『iPhone 17』『iPhone Air』は“買い”なのか? 予約が始まったApple新製品の情報を整理して考える

9月9日、日本時間の10日午前2時、Appleのスペシャルイベント『Awe dropping.』が開催された。

冒頭、“Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.”(デザインは単なる見た目や感触ではない。どう機能するかだ)というスティーブ・ジョブズの言葉に続き、実際のApple製品やユーザーインターフェイス、果ては各地のリテールストアからAppleの本社(Apple Park)までもが同じコンセプトでデザインされていることを示すムービーでスタートした。
今回の発表は事前に予想されていた通り「AirPods」と「Apple Watch」、そして「iPhone」の3つ。さっそく発表した順番にそれぞれを簡単に紹介していこう。
3年ぶりに登場した新モデル『AirPods Pro 3』

はじめに登場したのは、音質の向上と前モデル比で2倍のアクティブノイズキャンセルを実現した「AirPods Pro」の最新モデル。フォーム材を注入した新しい5つのサイズのイヤーチップを採用しフィット感をさらに向上、IP57等級の耐汗・耐水性能も加わった。
さらにAppleが独自に開発した心拍数センサーを搭載。このセンサーからのデータと加速度センサーやジャイロスコープ、GPSからの情報を統合し、新しいオンデバイスAIモデルと組み合わせることで最大50種類のワークアウトを記録できる。
バッテリー駆動時間もさらに長くなり、1回の充電による再生時間が6時間から8時間に延びた。ヒアリング補助機能を使っている場合でも、1回の充電で10時間、外部音取り込みモードが使える。これは一世代前のモデルより4時間も長い値だ。
この新しい『AirPods Pro 3』は9月9日から注文受付を開始しており、9月19日から販売を開始する。価格は39,800円(税込)だ。
「Apple Watch」は新モデル「Series 11」「SE 3」「Ultra 3」が登場

「Apple Watch」が「Series 11」になった。Apple独自のIon-Xガラスを採用して耐擦傷性能が2倍になった以外、ケースのサイズは前モデルの「Series 10」と同じ。ディスプレイもLTPO3広視野角OLEDで最大2,000ニトの輝度と変わらない。搭載しているAppleシリコンも「S10」チップで「Series 10」と同じだ。
異なる点は、新しいモデムを採用したことで5Gモバイル通信対応となった点だ。さらに新たなアンテナアーキテクチャによりパフォーマンスが向上、通信範囲がさらに広がった。電力効率が一段とアップしたことでモバイル通信の消費電力も減り、バッテリーも再設計したことで最大24時間の駆動が可能になった点はうれしいポイントだ。
機能面では新しい睡眠スコアの紹介があった。「Apple Watch」では従来からも睡眠目標の達成や、睡眠無呼吸の兆候を通知する機能は提供されていたが、新しい睡眠スコアはさらに「睡眠の質」と「体の回復力の高め方」を理解するのに役立つスコアを導き出すものだ。『睡眠』アプリで詳細を確認したり、iPhoneの『ヘルスケア』アプリで長期的に記録できる。こちらの機能は「watchOS 26」を搭載した『Apple Watch Series 6』以降や『Apple Watch SE(第2世代)』以降、すべての『Apple Watch Ultra』でも利用可能となっている。
今回の発表では、心臓に対する血管の反応を分析して慢性的な高血圧を検出する高血圧通知機能の紹介もあった。これは従来からの光学式心拍センサーのデータを使うもので、『Apple Watch Series 9』以降および『Apple Watch Ultra 2』以降でも利用できる。ただし現在、FDA(アメリカ食品医薬品局)の審査中なので発売当初はまだ使えない。認可は今月中に得られる見込みだ。日本での提供はさらに後で、国内での認可が下りた後になる。
100%再生アルミニウム製のケースはジェットブラックとシルバー、ローズゴールドに新色のスペースグレイが追加された。100%再生チタニウムを使った美しい鏡面仕上げのケースもある。こちらはナチュラル、ゴールド、スレートの3種類の仕上げだ。
この『Apple Watch Series11』は、9月9日から注文受付を開始しており、9月19日から販売を開始する。価格は64,800円(税込)から。バンドもラインアップ全体に美しい新色が追加され、NikeスポーツバンドとNikeスポーツループは生地全体に反射糸が織り込まれている。エルメスブランドのストラップも用意されている。

入門モデルとも言える「Apple Watch SE」もモデルチェンジして『SE 3』になった。こちらは搭載しているAppleシリコンが前世代の「S8」から「S10」にパワーアップ。これによりディスプレイが常時点灯になり、スリープを解除しなくても時刻や文字盤を見ることができるようになった。ダブルタップや手首フリックなどのジェスチャーにも対応し、睡眠時無呼吸の通知や皮膚温センサーを使って過去の排卵を推定できる周期記録も追加された。
その他にもスピーカーにメディア再生機能が加わったことで、『AirPods』が手元にない時でも音楽やポッドキャストなどをスピーカーで直接聞けるようになった。そしてこちらも5Gモバイル通信対応だ。
こうした新機能が追加されても「S10」チップのおかげでバッテリー駆動時間の最大18時間をキープしているのはうれしい。さらに高速充電に対応したことで、前世代より充電が最大2倍速くなり、わずか15分の充電で最大8時間の通常使用が可能になる。今回の「Apple Watch」シリーズの中では最もパワーアップしたモデルと言えるだろう。
『SE 3』も9月9日から注文受付を開始しており、9月19日から販売を開始する。価格は37,800円(税込)から。ケースはスターライトとミッドナイトの仕上げで100%再生アルミニウムで作られている。

“スポーツとアドベンチャーのための究極の腕時計”と称されている「Apple Watch Ultra」も『Ultra 3』にアップデートした。ディスプレイに広視野角OLEDとLTPO3を採用して斜めから見た時の明るさを向上。さらにベゼルを細くすることでケースのサイズを変えることなくスクリーン領域を広げた。常時表示モードでのリフレッシュレートも向上し、なおかつバッテリー駆動時間は最大36時間から最大42時間に向上している。
もちろん『Ultra 3』も5Gモバイル通信に対応、それに加えて衛星経由の緊急SOSにも対応した。衛星経由の緊急SOSは2年間無料で利用できる。
100%再生チタニウムを使ったケースはブラックチタニウムとナチュラルチタニウムから選べる。Ultraバンドにも新色が加わり、トレイルループのエッジ部分には反射糸が織り込まれた。エルメスコレクションのラバー素材バンドも用意されている。
他モデル同様、9月9日から注文受付を開始しており、9月19日から販売を開始する。価格は129,800円(税込)から。





















