就職活動に就活系YouTubeは有効なのか? 実際の就活生による体験記

就職活動に就活系YouTubeは有効なのか?

3月に26年卒の本選考がスタートした就職活動。本選考解禁から2カ月経っていないにもかかわらず、就職活動の早期化により既に27年卒が動き始めており慌ただしい。 
 
 内定を獲得するためには、企業研究やエントリーシートの記入、面接練習、適性検査対策など、多くのことをこなす必要がある。そして、これらはアプリ、就活サイト、参考書、ソーシャルメディアなど様々なツールを駆使して、自分なりの方法で対策を進める必要がある。 

 そこで、本記事ではそのツールの一つとして「YouTube」を取り上げ、26年卒の筆者が実際視聴していた就職活動中におすすめのYouTubeチャンネルをいくつか紹介したい。 
 

問題集より分かりやすい!適正検査の勉強に便利なチャンネル 

 まずおすすめしたいのは、SPI対策&筆記試験対策のサイト「桐生SPI対策教室」による「桐生SPIチャンネル」である。 

【桐生SPI対策チャンネル】損益算01

 本チャンネルはチャンネル名の通り、選考の一つとして行われる代表的な適性検査「SPI」のうち主に「非言語」の対策ができる動画が多数投稿されている。 
 
〈おすすめポイント〉 
①とにかく丁寧で親切。大学生になると意外と忘れてしまっている初歩的な計算方法など、基礎の基礎から丁寧に教えてくれる。算数や数学が苦手な人でも必ず理解できる。 
②解く際の考え方や解き方のポイントを問題ジャンルごと(「損益算」「確率」「仕事算」など)に教えてくれる。そのポイントを頭に入れておけば、自分で他の問題が解けるようになる。 
③桐生氏の話し方が優しく、モチベーションを保って楽しく学習を進めることができる。 
 
 算数・数学、とにかく数字が出てくる問題に苦手意識があった筆者も、この動画を活用して勉強したことによりSPIが大幅に解けるようになった。筆者は大学3年生の夏ごろまで、青本と言われる紙媒体の問題集を夏インターンシップに向けて繰り返し解いて勉強していたが、難しすぎる問題も多く結果に結びつかなかった。 

 そこで、まずは「桐生SPIチャンネル」の動画で基礎となる解法やコツを学び、動画内の練習問題がスムーズに解けるようになるまで繰り返し視聴した。そして、解き方が頭に入ったところで元々使用していた問題集を用いてひたすら演習をこなしたところ、SPIが着実に解けるようになっていくのを実感した。結果、通過の基準は異なると思われるが、夏インターン時テストセンター形式のテストで不合格となった企業に本選考では通過することができた。 
 
 動画に寄せられたコメントでは、「夏インターン時にはSPIがボロボロで選考に落ちまくっていましたが、このチャンネルを基に勉強させていただいたところ本選考のSPIは全て通過しました」「参考書の問題もすらすら解けるようになって、感動しました」と、動画に対する感謝の声が多く挙がっている。 

 「算数・数学に苦手意識が強い」「参考書の問題が難しく、解説を読んでも理解できない」「問題集を何周しても解けるようにならない」という人にぜひおすすめしたい。

 「言語」分野の勉強におすすめなのが、「おいなりさん〔SPI対策〕」というチャンネル。 

【完全版】SPI言語 頻出語句 120選×3周〔一問一答、聞き流しシリーズ〕|一般常識・SCOA対策・適性検査 

 本チャンネルの動画では、難しい熟語や対義語などの頻出語句を、一問一答形式で聞き流しながら覚えることができる。実際に筆者は、メイクをしている時や電車に乗っている時などの隙間時間に、この動画を再生しながら頻出語句を覚えていた。 

 「参考書で文字をみているだけでは頭に入ってこない」「受験日まで時間がないので、頻出語句に絞って覚えたい」という人にぜひおすすめしたい。  

息抜きにおすすめ「オンライン面接ネタ動画」 

 次に紹介するのは、「オンライン面接を再現したネタ動画」である。直接的な対策にはならないが息抜きにみる動画としてぜひおすすめしたい。 

 コロナが落ち着いた今でも、オンライン上での面接が続いている。実際に、筆者がこれまで受けた面接は、体感8割がオンラインでの実施だった。そんなオンライン面接を舞台とした動画の中でも、特に再生回数が多く人気を集めている2つのチャンネルについて紹介したい。 
 
1.「ジャルジャルアイランド JARUJARU ISLAND」
 

リモート集団面接で効果音使う奴

  「ジャルジャルアイランド JARUJARU ISLAND」は、お笑いコンビ「ジャルジャル」が日替わりの企画を毎週月〜金曜日に配信しているチャンネル。 

 コントとしてジャルジャルの2人のみ出演している動画もあるが、有料ネタサロンの会員をエキストラとして起用した「グループ面接ネタ」が特に面白い。「リモート集団面接で効果音使う奴」「就職面接中に普通に飯食う奴」「就活生のフリして、面接官を採点してる奴」など、実際にはあり得ないであろうシチュエーションの面接が繰り広げられている。実際の面接のように15~20分と尺の長い動画が多いが、時間も忘れて最後までみてしまう。 

『すでに他で内定もらってるから、就活、適当な奴』ジャルジャルのネタのタネ【JARUJARUTOWER】 

  ジャルジャルの別チャンネル「ジャルジャルタワー JARUJARU TOWER」では、オンライン面接だけではなく対面面接ならではの面白さを盛り込んだ動画もアップされている。 
 
2.「桃太郎オフィス【桃太郎教授】」

内定者の懇親会だと思っていたら最終面接だった就活生

 会社内でのおかしなやり取りを一人で再現するYouTuber・桃太郎オフィス。2年ほど前から、オンライン面接での就活生をテーマとした動画も多くアップしている。 

 「事前に録画した動画でWeb面接に挑む就活生」「他に内定があるので圧迫面接官に反撃する無敵の就活生」「スーツを全部クリーニングに出してしまった就活生」など、こちらもタイトルからして面白く思わず再生ボタンに手が伸びる。 
 
 両チャンネルのコメント欄では、「就活中は他人ごとと思えなくて見れなかった」、「全て終わってから心置きなく楽しみたい」という人も多かった。しかし、筆者は就活中にも面接前に緊張してしまってしょうがないときや面接で失敗をしてしまったときなどに、肩の力を抜くために視聴していた。面接前、緊張が止まらなくなってしまう人にぜひおすすめしたい。 

 就活で実際にオンライン面接を経験したあとにみると、「そんなことをする人はいないと思うが、実際にいたらどうしよう、いやもしかしたらいるのかもしれない」という少しのリアリティが感じられて面白い。また、就活生だけではなく、オンライン授業やオンライン会議を経験したことがある者なら誰もが楽しめる動画である。 
 
 とにかくやることが多く時間的にも精神的にも追い込まれてしまいがちな就職活動。 

 本記事で紹介した「就活系YouTube」などのソーシャルメディアも上手く活用しながら、自分なりの対策方法をぜひみつけてほしい。 

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