初めてのVAIOは“モバイルモニター”だっていい 軽さに驚く『Vision+ 14』で作る快適デュアル環境

 ノートPCで作業をしていると、「この資料、もう1枚画面があれば並べて見られるのに……」と感じたことは一度や二度ではない。

 でも、自宅には27インチの据え置きモニターがあるし、会社用にどうせもう1枚買うのであればタイプの違う“ツウな”モバイルディスプレイが欲しい。そう思って色々と探してみるものの、なかなかピンとくる製品に出会えない……。

 そんなときに出会ったのが、VAIOのモバイルモニター『VAIO Vision+ 14』(以下、Vision+ 14)だった。そんな『Vision+ 14』を約1カ月ほど使ってみたので、その感想をまとめていこうと思う。

「これモックじゃないの?」と思わず声が出た

 手に取った瞬間、あまりに軽くて思わず驚いてしまった。一瞬「これ、モックアップ(展示用のダミー)じゃないのか?」と疑ったほどだ。

 その軽さはなんと、世界最軽量の約325g(※)。ほかの同型クラスのモニターが500~600g前後であることを考えると、その軽さは目を惹くものがある。重量という王道で突き抜けて勝負してくるそのマインドが好みだ。

※14.0型ワイド以上のモバイルディスプレイにおいて。2024年6月14日時点、ステラアソシエ調べ。

 表面にはロゴすらない、潔いほど端正でミニマルなデザイン。いかにも「余計なことはしない」という美意識を感じる。裏側を見てみると、本体下部がほんの少しだけふくらんでいて、そこにポートや操作ボタン類を集約。上に向かうにつれてシュッと細くなっていき、ついにはUSB-C端子よりも薄い“最薄部約3.9mm”に到達する。このスリムさ、思わず定規を取り出して測りたくなる!

 背面には、アルミ素材の折りたたみ式スタンドがひっそりと仕込まれている。いわば“気が利く”系のギミックで、後述する付属の「カバースタンド」を使わずとも、さっと横置きで使えるのはちょっと嬉しいポイント。

 無段階式なので細かい調整も効くが、立てすぎると安定性はやや控えめに。ただ、本体に対して約80度くらいまではしっかり開けるので、カフェでの軽作業やプレゼン確認くらいなら問題なさそうだ。

スペックが高いわけじゃない、でも不足なし

 14インチのフルHDディスプレイは、文字も資料もスッと見やすく表示してくれる。縦横比は16:10(1920×1200ピクセル)。ハイスペックすぎるわけではないが、外出先で仕事をするには十分だ。

 むしろ、4K対応モニターのように文字が妙に小さくなりすぎて、広い作業領域をうまく活かしきれない……というケースもあることを思えば、この“ちょうどよさ”がありがたい。

 接続はUSB-Cケーブル1本でOK。電源ケーブルすら不要で、カフェや電源のない会議室でもパッと快適なデュアル環境が整うのが気持ちいい。ただし、HDMIポートは非搭載なので、「Switch 2でマリオカートを……」なんて目論みは、現状そのままではできない。あくまでPCとの接続用、と割り切ったほうがいいだろう。

 専用ケースは、ちょっとクセのある折りたたみ式ではあるけれど、慣れれば問題なし。ノートPCの画面上にモニターをタテ配置できる、いわゆる“上下2画面スタイル”が再現できるのがとても便利。

 というのも、個人差はあると思うが、横並びのデュアルディスプレイは、どうしても首を振る動作が増えてしまって正直ちょっと疲れる。その点、縦配置なら視線の移動も最小限で済む。

 だからこそ、縦に2枚重ねるスタイルは、作業効率の面でも、身体的な負担の少なさという点でも、じつにしっくりくる。

 ちなみに自分の使い方はというと、下のノートPCにはSlackやメモアプリ、資料表示など“サブ的な画面”を配置。上の『Vision+ 14』には、原稿作成や記事執筆などの“集中したい画面”を配置して使っている。

 しかも、USB-Cケーブル1本でこの環境が再現できる。外でも“いつもの作業場”をそのまま持ち歩ける。この身軽さは、ちょっとクセになる。

片手でヒョイ、移動が多い人こそ選びたい

 ただ、一点だけ惜しいと感じたのが「専用カバースタンド」の重さだ。

 本体がわずか約325gと超軽量なのに対して、カバースタンドは約440g。2つを合わせると合計で約765gと、数字以上に“ズシッ”とくる。せっかくの軽さがケースを付けた瞬間にかき消されてしまうのは、なんとももったいない。

 もちろん、画面の保護や縦置きスタンド機能など、ケースの恩恵は大きい。ただ、それを差し引いても「今日はとにかく軽く動きたい」という日には、つい本体だけをバッグに放り込みたくなる重量感だ。

 もし、マグネットでPCと簡単に合体できるようなアタッチメントが純正で用意されたら、さらに理想的だろう。そんな“次の一手”にも、つい期待してしまう。

 ノートPCだけでは手狭に感じる場面も多かった中で、『VAIO Vision+ 14』は、自分の作業スタイルにぴったりとハマる相棒だった。画面が一枚増えるだけで、思考の広がり方や作業のテンポまでもが変わってくる。気づけば、いつもよりも心にゆとりを持って仕事に向き合えていた。

 「初めてのVAIOがモバイルモニターで良かった」

 そう思わせてくれるだけの軽さと性能のバランスが、この一台にはある。まずは、この“持った瞬間に伝わる軽さ”を、一度体感してみてほしい。

◼︎参考URL:
https://store.vaio.com/ec/feature/VJ5VP141/?srsltid=AfmBOoqsYL7MFFIEnfB0gqnfKCn7y2L8sjwDTlm0iTukC7u22UYndvKI

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