『Pokémon LEGENDS Z-A(ゼットエー)』先行プレイレポート リアルタイムアクションにメガシンカした最新作

『Pokémon LEGENDS Z-A』先行体験会レポ

 『Pokémon LEGENDS Z-A(以下、ポケモン L Z-A)』は、10月16日に発売予定の『ポケットモンスター』シリーズ最新作だ。前作にあたる『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に続くタイトルで、本編とは異なりアクションRPGなのが特徴。近未来的な舞台とメガシンカがメインで扱われており、『ポケットモンスター X・Y』でも登場したミアレシティが舞台だ。

 人気シリーズの新作ということで、どのような内容なのか気になっている読者も多いだろう。今回はリリースに先駆けて「ワイルドゾーン」「バトルゾーン」「ランクアップ戦」「暴走メガウツボット戦」を約15分ずつ(合計約1時間)先行プレイすることができた。本記事では、舞台や戦闘などの紹介を踏まえながら感想をお伝えしたい。

技選択や交代のタイミングが重要なリアルタイムで行われる戦闘

 まずは『ポケモン L Z-A』の紹介をしていきたい。2022年にリリースされた『Pokémon LEGENDS アルセウス』では『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』の舞台「シンオウ地方」が「ヒスイ地方」と呼ばれていた時代を描いた事例があったが、『ポケモン L Z-A』では『ポケットモンスター X・Y』でも登場したカロス地方のミアレシティが近未来的な装いを新たに見せているのが特徴。

【公式】『Pokémon LEGENDS Z-A』Final Trailer

 旅行でミアレシティを訪れた主人公は、「ホテルZ」に住み込みで働くガイ(※ゲームを始めるときに選択した主人公の見た目に応じて、ガイもしくはタウニーが登場する)にスカウトされ、MZ団(エムゼット団)として街の平和を守るために冒険することになるようだ。試遊ではストーリー部分は体験できなかったが、「メガシンカ」や伝説のポケモン「ジガルデ」といったキーワードが戦闘だけでなくシナリオにも関わってくるようだ。

 本作の最大の特徴は、バトルシステムが刷新されていることだろう。従来の『ポケットモンスター』シリーズはプレイヤーと相手がくり出したポケモンが交互に技を出し合うターン制コマンドバトルを採用していた。これはアクションRPGへと進化した『Pokémon LEGENDS アルセウス』でも採用されており、シリーズにおける不文律だと筆者は考えていた。

 しかし『ポケモン L Z-A』では1ターンごとに行動するのではなく、ポケモンとトレーナーが一緒に移動しながら敵ポケモンをロックオンすることで、ABXYボタンに割り振られた技が使用可能に。あくまで体感だがターン制ではなくなったことで、今まで以上に「いつの間にか“ひんし”になっている」ことが多いと感じた。そのため攻撃をされるときは苦手な相性のポケモンで受けないようにするなど、ポケモン交代や技選択のタイミングがこれまで以上に重要だろう。

 さらに各技にはクールタイムが設けられており、続けざまに同じ技を使用することはできないため、補助技を適度に間に挟むことでスムーズにバトルを進められると感じた。また「うずしお」や「ほのおのうず」といった継続ダメージを与える技が、いわゆるフィールド設置型に性能が変化していた。こうしたシステムがアクションかつリアルタイムに変化したことにより、従来の『ポケットモンスター』とは異なる技構成のセオリーが求められるかもしれない。

「ミアレシティ」で昼夜に分かれた体験を味わう

 ミアレシティは昼夜で異なる体験が味わえるのも特徴で、夜には赤いホログラムで囲われた「バトルゾーン」が出現し、夜明けまでトレーナーと戦闘をくり返す「ZAロワイヤル」に挑戦可能。最強のポケモントレーナーを決める戦いで、Zランクからスタートし他の参加者とのポケモン勝負に勝ち抜きながら、ランクアップを目指していく。ランクアップ戦へ挑むには、チャレンジチケット(バトルゾーンでのポケモン勝負に勝利するともらえるチケットポイントを、一定の上限まで貯めることで入手できる)が必要だが、地面に落ちている「〇〇タイプの技で勝負をしかけろ!」などのボーナスカードを達成してもポイントは獲得可能。

 またトレーナーに近づくと表示される「気配ゲージ」が最大になると、気づかれて勝負を仕掛けられてしまうが、本作では『ポケットモンスター』では初めてプレイヤー側から気づかれないように攻撃をくり出せば不意打ちすることが可能。不意打ち時の攻撃は必ず急所に当たるためバトルを有利に運ぶことができるが、実際にプレイしてみると慣れないうちは不意打ちを仕掛けるのが非常に難しかった。スタッフによると、しゃがみながら目線を外すことが重要とのことだったので発売後に試したい。またミッションは必ずしも達成する必要はなく、あくまでポイントが目標に達すればよいため、余裕があれば試すなどの温度感で挑むのがいいかもしれない。

 そしてポイントをためると、ランクアップ戦に挑戦できるようになる。先行プレイでは「W」から「V」へのランクアップ戦を体験できたが、相手は「まもる」を多用するスタイルだった。そこで先述したクールタイムが活きてくるのだ。技使用後のクールタイムは敵味方両方に存在するため、威力が低い技で「まもる」を消費させてから強力な技を使うといった戦術が成り立つ。これは従来の『ポケットモンスター』にはなかった思考であり、本作ならではのリアルタイムで行われる戦闘の面白さが際立った瞬間だろう。

 試遊の最後には、「暴走メガウツボット」戦をプレイすることができた。メガウツボットはフィールドに毒をまき散らしながら攻撃を仕掛けてくるため、回避が重要なアクション要素が顕著に表れており、トレーナー戦とは異なる楽しさが味わえる。「ZAロワイヤル」はあくまで1対1で向かい合ったポケモン勝負という印象だったが、暴走メガシンカポケモンはボスとして『Pokémon LEGENDS アルセウス』のキングやクイーンに近いイメージを受けた。

 本パートではプレイヤーのポケモンもメガシンカが可能で、メガサーナイト、メガアブソル、メガヘルガーが使用できた。メガシンカは画面右下のゲージが最大までたまることで使用可能となるが、本作ではなんとゲージがたまりさえすれば何回でもメガシンカができる。「ワザプラス」というメガシンカゲージを消費することで技の威力を高められるシステムもあったが、このおかげでメガシンカが実装されていないポケモンであってもゲージが機能しなくなることはなく、無理にメガシンカポケモンを手持ちに入れずに好きなメンバーでチームを組みやすいだろう。

 今回の試遊を通して感じたことは、『ポケットモンスター』というコンテンツはさらに進化しようとしていることだ。特にリアルタイムのアクションRPGへと刷新されたバトルシステムは、攻撃を「受ける」だけではなく「避ける」、くり出すだけなくクールタイムを考慮して技を使い分けるといった、これまでのシリーズにはなかった思考を要求する。さらに「暴走メガウツボット」戦のようなボスバトルは、トレーナー戦の枠を超えた新たなアクション体験を提供してくれた。この革新的な挑戦が今後の『ポケットモンスター』シリーズにどのような影響をもたらすのか、期待は膨らむばかりだ。

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※画面は開発中のものです。
※ゲーム画面はNintendo Switch 2 Editionのものを使用しています。

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