木下ゆうかが語る“大食い引退”の背景 変わりゆく大食いのニーズを考える

木下ゆうかが語る“大食い引退”の背景

 大食い系YouTuberとして長年前線を走り続けてきた、木下ゆうか。だが、2025年1月31日に、彼女は“大食い引退”を宣言した。

 テレビタレントからYouTuberになり、11年。まだYouTuberという名も生まれていないころから活躍してきた彼女にとって“大食い引退”は、クリエイターとしてのターニングポイントでもあり、自身の人生においても節目になっただろう。

 今回は、大食い引退を決断した背景についてインタビュー。同時に、彼女の目から見た“大食い”というコンテンツの世界と、これからのクリエイターとしての道を聞いた。

テレビの世界からYouTubeへ

ーーYouTuberになる以前は、テレビなどでご活躍されていたんですよね。

木下ゆうか

木下ゆうか(以下、木下):そうですね、最初は大食いタレントとしてテレビなどに出演させてもらっていました。でもテレビは企画や編集が決まっていたので、活動を続けていくうちに少し物足りなさを感じてきて。もっとやりたいことを自由にできる場所が欲しいなと思って、YouTubeを始めたんです。

 最初はYouTuberとして活動するというよりか、ファンの方に向けて動画が届けられたらいいなと思って投稿していたので、大食いではなく、新商品を食べながらトークをするというような“ファン向けコンテンツ”という感じでした。

ーー木下さんのほかにも、YouTubeを始めた大食い女性タレントの方はいたのでしょうか?

木下:イベントの映像を流したりっていう人はいたんですけど、自分で撮影、編集して……という人はいなかったですね。YouTubeを始めたのは、それもあったかもしれません。

 大食い女性タレントは当時何人かいたのですが、そのなかから飛び抜けるのがなかなか難しかったんです。大食いってそこまで広いジャンルではないので、出演できる番組も限られてくるし、仕事の取り合いみたいな感じで。ギャル曽根さんは当時から飛び抜けて活躍されていたんですけど、自分はそのなかでたくさん番組に出るっていうのが難しくて。それもあって、まだ誰も踏み入れてないYouTubeという世界に飛び込んだんです。

ーーそのころは、大食い系YouTuberがまだいなかったんですね。

木下:海外の方で、大食いの様子を投稿している人はいました。フードファイターの方が制限時間内に食べ切って、「すごい!」みたいな。でも食を楽しむっていう切り口の動画はなかったんですよね。

ーーちなみに、木下さん自身は大食い系の動画は見るんですか?

木下:あまり見ないんですよ。自分がたくさん食べられるので、大食いの驚きや面白さというのがあまり感じられず……(笑)。動画を見ながら一緒に食べて楽しみたい、という欲求もあまりなくて。

ーー逆に、視聴者の方は大食い動画のどういった部分を楽しんでると思いますか?

木下:コメントなどを見ていると、大食い動画は癒されるみたいです。自分が食べられないものを食べてくれる、たくさん食べてくれるのが気持ちいいみたいな。あとはひとりで食べるのが寂しいから一緒に食べる、という方もいるみたいですね。

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