Xiaomi新製品発表会で感じた“日本市場への本気度” 完全体となった『Xiaomi 15 Ultra』がついに登場

Xiaomi Japanは「One More Challenge」をテーマとした新製品発表会を開催し、フラッグシップモデルのスマホ『Xiaomi 15 Ultra』を含む10以上もの新製品を発表した。さらに日本では初となる直営店の「Xiaomi Store」のオープンも発表された。
『Xiaomi 15 Ultra』の日本発売については、グローバル版の発表から約1週間後という“ほぼ同時”の日本発表となった。Xiaomi Japanプロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏は、このスピード感の実現は「大きなチャレンジだった」と舞台裏をインタビューで明かす。Xiaomiが日本市場にかける本気度が感じられた発表会。ここでは新製品情報から進化したカメラ体験レポート、そして個別インタビューの内容をお届けする。
『Xiaomi 15 Ultra』、望遠レンズの進化で“完全体”に
「Ultra」が冠された同社のフラッグシップモデルといえば、4つのライカ共同開発レンズが搭載された圧倒的なカメラ性能が特徴。『Xiaomi 15 Ultra』は4眼の構成はそのままに、焦点距離100mmの望遠カメラがシリーズ初の1/1.4型の2億画素センサーにアップデートされている。


これにより受光性能が大幅にアップ。遠くの被写体や暗所であってもノイズを気にせずに撮影することができるというわけだ。マクロ撮影から望遠撮影まで死角はなくなり、カメラ性能としては“完全体”になったと評価できる。プレゼンでは望遠撮影のデモが行われ、ステージから会場後方の文字をくっきりと写し出すことに成功していた。


会場では望遠性能の体験をすることができたが、約20メートル離れた距離からのポートレート撮影だったが、スマホで撮影したとは思えないほど解像感ある写真に仕上がりに。


発表会では写真家の市川渚氏も登壇し、安達氏とトークセッションを実施。写真の編集をせず、“撮って出し”でも作家性を感じる写真が撮れることの驚きを語った。


SoCも最新のSnapdragon 8 Elite Mobile Platformを搭載するなどフラッグシップモデルにふさわしいスペックだ。そして販売価格は16GB/512GBが179,800円、16GB/1TBが199,800円と、なんとこの円安の時代に前モデルよりも2万円安いチャレンジングな価格設定に。この発表で会場にはこの日一番のどよめきが起こった。

ファンが待望していた『Xiaomi 15』が登場
『Xiaomi 15 Ultra』以外では、コンパクトフラッグシップモデル『Xiaomi 15』の登場でも会場が沸いた。同シリーズ初の日本発売となるためだ。
『Xiaomi 15』は191gの軽量ボディーで片手操作に適した設計となっている。SoCは『Xiaomi 15 Ultra』と同じSnapdragon 8 Elite Mobile Platformが搭載されており、処理性能は折り紙付き。カメラはライカ共同開発のトリプル5000万画素カメラで、14mmの超広角、23mmのメイン、60mmの望遠レンズを搭載している。

そして注目すべきは数量限定の「リキッドシルバー」のカラーバリエーションだ。こちらは通常カラーのホワイト、ブラック、グリーンのフラットな背面とは異なり、文字通り液体のように波打つ背面がメタリックなシルバーとなっており、所有欲を刺激するモデルだ。

また、これらの端末には最新の「Xiaomi HyperOS 2」が搭載されている。AIツールもしっかりと強化されており、文章作成、音声認識、翻訳、各種画像編集においてAIのアシストを受けることができる。
製品ラインアップの大幅拡充とXiaomi Storeに感じる本気度
ほかには、メインカメラが2億画素となったミッドレンジスマホ『Redmi Note 14 Pro 5G』、11.2インチの3.2K解像度ディスプレイ搭載のタブレット『Xiaomi Pad 7 シリーズ』、従来の腕時計を模したデザインのスマートウォッチ『Xiaomi Watch S4』、Xiaomi初となるWi-Fi接続ワイヤレスイヤホン『Xiaomi Buds 5 Pro』など、同社の定番シリーズも強化された。

さらにホーム家電のラインアップも大幅に拡充された。
新製品として、Wi-Fi 7対応の高速通信メッシュシステム『Xiaomi メッシュシステム BE3600 Pro』、Wi-Fi6対応の『Xiaomi メッシュシステム AX3000 NE』、スティック型コードレス掃除機『Xiaomi コードレス掃除機 G20』『Xiaomi コードレス掃除機 G20 Lite』が登場。

そして料理家電としてアプリを使って様々なスマートレシピが利用できるエアフライヤー『Xiaomi スマートエアフライヤー 4.5L』、通常モデルの『Xiaomi エアフライヤー エッセンシャル 6L』、1台に2つのカメラを搭載したスマートカメラ『Xiaomi スマートカメラ C500 Dual』、単位0.05kgの高精度センサーで人も物も量れる『Xiaomi スマート体重計 S200』の発売が発表された。

これらの新製品を含めたXiaomi製品を体験・購入可能な常設店として、『Xiaomi Store』が日本に初出店。イオンモールとの協業で3月にはイオンモール浦和美園店をオープン、4月5日にはイオンモール川口店がオープン予定とのこと。

このように、今回は機能面を強化する“縦の進化”から、製品ラインアップを拡充する“横の進化”もあり、Xiaomiが日本市場に大きく力を入れ出していることが感じられる発表会となった。
ファンの声を受けて進化する、それこそが“Xiaomiの面白味”
発表会後、リアルサウンドテック編集部では安達氏に個別インタビューをする機会が得た。以下でそちらもご紹介したい。
ーー今回の発表会や製品の開発方針などを見ると、Xiaomiは特に「ファンを大事にする」という意思が感じられます。なぜこのような哲学を持っているのでしょう?
安達:まず、それが会社のベースにあるカルチャーなのです。Xiaomiは創業時からお客様のフィードバックを踏まえたプロダクトづくりをして大きくなってきました。そして今も、会社が消費者とダイレクトに繋がってやり取りをする、そういったカルチャーをキープしてきました。そして設立から5年となるXiaomi Japanにおいても、そのカルチャーを日本に絶対に持ってきたい。そう思い、私やマーケティングチームが積極的にやり取りをさせていただいています。それで、今回の発表会も海外とほぼ同時発表で行いました。昨年は2ヶ月遅れだったものを早めるために様々な苦労があったのですが、なんとか実現できました。製品もたくさん登場しましたが、私たちにとって「One More Challenge」はここにありました。そして、『Xiaomi 15』の「リキッドシルバー」まで持ってこれました。

ーー個人的にもとてもカッコ良いなと思いました。
安達:ありがとうございます。数量限定なので、早めに購入することをお勧めします(笑)。
ーーそして写真性能の進化は、やはりライカ社との協業が大きなポイントになっていますね。
安達:そうですね。グローバルでの発表会でもライカのCEOがご登壇されて、今日もライカカメラジャパン社長の福家氏にご登壇いただきました。それだけでもこの2社の結びつきを感じていただけると思います。カメラのUIもライカ風に近づいてきていますが、世代を重ねるに従って、ライカとの共同開発感が高まってきていると思います。写真家の市川氏にも絶賛いただきましたが、写真に詳しい方であれば特にすごさを感じていただけるのではないかと思います。
ーーなぜXiaomiはここまで写真を追求しているのでしょうか?
安達:今の時代、スマートフォンはLINEやSNSなど通常の使用であればミドルレンジ程度で性能的には足りるのですが、さらに上のレベルではイメージングの進化が特に求められています。他社さんも力を入れていますが、我々としてはライカさんと共同開発することによって写真の技術を磨き上げていき、その価値をしっかりと伝えていくことに力を入れています。もちろん他にもイノベーションの軸は様々あります。チップ性能、急速充電、価格などはその際たるもので、これらの顕在化しているニーズを『Xiaomi 15』『Xiaomi 15 Ultra』に搭載しているのです。
ーーUltraを冠したものといえば、最近はEVの『Xiaomi SU7 Ultra』も発売されましたね。
安達:約1000万の価格でポルシェより速い、というのが異次元ですよね。EVは“走るスマホ”なんて言われますが、『SU7』はまさにそれを体現してる商品だと思います。
ーーそして「Xiaomi Store」の登場で、日本のファンとの接点がさらに多くなりました。今後どのような役割を担っていくのでしょうか?
安達:やはり幅広いXiaomiのラインアップを体験できるようになることが大きいです。最初は埼玉の2店舗で出店しますが、今後は3店舗、4店舗以降の店舗に得た学びを反映させ、進化させていきます。Xiaomiは、1〜2年の単位で全然違う姿になっているくらい進化が速い会社なのです。なので、明確なロードマップがあるというよりは実はアジャイル的な会社で。それが、Xiaomiの面白味なのだと個人的には思っております。是非、今後のXiaomiの動きを見ていて欲しいですね。























