ABEMAのIPマーケの仕掛け人が語る、『Dark Idol』発のアイドルグループ・Toi Toi Toiの強さ

コンセプトは“身近な憧れ”
――宇仁さんは、今回のプロジェクトにどのように関わられたのでしょう?
宇仁:メンバーが決定してからデビューするまでに、「どういうコンセプトのグループが良いか」などの宣伝方法について、マーケティング観点で入らせていただきました。例えば、グループ名の「Toi Toi Toi」という言葉は「相手の幸せを願ったり成功を祈るドイツのおまじない」という意味が込められているので、この名前の通りにまずメンバー自身に幸せになってもらいたい、というアソビシステムさんやABEMAとしての思いもありつつ、実はマーケティング観点でも「ユーザーからの共感を得ることができ、応援したくなるのではないか」という仮説から逆算してグループ名をつけました。最近のアイドル市場の動向を見つつ、ターゲットのインサイトをコンセプトに反映していったようなイメージです。
――具体的に、Toi Toi Toiはどこの層をターゲットにしているのですか?
宇仁:アソビシステムさんと議論を重ね、「ファンの輪をさらに広げていくためには、特に女性からの共感を得られるグループを目指そう」という方針を目指し、10代後半から30代前半の女性をメインターゲットに設定しました。ターゲットを明確にした上で実施したのが、徹底したユーザーリサーチです。ジャンルを問わず「推し活」をしている女性たちへ直接インタビューを行い、リアルなインサイトを収集しました。同時に、アイドル市場のトレンド分析を行い、「人々が何に心を動かされ、“推したい”と思うのか」というファン心理の本質に迫りました。そうして導き出したのが、「憧れと共感のバランス」がファン形成において極めて重要であるという仮説です。この仮説をToi Toi Toiに反映するにあたり、メンバー個々が持つ魅力について改めて注目してみました。すると、彼女たちは全員「アイドルになる」という夢を諦めずに追い続け、実現させた存在であり、その姿勢自体が“憧れ”の要素を持っているのではないかと感じたんです。
一方で、憧れだけではファンとの心理的距離が生まれやすいため、アーティスト写真や衣装などのクリエイティブ面では、親しみやすさを感じられる「余白」を意図的に設けるようにしています。さらに、デビュー前のコンテンツでは、努力や葛藤の過程を丁寧に描くことで、ファンが自分自身と重ね合わせ、自然と応援したくなる構造を目指しました。このように、「身近に感じる憧れ」というテーマをグループの核に据え、デビューに向けたブランディングとコンテンツ設計をアソビシステムさんとともに進めてきました。

山本:『Dark Idol』という番組からグループが生まれて、それがToi Toi Toiになったとき、番組をご覧いただいた方のなかには「急に変わった」みたいな印象を受けた方もいると思うんです。ただ僕たちとしては、この黒から白へのグラデーションのような過程を含めて応援していっていただけると嬉しいなと思っています。どうしても“ダークアイドル”という言葉が先行したため、『BreakingDown』のイメージが根強い部分はあったのですが、どんな背景があっても、そこから幸せになって輝いて応援されるような存在になったって良いじゃない、というところを表現したかったんです。
――Toi Toi Toiの今後の展望を教えてください。
宇仁:今年の5月30日に行った初めてのワンマンライブでは、「Toi Toi Toiがこういうアイドルになっていきます」ということをステージで体現できたんじゃないかなと思っています。最近ではありがたいことに、一緒にファンの輪を広げようとしてくださっているファンの方が多いなとSNSを見ていても感じています。
いろんな経験を経て、「今回が最後のチャンスだ」ととらえてアイドル活動を頑張っているメンバーも多いので、いろんなバックボーンがあっても活躍できるということを活動を通して伝えていき、共感の輪を広げていきたいです。最終的には武道館を目指せるようなグループになってほしいなと思っています。
そのためにも私たちとしては、これまで数多くの番組や興行イベントを通じて培ったマーケティングノウハウを活かして、グループを多くの方に知ってもらい、そこから興味・関心を持ってもらうためのマーケティングをしっかりと設計して、グループ活動をさらに大きくしていけたらと思っています。
――今後予定している番組についても教えてください。
山本:「PEAK SPOT」というアソビシステムさんの新たなガールズアイドルプロジェクトにToi Toi Toiも所属しているのですが、同じく「PEAK SPOT」所属のfav meとToi Toi Toiの2組のグループによる新番組をABEMAで放送していく予定です。まだ具体的にお話しできることが少ないのですが、僕のいまの思いとしては、一生懸命何かに取り組んでいる姿を見せていくような番組にしたいですね。もともとアイドルだったり俳優だったりと、いろいろ経験された方がもう一度集まった2グループだからこそ、化学反応が起きるのではないかと感じています。
宇仁:Toi Toi Toiに限らず、アソビシステムさんには楽曲やアイドルに関する豊富なノウハウをお持ちなので、、今後も連携させていただきたいと思っています。その上でABEMAとしては、マーケティングで必要なことを考え抜いて最大化していきたいです。具体的には「ファンの輪を広げていくためのマーケティング」、「好きになってもらうためのきっかけ」をどれだけ創出できるかが重要だと考えています。ABEMAをはじめ、サイバーエージェントではエンタ―テインメントの関連事業や部署が多数あるので、グループとしてのシナジーを活用し、より大きく輪を広げていきたいです。今後もアソビシステムさん、朝倉さんを含めた三人四脚で頑張っていきたいと思います。
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https://abema.tv/video/title/90-1927



















