Instagramローンチから15周年 ニーズによって変化した機能とAI活用について語る

インスタ15周年、変化したニーズと機能

 10月6日、Instagramがローンチ15周年を迎えた。それに伴い、10月7日、Meta 日本法人 Facebook Japanが「Instagram 15周年記念 メディア向けラウンドテーブル」を開催。15年間の振り返りや今後の戦略などについて、代表取締役の味澤将宏氏が語った。

15年経ったInstagramの日本コミュニティは右肩上がり その理由は?

Meta 日本法人 Facebook Japan 代表取締役 味澤 将宏 氏
Meta 日本法人 Facebook Japan 代表取締役 味澤 将宏 氏

 2010年にローンチされたInstagramは、2013年に動画対応となり、2016年には現在のアプリアイコンに変更。さらにストーリーズも誕生し、より気軽に投稿できるようになったことでユーザー数を拡大していく。そして2017年には「ユーキャン新語・流行語大賞」で「インスタ映え」というワードが年間大賞を受賞をする。ユーザー数も2000万人を突破し、日常に欠かせないツールの一つとしてのポジションを築いた。

 さらにコロナ禍以降、クリエイターの支援に力を入れてきたと語る味澤氏。一斉配信チャンネル、サブスクリプション機能、バッジ機能などを実装して、Instagramで活躍するクリエイターたちの後押しをしてきた。

 また、「安心して自己表現できるプラットフォーム」を実現するための機能も15年の歴史の中で数多く実装されている。特に2020年以降は、10代の利用者の安心・安全を意識してきたと話す。2022年に保護者が子どものアカウントを管理できる「ペアレンタルコントロールツール」を導入し、2025年1月には13歳〜18歳未満のユーザーへ自動的に様々な保護機能を適用する「ティーンアカウント」の導入も開始された。

 そんなInstagramの日本コミュニティは、右肩上がりに成長中。この成長性はグローバル視点からも評価されており、QRコードや地図検索機能など日本で誕生してグローバルで導入された機能もあった。

 その成長を牽引しているのが、リールとDM機能。なんと、Instagramの利用時間のうちリールが50%を占め、1日にリールをリシェアする回数は45億回にも及ぶ。そしてリシェアするために使われているのがDM、というわけだ。

 この数値を踏まえて、9月に新しくローンチされたiPad専用アプリではアプリを開くと最初にリールを表示する仕組みを導入している。モバイルアプリもデザイン変更を検討中で、数週間以内にテストを予定しているという。

AIを用いたInstagramの改善

 今後の戦略の中心となるのがAIで、3つの活用方法を導入していくと語る。

 1つ目は「AIによるレコメンデーション」。AIによってユーザーのアルゴリズムを管理することでおすすめの精度が向上し、新しい発見を促進する。特にリールで活用するとされ、Instagramの利用時間が6%増加すると見込んでいる。

 2つ目は「広告効果の改善」。過去数年、MetaはAIによる広告プロダクトの改善、活用を進めてきた。Metaの広告への投資1ドルあたりのROAS(広告の費用対効果)は3.71ドルで、約3倍という高いROASをマークしている。さらに自動化されたAIによる広告配信プロダクト「Advantage+」を利用した場合には、CPA(顧客獲得単価)が9%改善した。この改善策はすでに多くの日本広告主が利用しており、今後も注力していくと話している。

 3つ目は「クリエイティビティの可能性の拡大」。画像・動画の編集ができる「Restyle with Meta AI」、「Restyle on Edits」を紹介した。この2つを使うと、例えば庭で撮った画像をワンタップで水中の動画に編集する、などが実現できる。さらに、動画の音声を自動的に翻訳できる「Meta AI Voice Translations」といった機能も披露された。この機能は翻訳後も唇の動きと言語がシンクロしており、実際に翻訳された動画ではかつての翻訳動画とは一線を画した自然な翻訳動画となっていた。これらの機能は、日本での導入時期は未定だが、いずれもコンテンツ作成を手助けるものになるだろう。

 こうして「Instagramのこれまでとこれから」を語った味澤氏。「15年前、写真の共有アプリとしてスタートしました。そして技術の進化、ニーズの変化に合わせて、Instagramも進化をしてまいりました。今後もAIを含めた最新のテクノロジーを活用して、皆様に価値のある体験を提供していきたいと思っています」と意欲を見せていた。

Instagramがプリに与えた影響とは?

Meta 日本法人 Facebook Japan 広報 市村 怜子氏、フリュー株式会社 代表取締役社長 榎本 雅仁 氏
Meta 日本法人 Facebook Japan 広報 市村 怜子氏、フリュー株式会社 代表取締役社長 榎本 雅仁 氏

 10月6日から2026年1月5日まで、Instagram15周年を記念してフリュー株式会社のプリ機「EVERFILM」とのコラボも実施する。「プリとInstagramに見るティーントレンドの変遷」というテーマのトークセッションでは、フリュー株式会社 代表取締役社長の榎本雅仁氏が登壇した。

 Instagramがプリの開発や楽しみ方に影響を与えた時期を問われると、「2015年くらいから影響があった」と語る榎本氏。2016年に発売した「UP」は白ふちをつけて落書きできる仕様にするなど、Instagramを直接意識した機能を採用している。2018年には台紙が透けている「SUU.」、ショッキングピンクの機体でフォトスポットしても映える「PINKPINKMONSTER」と続き、“インスタ映え”を意識した商品を発売している。

 「最近のプリユーザーのInstagramの使い方について変化を感じることは?」という質問には、「今は身近な人とのコミュニケーションを楽しむようになっている。プリを撮ったらストーリーズには上げるが、最近ではオープンな場には上げずにクローズドな環境に上げている」の回答がきた。

 そこで、ストーリーズにそのまま投稿できる「9:16コラージュ」や、控えめな加工機能を盛り込んだ「Meidy」を2025年に発売した。今回Instagramとコラボする「EVERFILM」も思い出特化型プリ機として、プロジェクターフォトなど思い出の空間そのものを記念に残せる点が特徴で、「身近な人とのコミュニケーションを楽しむ」というティーンの動向にぴったりなものになっている。

 最後は「これからもプリが愛されるために重要なことは?」という質問に対して、「自己肯定感」、「自己表現欲求」、「繋がりたい欲求」が体験できるのがプリ機と語る榎本氏。

 その上で「これまでは写りだけで自己肯定感を高めるツールに寄りすぎていた。もっといろんな価値を提供できるので、今後はより拡大していきたい」とプリ機のさらなる発展に意欲を見せていた。

■関連情報
「Instagram15周年」×プリ機『EVERFILM』コラボ概要
実施期間:2025年10月6日(月)~2026年1月5日(月)
対象機種:『EVERFILM』
対象店舗:『EVERFILM』設置のアミューズメント施設等
※店舗検索→https://map.pictlink.com/?machine=EVERFILM
※一部店舗では、対象機種にコラボデザインが搭載されていない場合あり
コラボ内容:「プロジェクターフォト」2種、「想い出自動落書き」2種、スタンプ2種、シールデザイン3種
撮影方法:テーマ選択画面にて、「Instagram15周年」を選択

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる