バーチャル配信者の世界が広がる“晴れ舞台”を見て IRIAM6周年記念イベント『ミライトパーティ2024~グランドフィナーレ~』レポ

定番の歌ステージから出張配信まで 個性豊かなライバーたちの晴れ舞台

本イベントは複数のプログラムで構成されている。目玉となるのは「ミライトステージ」。選抜ライバーたちが、5分間の時間制限の中で自分らしいステージを作り上げる企画だ。
ライバーはIRIAMの画面に映った状態で、ステージ上のスクリーンに登場した。そしていずれも、自身のステージパフォーマンスはIRIAMにて配信しており、ライバーだけでなく配信のリスナーもパフォーマンスに参加しているのが大きな特徴だ。
パフォーマンスの内容も多岐にわたった。晴れ舞台の定番である歌唱が多かったが、カバー曲を歌う人、この日のためのオリジナル曲を制作してきた人、弾き語りも実施する人、サプライズでLive2Dモデルをお披露目する人など、それぞれの晴れ舞台を作り上げていた。
その一方で、「普段の配信の延長」を見せるライバーも。コンセプトを決めた定期配信の出張版を行う人だけでなく、小細工なしの“ストレート雑談”をあえて行う人もいた。
各ライバーのステージは、運営とも相談の上で決めていったものだそう。ステージの定番に縛られず、ライバーが自分らしさを見せる上で最善なパフォーマンスをともに考えようとする姿勢には、初見ながら感心させられた。
「ミライトステージ」以外には、ライバーたちによる対戦型企画や、IRIAMにて年間で多く歌われた楽曲を複数人で歌うステージなども実施された。対戦型では、サムネ作成やモノマネ歌唱、「会場に10人ぴったりいるお題集め」など、配信者としてのクリエイティブや対応力が問われるお題が登場し、会場を大きく湧かせていた。また、演技かどうかを見極める企画には、ステージ出演ライバー以外のIRIAMライバーから寄せられた映像が問題として登場するなど、多くのライバーに光を当てようとする意気込みも感じられた。
さらに、1年を通して様々な実績を積み上げたライバーを表彰するコーナーも設けられた。様々な部門が見られたが、「毎日配信したライバー」部門は実に265名もおり、その全ての名前が紹介されていた。また、配信に貢献したリスナーを表彰する部門も用意されていたのは、IRIAMのカルチャーならではだと感じた次第だ。
イベントの締めくくりは、年間で最もIRIAMで歌われた『ファンサ』の歌唱となった。金テープも派手に舞う中、IRIAM6周年を祝う舞台は大盛況のうちに幕を下ろした。
ライバーとリスナーが生み出すコミュニティが作る熱量
筆者は普段、YouTubeやTwitchで活動するバーチャルタレントと、『VRChat』を中心に活動するタレントやクリエイターを観測しているため、IRIAMライバーはほとんどが初見だった。その上で感じたのは、総じてトーク力と瞬発力が高い人が多いことだ。ユーザーが手軽にアクセスできる分、離脱も手軽なスマホ配信アプリ環境で、切磋琢磨を続けた人だからこそ得られる"現場への対応力"には、正直舌を巻いた。
同時に、IRIAMライバーに「コミュニティ」の概念が強く存在することも興味深く感じた。イベント中では配信者と視聴者の総体を「コミュニティ」と称していたが、リスナーを表彰する部門があったことからもわかる通り「ミライトステージ」は配信者だけでなく、ギフトの演出で配信を盛り上げる視聴者もまた「配信の場」を作り上げており、ともに手を取り合っている様子が非常に新鮮だった。無論、これらはいわゆる投げ銭なのだが、YouTubeのスーパーチャットよりも、Twitchのハイプトレインに近しいものを感じた。
そして同時に、『IRIAM』そのものも巨大な配信者コミュニティであるように感じられた。「会場に10人ぴったりいるお題集め」で「ライバーとして今回来場した人」という問いに対し、複数人の手が挙がったのがその証左だろう。配信という行為が、世間よりも身近にある人たちが集まる場所が『IRIAM』なのかもしれない。

こうした特性を持つプレイヤーたちを、運営サイドも大事な存在と捉え、密にコミュニケーションを重ねながら生み出したのが『ミライトパーティ2024〜グランドフィナーレ〜』なのかと、門外漢の身で感じた次第だ。主流のVTuberカルチャーとは異なる「バーチャルな配信者とファンの世界」が、たしかに育まれていると感じるイベントだった。
なお、イベントの様子はアーカイブが残されている。気になる方はこちらも確認いただければ幸いだ。



























