しているのだろう。
こうしたパフォーマンスの向上は、ボディ素材をアルミニウムに変更したことによる放熱性能の強化も関係している。アルミニウムは従来のチタニウムよりも放熱性が高く、加えて脱イオン水を密閉したベイパーチャンバーをボディ筐体に溶接することでボディ内部の放熱性を高めている。


実際に『17 Pro』を手にしていると、放熱性能の違いを実感できるシーンがいくつもあった。例えば『16 Pro』で何枚も写真を撮ったりビデオ撮影を続けていると、ある程度、撮影を続けたところで内部にこもった熱が外部に伝わり、iPhoneを持つ手に熱さを感じていた。ところが『17 Pro』では内部の熱が外に伝わりやすいのか、撮影を始めるとすぐにボディがじんわりと温かくなる。ただし、その後は極端に加熱することなく温かさが続くという感じなのだ。
もちろんiPhoneの使い方や負荷のかかり具合、その人の体感によって熱の感じ方は違ってくるだろうが、筆者は内部に熱がこもる前に効率よく分散させ、外部に逃がしているのを実感できた。
見た目の違いはカメラ部分のデザインだけ?

背面デザインの違いで『17 Pro』だということが一目でわかる
このように内部構造が大幅に変更された『17 Pro』だが、背面を除く外観に関して大きな変化はない。正面ディスプレイのサイズは6.3インチでSuper Retina XDRだし、ProMotionテクノロジーや常時表示など、スペック的にも変わりはない。ダイナミックアイランドの大きさも変わらず、側面のボタン類も『16 Pro』とほぼ同じで、ボディサイズもほとんど同じだ。エッジ部分がだいぶ丸くなったので、手にすれば違いはわかるが、正面から見ただけでは『16 Pro』と区別がつかない。
唯一の違いは前述した背面カメラ部分の出っ張りがボディの端まで広がった点だろう。このデザインに関しては賛否が分かれているようだが、正直、筆者個人としては最初こそ違和感があったものの、3日も使えば慣れてしまった。

背面の一部はワイヤレス充電のために耐擦傷性能に優れたCeramic Shield加工を施したガラスパネルが嵌め込まれている





















