水溜りボンド・トミー、個人チャンネル登録者数100万人突破の裏にあった“ショート動画戦略”
人気動画クリエイター・水溜りボンドのトミーが手掛ける個人チャンネル「とみビデオ」が3月17日、チャンネル登録者数100万人を突破した。いまでは料理系ショート動画のイメージが強くなってきたトミーだが、どのようにショート動画を起点とした活動で大台を突破したのか。今回は、トミーのショート動画をベースにした活動戦略を紐解いてみたい。
2015年1月1日に活動を開始したカンタとトミーによる2人組動画クリエイター「水溜りボンド」。ほかYouTuberとはひと味違った検証動画やドッキリ企画で人気を集めており、コンビのメインチャンネルは登録者数413万人を記録するトップクリエイターだ(3月21日時点)。今回登録者数100万人を突破したチャンネル「とみビデオ」は、2020年のトミーの誕生日にカンタからプレゼントされたもの。得意の料理系ショート動画をはじめ、旅行や人怖話などの長尺動画を投稿、生配信も積極的に行っており、コメント欄でのファンとのコミュニケーションが活発なチャンネルだ。100万人を突破した3月17日の夜には、トミーが個人チャンネルのこれまでを振り返った動画を投稿。その動画では、ショートコンテンツを作りはじめた経緯や100万人到達までの紆余曲折が赤裸々に明かされている。
2021年に炎上と半年間の活動休止を経験したトミー。同年12月に活動を再開した当時は、まだ登録者数は19万人台だったという。2022年は35キロの減量に成功したダイエットレシピや色覚検査関連の長尺動画が注目を集め、個人チャンネルの運営は順調のように感じられたが、なんとここでネタ切れに。2023年は年明け早々、「マジで動画出せるものがない」というピンチに陥り、マネージャーや周囲の人びとと相談した結果、2023年2月からショート動画の運用をスタートすることになったと、短尺動画を作りはじめた経緯を説明している。
しかしその裏では、「横動画の人が ショートやるってなんか」「ショートやって当てようとしてるっていう感じがなんか痛いだろうなって思いました」と、ショート動画に偏見があったと告白。トミーは同動画のなかで、登録者数100万人に到達できたことについて「ショートで伸びたのが一番多いと思うんで、やってよかった」と心境の変化を語っているが、一体、どのようにショート動画をベースにチャンネルを運用していったのか。
ショートコンテンツを作り始めた当初、トミーは動画公開後に「生配信で『コメントしてください』っていって、ショートにコメントしてもらう」と、生配信からショート動画に視聴者を誘導していたと説明。地道にコメントの書き込みを視聴者にお願いした結果、「どの動画よりも圧倒的に再生数に対してコメント数が多い」状態となり、いいスタートダッシュが切れたと述べている。
その後、チャンネル登録者数は順調な伸びをみせ、2023年8月には登録者数50万人を突破。この頃は「日本一接客が悪いレストラン」とSNSで大きな話題となった「the LAZY HOUSE(ザ・レイジーハウス)」をインフルエンサーで初めてコンテンツにし、チャンネル史上初めて1,000万回再生を記録するなど、ショート動画の運用は好調そのもの。この頃についてトミーは、「再生と登録の結びつきが強かった」と振り返っており、ショート動画の再生回数がチャンネル登録者数の増加に直結していたことがうかがえる。事実、この年にYouTubeが発表した「国内急成長クリエイター」5位にとみビデオがランクインしており、2023年は飛躍の年だったことがわかる。
しかしショート動画自体から発生する収益は、どうしても広告が多数つけられる長尺動画に比べ低い。長らく赤字が続いていた同チャンネルを黒字に転換するために、トミーは新たな挑戦をすることになる。2023年7月、トミーはオフラインでの料理教室イベントを初開催すると、同年11月からはクッキングLIVEアプリ『NATSLIVE』で、料理配信「トミーの台所食堂」を隔週で開始。トミー曰く、こういったイベントやYouTube以外での配信は、ショート動画をしっかりと仕事に繋げる突破口として始まったもの。料理イベントは昨年12月にも開催され、大盛況のうちに終わったほか、NATSLIVEでの配信も現在も継続しており、ようやくショート動画を起点とした安定的なチャンネル運営ができるような仕組みが整ったようだ。
ショート動画に取り組みはじめてから約2年で迎えた登録者数100万人到達。トミーは短尺動画について、「ショートでいろんな人に自分のことを知ってもらえてチャンネルに来る。これはもちろんありがたいことだし、その価値はある」と、そのメリットを口にしている。ショート動画をメインにした活動は、再生数と登録者数を伸ばしやすいという短尺動画の特徴を活かしながら、いかにその先の仕事に繋げられるかが成功のポイントになっているようだ。
出典:
【今だから言えるガチ本音】あの時、本当はこう思ってました。
https://www.youtube.com/watch?v=4eAeZw5F5M4
2023年日本のYouTube年間ランキング発表
https://youtube-jp.googleblog.com/2023/12/2023YTJPEOYranking.html
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