にじさんじ所属、ソフィア・ヴァレンタインが見せる“ギャップ”に注目 底の見えぬ魅力に迫る
彼女もまた“にじさんじ” めんつゆを醤油だと思っていたソフィア・ヴァレンタイン
か細くも愛らしい声色にごまかされそうになるが、関西人らしいアグレッシブな一面も持ち合わせているソフィア。そのギャップは前述したようにとんでもないインパクトを発することになるが、他にもさまざまなエピソードを通して、“意外な一面”を見せてくれている。
たとえば食生活や味付けの好みにかなり偏りがあり、「何にでもめんつゆをつけて食べたがる」ことが知られている。2023年2月7日におこなった獅子堂あかりとのコラボ配信において、「目玉焼きになにをかける?」という話題で、「醤油とめんつゆって違うの?」「めんつゆを醤油だとずっと思ってた」「お寿司にめんつゆってつけない?」と打ち明け、獅子堂はおろかリスナーすら置いてけぼりにしてしまった。
さらには白米やカツオの叩きなどの和食だけでなく、クッキーやチーズケーキなどの洋菓子にもめんつゆを使ったことがあると話し、同僚である石神のぞみなどからもイジられるようになった。
その後もこの話題は雑談などでたびたび話題にあがり、やがてにじさんじ外にも広まることとなる。その結果として、加賀美ハヤト、葉加瀬冬雪、夜見れなら「SMC組」とともに株式会社Mizkanの味ぽんのタイアップ配信に抜擢、「何にでもめんつゆを使うソフィア・ヴァレンタインに、SMC組がプレゼン」する企画が実施されたこともあるほどだ。
また、倉持めるとの誕生日配信のなかでロシアンルーレットで苦いお茶を飲むことになった際には、ほかメンバーが苦悶の声をあげるなか、ソフィアひとりがそのまま平然と飲み「全然苦くなかった」とコメントを残していたことがある。
おかしいと思った石神がソフィアの分のお茶を飲み、案の定苦悶の声を上げていたのをみてリスナーの間では「ソフィアの味覚がおかしいのではないか?」という認識が広まることになった。
これらに加えて、同じ食べ物を極端に食べつづける偏食ぶりや、レシピ通りに調理をせずアレンジを加えたがるクセなども明らかになり、彼女が食事に関する話題をすると、リスナーから不安や心配のコメントが送られるほどだ。
そんなソフィアだが、自身の前年にデビューしている先輩・壱百満天原サロメとは特に親しいようだ。きっかけはソフィアが初配信前に用意していた暗号謎解き問題を出題したところ、サロメからお礼・感想が暗号メッセージとして送られたこと。そこから連絡を取り合うようになった2人は、互いに関西生まれということもあってすぐに打ち解けて、配信外にオフラインでも遊ぶようになったのだ。
いまでは様々なメンバーと仲の良い姿を見せているサロメだが、当時はデビューして2年目を迎えたタイミングであり、まだコラボ配信などをしていなかった時期。サロメにとってソフィア・ヴァレンタインはにじさんじのメンバーのなかで初めて顔を合わせた相手であり、ライブ配信で1対1コラボをした最初の相手でもある。
その後も、配信上でのコラボだけでなく、オフの時間で旅行に行ったり、互いの家にお泊りをするほどの仲となり、ソフィアがまだ3Dビジュアルを持っていないタイミングにもかかわらずサロメの3Dお披露目配信に呼ばれたり、ソフィアの『ストリートファイター6』配信中に思わぬ形で登場するなど、2人の関係は先輩・後輩というより、仲の良い友達のようですらある。
意外性とインパクトを持って人気を博した先輩と、デビュー直後に思わぬ形で交流を深めていったソフィアが、同じようにビジュアルと内面とのギャップで知名度をあげていく。数奇な共通項を感じずにはいられない。
そんなサロメは星川サラとのコラボ配信のなかで、共通の友達である樋口楓を面白い人・独特と話題にあげたあと、ソフィアについて「すっごい変で、すっごい可愛いの」「考え方がかなり珍しい人だと思う。あと、結構衝動で動くタイプ」と評している。ライブでともに共演した星川も、それに同意していた。
もうひとつのギャップをあげるとすると、彼女がライブパフォーマンスをそこまで苦にしないタイプであったこと、だろうか。
彼女は今年2月に開催された『にじさんじフェス 2025』において、『にじさんじ 7th Anniversary LIVE 「OVERTURE」 Nighttime Stage』に出演。同期・Idiosメンバーのなかでにじさんじの音楽ライブに初参加であり、もちろん彼女にとっての初めての音楽ライブ、それも全体衣装を着ることとなったのだ。
筆者はそのライブを実際に観覧しライブレポートも執筆しているが、舞台慣れしている先輩たちと比較しても歌やダンスで見劣りするような姿は見られなかったどころか、白銀のイメージカラーや線の細い声色を活かしたパフォーマンスで観客の注目を惹きつけ、ソロ曲「ヴェルヴェット」でも存分にその魅力を発揮していた。
一見してみれば、ソフィアのイメージや声色からは、パワフルさや力強さといった一面は想像しにくいだろう。実際、現地にもか弱そうなイメージを持っていたファンは多くいただろうが、そんな予想を見事に裏切ってみせたわけだ。
今回のコラムで書かせてもらった『ストリートファイター6』配信における彼女の姿は極端な例ではあるが、それを抜きにしても会話や行動の節々からは生き生きとしたバイタリティを感じられる瞬間は多い。
そうして意識してみれば、先輩とのオフコラボやその際のやり取りを話すとき、同期であるIdiosについての話題をファンに語るとき、ゲーム内でさまざまなトラップを解いていくときなど、様々な場面で彼女の気持ちの強さやアクティブな一面が見えてくるはず。
料理の隠し味のように別の顔や側面が次々と溢れ出る、やんちゃなエネルギーをこうも感じられる人物は多くない。いまこそ、彼女の“魅力的なギャップ”に目を向けてみてほしい。