SUPER JUNIOR、TWS、&TEAM、RIIZE……『Kstyle PARTY 2025』を鑑賞して感じたボーイズグループの“脱皮” と “進化”

『Kstyle PARTY 2025』で感じたK-POPシーンの力

 2025年3月29日、30日に東京・有明アリーナで開催された『Kstyle PARTY 2025』。その無料見逃し配信が現在ABEMAにて2週間限定で行われている。今回は、無料配信期間が始まってすぐに視聴した筆者の観点から、公演のハイライトをお届けしたい。

 公演1日目の特筆アーティストはやはりSUPER JUNIORだろう。今年11月にデビュー20周年を迎える彼らは、メインダンサーのEunhyuk(ウニョク)のソロダンスブレイクが光る代表曲「SORRY, SORRY」を筆頭に、進化を続けるパフォーマンスで、活動20年目になるベテランアイドルの余裕と貫禄を見せた。セットリストには「BONAMANA」や「Black Suit」など、日本での披露は昨年の『SMTOWN LIVE 2024 SMCU PALACE @TOKYO』以来1 年以上ぶりとなる楽曲たちや、事務所の後輩NCT WISHが今年1月にカバーリリースした「Miracle」などの名曲も勢揃い。MCではShindong(シンドン)からの嬉しい “プチ発表” があったり、懸命に日本語を話すSiwon(シウォン)が「来月」を「らいげちゅ」と言った途端にメンバーがピカチュウの真似をし始めてカオス状態になったり……と何年経っても変わらないSUPER JUNIORらしさが満載だ。近年はなかなか日本で会うことができないSUPER JUNIOR。待望の最新日本公演を無料で見せてもらえるなんて、なんて太っ腹なのだろうか。

 2日目は、若手ボーイズグループが一堂に会した。『Nizi Project Season 2』出身の日本出身メンバー・ミラクも所属する、今年デビューのニューホープ・NouerA(ヌエラ)は、韓国のオーディション番組『MAKEMATE1(MA1)』から誕生したグループ。デビュー前に先行公開した楽曲「無限大」や「Sparkle」「Bring the Crunk」、デビュー曲「N.I.N(New is Now)」を、デビューからたった1か月とは思えない堂々とした立ち姿で披露し、会場を驚かせていた。こうした新人アーティストに触れられるのも合同コンサートの魅力のひとつだ。

 一方、デビュー1周年を迎えたばかりのTWSは、ビリビリと空気を揺らすような歓声のなか、プレデビュー曲「Oh Mymy:7s」で元気いっぱいに登場。「YOU+ME=7942」、「Last Festival」に続き、後半は「If I’m S, Can You Be My N?」「unplugged boy」、デビュー曲「plot twist」といったライブ定番曲を余すところなく披露した。MCでは、7月に日本デビューを控え、次のステージに進む彼らの流暢な日本語トークが展開。今後パフォーマンスも、来る夏に向けてますます進化していくはずだ。そう考えると、今回の『Kstyle PARTY 2025』は、まだ少し新人らしさが残る彼らのいまの姿を日本で見納めることができる、数少ないイベントだったのではないだろうか。

 「Deer Hunter」、「Scent of you」と登場からエンジン全開の&TEAMは、2日目のラインアップ5組のなかではなんと最年長に位置する先輩グループ。3年というときの流れに驚かされるが、いまの彼らを見れば3年間の経験が物語るオーラに納得するに違いない。MCではNICHOLASから、5月より9都市をまわるアジアツアーへの言及もあったが、その直後に伸びやかなハイトーンが光った「Dropkick」は、〈ここから始まる〉と彼ら自身へのエールを歌っているようにも感じ取れた。そして、&TEAMにとってのLUNÉがそうであるように、「FIREWORK」という楽曲も気付けばずっと彼らに寄り添ってきた存在だ。後半には「Feel the Pulse」、「雪明かり」で会場に消えない余韻を残していった&TEAM。“いま”の彼らの姿を、ぜひ残りの配信期間でたくさんの人に目撃してほしいと思う。

 「Make some noise!!」――SHOTAROの掛け声に歓声を上げた会場は、この日のトリを飾るRIIZEに熱い視線を注ぐ。SUNGCHANが「僕たちRIIZEが『Kstyle PARTY 2025』に来ました!」とラストに相応しい熱量で意気込むと、スタンドマイクでしっとりと歌い上げる「Same Key」、「Hug」、「Love119」のバラードナンバーで、「流石RIIZE!」と頷ける表現の厚みを証明。MC中には、ANTONが「最近は一生懸命カムバックを準備しています」「本当にたくさんの曲を準備しているので楽しみ」と近況トークしたほか、SHOTAROの「毎日ANTONと運動してます」の声に、ANTONのTシャツの袖から覗く逞しい上腕二頭筋がドアップになったり、SUNGCHANが「皆さんとの距離を縮めたく、日本語の勉強をしています!」と嬉しいTMIを報告したりと、会えないあいだに生じた変化をシェアしてくれる場面もあった。その後も「Lucky」「Talk Sexy」で会場を魅了すると、最後にSHOTAROの「夏ぐらいにね、また……会えたら嬉しいなって思ってます」と匂わせるような言葉に、会場からは喜びの悲鳴が。EUNSEOKも「また新しい姿で戻ってくるので楽しみにしていてください」と笑顔を見せ、6人の軽やかな足取りを想起させる人気曲「Boom Boom Bass」で華やかに幕を閉じた。

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