般若のブチギレも…ラッパー集団の抗争が勃発『警視庁麻薬取締課 MOGURA』第2話

抗争の発端となったのは、「9門」のメンバー・Young06(ゼロ/RedEye)が攫われたことだった。顔が傷だらけになるほど痛めつけられたゼロの頭の中には、母親に暴力を振るっている父親が走馬灯のように浮かんでいた。意地でも教えようとしないゼロを「REDHEAD」のNo.2であるGEON(Jinmenusagi)が追い詰めるが、口を割ろうとしない。彼らの目的は「9門」が管理する大麻畑の場所を突き止めることだ。最終手段としてBorn-D(吉村界人)はヘビの毒を仕込んだ注射器をゼロに打とうとする。
その情報はSNSを通じて「9門」のもとにも伝わる。すぐに伊弉諾、OG-T(G-k.i.d)、Haru (CYBER RUI)は「REDHEAD」のアジトへと向かった。そもそもなぜ「9門」と「REDHEAD」は敵対しているのか。ヒップホップ好きの中では周知の事実で、かつて火薬(Jin Dogg)とBorn-DはB GROUP BROTHERという同じグループで活動していた。だが、スタイルの違いや扱っているヤクの違いから分裂して以降、軋轢が生まれることになった。「9門」はオーガニック、「REDHEAD」はケミカルという大きな違いがあり、ラッパーの間では手を出していいのは大麻までという暗黙のルールがあるという。それを破ったのが「REDHEAD」だった。
「REDHEAD」のアジトの近くで様子を見ていた伊弉諾は、タイミングを見計らってひとりで潜入捜査を開始する。しかし、「REDHEAD」のメンバーに見つかってしまい、OG-TとHaruらとともにGEONらに拘束されてしまう。すると、伊弉諾は腕の拘束具を断ち切り、「女子に手ぇだすのは違げぇだろ」と反撃する。警察官なだけあって、対人能力には長けている伊弉諾。般若のキレキレなアクションシーンが炸裂した。
助太刀に来た火薬のバイクを借りて、ゼロを助けに向かった伊弉諾。「9門」のアジトに着くと、ソファに横になっているゼロがいた。Born-Dはヘビの毒を打ったと話していたが、それはハッタリだったのだ。ただの睡眠薬で眠らされていたことを知り、伊弉諾は安心する。しかし、バイクで100kmオーバーの速度で警察にもかかわらず警察に捕まってしまうという凡ミスを犯してしまう。シリアスな展開のなかにいい塩梅で笑いを織り交ぜてくるのが面白い。
極秘任務とはいえ、伊弉諾の「9門」への忠誠心はHaruの心をひらいていく。Haruのスマートフォンを使って、いきなりライブ配信を始め、「REDHEAD」に喧嘩を売る伊弉諾。それを見たゼロの「かっけぇな」に対して、Haruは「ただのヤバい奴やん」の会話からは伊弉諾を信頼し始めていることが伝わってくる。
あまりにもラッパーとして馴染みすぎているが、伊弉諾はあくまでも潜入捜査をしている最中なのだ。伊弉諾は困っている人を助けるために警察官になった。同僚の高橋舞子(成海璃子)と「正義の味方になる」という約束を交わす伊弉諾は、少し複雑な表情をしていたように思う。正義とはいっても、立場や環境が異なればその正義は大きく揺らぐ。正義とは何なのか、本作のテーマでもあるのかもしれない。
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