なぜ「iPhone8」はいまだに人気なのか? 専門店に聞いた中古スマホ市場の“いま”
キーワードは「SIMロック廃止」と「0円廃止」
国内のみならず、海外からも注目を集めている“中古スマホ市場”。ユーザーの生活の変化もあるようだが、たびたび見直される携帯販売に関する規制も、注目を集める背景に影響しているようだ。「SIMロックが廃止になったのは大きいですね。いまでも、SIMロックが解除されている端末の方が買取金額が高い傾向にあります」
「2021年の10月からSIMフリーになったことで、端末を購入した会社以外のSIMカードを使うことができるんだ、ということを改めて知った人が増え、格安SIMを利用する方も増えました。格安SIMは維持費が安いですからね。中古スマホと合わせて、安いパッケージでサブ回線として使う方もいらっしゃいます」現在は大手キャリアからも格安プランが登場しており、格安SIMへの抵抗感もほぼなくなりつつあるだろう。
くわえて追い風となったのが、「0円スマホ」や「1円スマホ」の規制だ。携帯の割引上限は、法令の抜け穴を通じて値引きをおこなう通信キャリアと、独禁法における「不当廉売」にあたるとして規制を強化する総務省による“いたちごっこ”が年々続いている。2019年、総務省は「回線契約に伴う利益供与」の上限を2万2000円までと定めたが、その後通信キャリア各社は回線契約の有無を問わない「端末単体購入値引き」を開始、ふたたび大幅な値引きがおこなわれた。
そして2023年12月27日に総務省の電気通信事業法ガイドラインが改正され、値引き上限が端末単体購入も含めて原則4万4000円に制限された。「値引き金額の規制により『0円スマホ』や『1円スマホ』がほぼなくなったのも大きいです。キャリアショップで『0円スマホ』や『1円スマホ』のプランで新品を買い換えていたお客さんが流れてきたのも、中古スマホが注目され始めた理由のように感じます。そういったお客さまは、携帯選びにそこまでこだわりが強いわけではないので、コスパよくいい機種を使えるという需要に、中古スマホがちょうどマッチしたのかもしれませんね」
(参考:電気通信事業法施行規則等の一部改正https://www.soumu.go.jp/main_content/000913308.pdf)
「いま新品の機種はすごく高いですからね。iPhoneにしてもAndroidにしても、5、6年前なら7〜8万円のスマホもあったのですが、もういまはどれも10万は超えてしまいます。昨年から今年にかけてはとくに、お客さんから『新品が高い』といった声を聞くようになりました」