なぜ「iPhone8」はいまだに人気なのか? 専門店に聞いた中古スマホ市場の“いま”
iPhone8に根強い人気がある理由
中古スマホを求めにやってくるお客さんは、性能よりもとにかく価格の安さを優先しているようだ。「うちのお店でも一応iPhone16の在庫を置いていたんですけど、そこまでの性能はいらないようですね。中古を見にきた時点で購入金額を下げることが、お客さんのなかでは1番なので。そこは外国人のお客さんと大きく違うところですね」
「ただ、性能がいらないと言いつつ気にされる点もあるんですよ。たとえば5Gが使えるかどうかです。あとは、バッテリーの状態を気にされる方も多いですね。iPhoneはバッテリーの状態が記載されているので、中古のなかでもできるだけ寿命の長いものを選んでいきます」いま中古スマホユーザーのあいだでは、“5G”と“バッテリーの状態”が判断基準になっているようだ。
販売側の視点から見て、いまおすすめの中古スマホはiPhone13・14だという。「iPhoneのなかでも、比較的安価で買えるし、高性能なモデルです。価格と性能のバランスが1番いいのが、現状このあたりになってくると思います。あとはSEシリーズも数を揃えて販売していますね。ホームボタンの存在意義というか、『指紋認証がいい』という層は一定数いるので」一見顔認証の方が手軽に思えるが、指紋認証にも需要があるのは驚きだ。さらにSEシリーズは、圧倒的な価格の安さも人気がある理由だろう。『ゲオモバイルアキバ店』でも、SEシリーズは1万円〜3万円ほどの価格帯で販売されていた。安価でありながらどれも傷ひとつない綺麗な状態で、まさにサブ機としてはうってつけだ。
「販売価格が低いものでいうと、iPhone8はずっと売れています。状態のいいAランクでも1万2000円程度なので、お子さまに持たせる用や、自分のサブ機、仕事用として購入される方が多いです。傷ついてもいいし、とにかく使えればいいという目的で人気ですね。万が一画面を割ってしまったとしても、心が痛まない価格なので(笑)」たしかに、子どもなどは落として割ってしまう可能性も高い。半分おもちゃのような感覚でも使うことができるのだろう。
「iPhone8はOSのアップデートが終了してしまっているのですが、アプリには対応していますし、必要最低限の機能が使えるというのが大きいですね。iPhone7までいくとLINEが使えなかったりするので、1番安価で手に入れられて、機能面の条件も満たしているのがiPhone8なんだと思います」
中古スマホのなかでも、価格帯によってそれぞれの需要があるようだ。いまは、新しければいいというスマホ選びではなくなってきていることがわかる。「iPhone8でさえいまだに需要があるので、iPhoneは何かのきっかけでガクッと販売価格が下がることもあまりないんですよね……。新しいモデルが発売されたら、旧モデルの値段が下がると思われている方もいるのですが、つまり同じように旧モデルを狙う人が増えるということなんです。だから販売する側としては値段を下げる必要があまりないんですよね(笑)。iPhoneの価格はときが経つとともに、じんわり刻みながら下がっていく、という感じなんです」
「あとAndroidでいうと、Pixelシリーズが人気ですね。以前はGalaxyとXperiaがAndroidの二大巨塔だったのですが、ここ2、3年はPixelシリーズが勢いを伸ばしてきました。若い方だと『デザインがかっこいい』というところから入るのですが、おすすめポイントとしては“世界中どこでも使える”ことが大きいですね。たとえばXperiaやGalaxyって、SIMフリーとはいえいろいろ制約があるんです。でもPixelシリーズはSIMを挿しただけでどこでも気にせず使えるので、非常に便利です。あとは、OSのアップグレードが5年間保証されているのも大きな魅力です。『Pixel 9』『Pixel 8』になると7年間も保証されています。ほかの機種はシステムのアップグレードが途中からできなくなってしまうのに対して、アップグレードが長期間保証されているという点も、人気の理由です」