友だちと一緒に危険な山登りへ…笑いが絶えない協力型マルチプレイ登山『PEAK』プレイレポート

話題のマルチプレイゲーム『PEAK』をプレイした。
本作は最大4人で山登りをするゲームだ。乗っていた飛行機が謎の島に不時着し、プレイヤーたちは聳え立つ山に登ることを余儀なくされるところから始まる。
オーソドックスな登山ゲームでありながら、マルチプレイ体験のツボを抑えており、万人にオススメできる作品に仕上がっていた。

ゲームを起動すると、空港のロビーからスタートする。パスポートを開いて(クセはあるが)かわいらしいキャラクターメイクを済ませてから、フレンドを呼ぼう。
本作は『Project Winter』などに搭載されている近接VC(ゲーム内ボイスチャット機能)を採用している。キャラクター同士の距離を図り、音量が上下する仕組みがゲーム性に直結しているため、ぜひとも外部ツールではなくこちらを使って遊んでほしい。

全員が飛行機に搭乗すると、ロード画面が流れるが、飛行機が洋上でトラブルを起こし、皆墜落してしまう。特に手がかりもないため、皆が山を目指すことに決めたのだった。
本作の操作は至ってシンプル。(キーボード基準で)WASDで移動、左Shiftでダッシュ、Spaceキーでジャンプ、左クリックを押しているあいだだけスタミナを消費してクライミングし、右クリックで味方を引き上げるという動作が可能だ。あとはEキーやQキーでアイテムを拾ったり使ったりするくらいである。

本作を成り立たせている要素は、画面左下のスタミナゲージである。プレイヤーたちは最初はスタミナがマックスの状態で始まるが、アイテムを入手すると重量が加算され、スタミナの最大値が削られる。また、時間経過で空腹になるので、その分だけまたスタミナの最大値が削られていく。そんな具合で、落下ダメージであったり、毒であったり、火傷であったりと、様々な問題に直面するたびにスタミナゲージがゴリゴリと削られていくのだ。
そのため、最初期の段階ではかなり遠くまで楽に上り下りできるのだが、次第に使えるスタミナが減ってくるため、ルートを考えたり、アイテムを駆使したり、他のプレイヤーに引き上げてもらったりする必要がある。皆で協力しながら無理なく登っていくのだ。

しかしながら、マルチプレイゲームというのは、何かしらのアクシデントが面白いものである。本作の山は自動生成されており、24時間で更新するのだが、人が毎回レベルデザインしているのではないかというほど良い塩梅で作られている(もちろん、そんなに上手くできていない箇所もあるが)。
ここからジャンプすればギリギリ掴めなくもないところや、ツタを辿っていって途中で橋に向かってちゃんと降りられればショートカットになるところなど、冒険中幾度となく奇跡のバランスでできたマップと向き合うことになる。

当然、4人で遊んでいるとひとりくらいは滑落してしまう。そのときの「あっ」という声がなかなか笑いを誘う。
落ちたプレイヤーは大ダメージを負い、その分だけスタミナも削られるため、復帰は難しくなる。加えて、ゲーム中は徐々にダメージを負う霧が上がってくるため、一刻も早く登らなければならない。

先行するプレイヤーたちは、落ちた人を見捨てて先に行くか、助けに戻るかを迫られる。ロープなどのアイテムがあれば助けに行くこともできるし、そもそも本人と助けに行くべきかどうかの相談をすべきだろう。しかし、あまりに遠くまで落ちてしまうと、ボイスチャットも届かなくなってしまうのだ。

たとえ死んでも、おばけになって通話と見学だけはできるし、ステージ間に蘇生できるスタチューもあるので、そのあたりは情けがある。また、おばけの外見もなかなかキュートだ。
ステージ間にある休憩所では、焚火と人数分のマシュマロが用意されており、英気を養うことができる。皆でもう一度足並みを揃えて、いざ次のバイオームへ……といった感じに自然とやる気が出てくる素敵なロケーションだ。

藤岡弘、が出演していた平成のテレビ番組のような、決死の探索隊ごっこができるのが『PEAK』だ。ロールプレイに身が入れば入るほど、唯一無二の楽しい体験ができるだろう。まだ日本語化されていないのが残念だが、プレイに支障をきたすほどではない。値段もお手頃(880円)なので、ぜひともフレンドを誘って登頂を試みてほしい。
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