スタンミはトコロバを迎えに行き、火威青は大先輩が残した水族館へ 大物が“生活”を始めつつある『VRChat』

徐々に大物が“生活”を始める『VRChat』

活動終了のホロライブEN・ワトソン・アメリアが水族館ワールドを公開

 10月1日に配信などの定常的活動を終了したホロライブEnglishのワトソン・アメリアは、終了直前にひとつの『VRChat』ワールドを残した。彼女がプロデュースを手掛けた水族館ワールド「holoAquarium」だ。

 巨大な水槽と水中トンネルなど、建造物としての見どころも多いこの水族館に暮らすのは、ホロライブの所属タレントを模した架空の水生生物だ。日本、英語圏、インドネシアと、各国で活躍するタレントたちがモチーフとなった生物が、チャーミングな説明書きとともに紹介されている、ユニークな公式ワールドである。

【VRChat】アメリア先輩のholoAquarium旅行【火威青 】#hololiveDEV_IS #ReGLOSS #青くんのVRC旅行

 先日の3Dお披露目配信で『VRChat』配信をおこなっていくと発表していたホロライブ(hololive DEV_IS)・火威青は、ワールド探訪配信第1弾にこの水族館を訪問。偉大な先輩の残したホロライブへの愛を込めたワールドに、感無量の様子だった。VTuberが『VRChat』で世界観を表現するとはどういうことなのか、また一つ大きな事例が生まれたように思う。

故郷に帰ったトコロバが遅いので、ニックと迎えに行くスタンミじゃぱん【VRChat】

 『VRChat』旋風を巻き起こしたストリーマー・スタンミの配信には、“最も著名な一般宇宙人”ことトコロバがひさしぶりに現れた。8月末の配信で「母星へ帰還」してから、1ヶ月ぶりの登場となった。

 ここで単純に再出演させるのではなく、スタンミが仲良くなったもう一人の宇宙人・ニックとともに、トコロバの母星――トコロバが愛用するアバター「Wormiesock」が住まう星へとロケットで乗り込み、現地住民への聞き込みを経て再会するシナリオを組んだのがユニークだ。

 最後に、二人が出会ったばかりの頃に訪れたゲームワールド「Kitchen Cooksǃ」に、ニック(とサポートメンバー・テレンス)とともに挑む流れも、物語性を感じるエンタメに仕上がっていた。これもまた、場を自由に行き来できる『VRChat』で実現できる表現の好例だろう。

 なお、再会の舞台となった母星こと「Wormie Planet」は、現在誰でもアクセスできるようになっている。配信の余韻を感じ取りたい方はぜひ訪問してみるとよいだろう。

『あおぎり高校』の公式VRChat用衣装が登場 意外な企業の動向にも注目

 上下期の節目であるからか、大小様々な発表も見られた。『VRChat』とVTuberともに関わる話題としては、6周年を迎えたVTuberグループ・あおぎり高校公式の『VRChat』アバター向け衣装発売が挙げられる。音霊魂子、石狩あかり、山黒音玄の3名の衣装が、『VRChat』のアバター向けに調整されたデータとして販売中だ。

 VTuber向けに仕立てた3D衣装を『VRChat』向けにも展開する事例は過去にもいくつか見られたが、大手事務所が「タレントの衣装そのもの」を販売するのは珍しい。昨今の『VRChat』ブームにもぴったりハマった動きであるといえよう。

【重大発表】就活成功⁉とある企業とタッグを組むことになりました【ChumuNote】

 稀有な経歴をたどる個人勢VTuber・ChumuNoteは、レメディ・アンド・カンパニー株式会社とのタレントマネジメント契約締結を発表した。この会社のメイン事業は「医薬品の開発支援(CRO)サービス」だが、6月に新規事業としてバーチャルエンターテイメント事業を始動。すでに先行して2名のバーチャルタレントがマネジメント契約を結んでいる。「人の心を癒し、温める力」をVTuberに見出し、医療だけでなく癒やしをも届けたいと語る同社が、バーチャルタレントとどのような未来を描くかは注目したいところだ。

 XRデバイス方面の話題では、「Windows Mixed Reality」のサポート終了、MRデバイス『HoloLens 2』の販売終了が挙げられる。いずれもマイクロソフトが展開してきたXRデバイスだが、「Windows Mixed Reality」はWindows 11の最新OSにて使用不能となり、『HoloLens 2』は在庫限りとなる。XRデバイスとしては初期から名が挙がる機種だったが、ここにきて相次いでその歴史に幕を下ろすことになった。

 相次ぐハードウェアの撤退は、現在のマイクロソフトのスタンスを暗示しているように感じる。その一方、PC接続に対応した『PlayStation VR2』は、「Steamハードウェア&ソフトウェア 調査(※)」を見る限り、9番目に利用されているVRヘッドセットへと躍り出ている。『Meta Quest 3S』や『PICO 4 Ultra』などの新顔も現れた一方、長らく人気機種として活躍した『Meta Quest 2』は姿を消すことが告げられている。XRデバイスは今年、比較的大きな世代交代が起きそうだ。

(※参考:「Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: September 2024」https://store.steampowered.com/hwsurvey)

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