『デジモンストーリー タイムストレンジャー』試遊レポ:良質なテンポ感&歯ごたえでシリーズファン以外にもおすすめなJRPG

『デジモンストーリー タイムストレンジャー(以下、タイムストレンジャー)』は、バンダイナムコエンターテインメントより10月2日に発売となった育成RPGだ。2006年より続く「デジタルモンスター(デジモン)」のRPGシリーズで、前作『デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー(以下、ハッカーズメモリー)』は、オカルト×SFという題材をまとめ上げ、特に高い人気を誇っている。今回は約8年ぶりの新作となる本作を、9月25日〜28日に開催された『東京ゲームショウ2025』(TGS2025)で試遊できたため、感想をお届けしたい。
テンポアップして遊びやすい探索とバトル
『TGS2025』では「セントラルタウン 冒険トライアル」と、「パロットモン ボスバトルチャレンジ」という2種のモードが体験できた。まず「セントラルタウン 冒険トライアル」はデジタルワールド・イリアスの中央都市「セントラルタウン」を自由に動けるモードで、地下道に潜むデジモンを倒すことが目標。こちらでは探索・バトルなど本作の基本的な内容を楽しめた。

本作は超常現象の調査・解決を専門とした秘密組織“ADAMAS”のエージェント「結城ダン/結城カナン」を主人公としてストーリーが展開。物語の導入は公式サイトを確認する限り、タイムスリップなどの要素が絡むようだが、TGSでは試遊用に切り取られたシーン内を遊ぶことができた。セントラルタウンは一般的に連想されるデジタル世界とは異なり、カラフルな色合いが特徴。街の中を探索することができたが、ハンマーを所持している「ズドモン」が鍛冶を行っているなど、デジモンたちは気ままにパーソナリティーに沿って暮らしている様子。


戦闘はターン制コマンドバトルで、『ハッカーズメモリー』を継承した形だが、最大5倍速までスピードを変えられるように。さらにフィールド上で攻撃を与える「デジアタック」が実装され、場合によってはバトルに移行せずとも敵デジモンを倒せることもあり、戦闘関連のテンポが格段に上昇していた。また所持デジモンに乗れる「デジライド」でサクサク移動できるようになるなど、丁寧に前作をブラッシュアップした印象を受けた。
歯ごたえ抜群のバトルが楽しい
次に「パロットモン ボスバトルチャレンジ」はボス戦を味わえるモードで、セントラルタワーに立ちはだかる強大なパロットモンに仲間と一緒に挑む内容だ。「デジモン」のゲームということで低難易度を予想している方もいるかもしれないが、デジアタックの効果もあり比較的サクサクと倒すことができた雑魚戦と比べ、ボス戦は属性・相性を駆使しないと厳しい内容(あくまで試遊バージョンの戦力では)だった。

本作は属性攻撃時の相性による倍率が0%~300%と大幅に異なるため、できる限り高い倍率で攻撃したい。だが最初は秘匿されており、実際に特定の属性でダメージを与えることで開示されていく。またワクチン・データ・ウィルスの所属によって3すくみの関係になっているため、バトルに関しては控えも経験値が入る。特定のデジモンばかりを育てるのではなく、さまざまな状況に対応できるようにまんべんなく育成したほうがよさそうだ。

またボスは「スペシャルスキル」という強力なチャージ技を使用するが、同時にチャージ中は「ブレイクポイント」が出現。そこに集中的に攻撃を加えると「チャージブレイク」が発生し、スペシャルスキルをキャンセルしたり敵のバフ効果を消去したりと、ピンチがチャンスとも言えるシステムだ。これは『ハッカーズメモリー』終盤で顕著だった“とにかく強力なスキルを繰り返し使う”という構造を防ぎやすく、長期化しやすいボス戦の刺激となるのではないかと考えた。
今回の試遊を通して感じたのは、「デジモンストーリー」シリーズの復活だ。筆者として『ハッカーズメモリー』は今でも名作RPGとして心に刻まれているが、あまりに長い間続編に関する情報がなかったため、半ば諦めかけているところだった。しかし実際にプレイを行い発売されるということが実感として湧くと、同時に本作への期待が高まった。先述のように前作はシナリオ面でも非常に高い評価を受けているが、試遊時点ではあまりストーリーについて触れられなかったため、そちらは製品版で確かめたい。






















