ブロックされても閲覧可能に Xの機能改変で困る人多数…イーロン・マスク氏の狙いとは

Xの機能改変で困る人多数…イーロン氏の狙いとは

 X(旧Twitter)のオーナーを務めるイーロン・マスク氏は9月24日、自身のXで「ブロック機能により、そのアカウントは投稿への返信などはブロックされるが、投稿の閲覧は可能にする」と投稿。現状では、ブロックしたユーザーの投稿はタイムラインに表示されず、ブロックされたユーザーは投稿を閲覧できない。しかし、マスク氏の提案が実現した場合、ブロック機能は意味をなさなくなる可能性がある。

 この提案に対して、否定的な意見が散見されている。「これストーカーされてる人なんかめちゃめちゃ困ると思うんだけど」「ストーカーとかDVや虐待で逃げてる人は今後Xできなくなるね。なんでこんな事するんだろう」といった意見があり、ストーカーに投稿を閲覧されることを不安視する声が国内外のアカウントから寄せられた。また、「ブロック機能無くなるの? 今までブロックした広告とエロ系の画像載せる人、動物虐待の画像載せる人はまた出没するのかな」「一時期出回ったドール虐待とか下劣な広告等が目にはいらない精神衛生上の防護策として使ってきたからそれがまた出てくるとなるとちょい怖い」といった声もあり、暴力的な画像や卑猥な広告を避けるためにブロック機能を使っていたユーザーからの不満も少なくない。

 さらには、「ブロック機能が意味なくなったらわしがこつこつ報告ブロックしてきたインプゾンビ達がまた蔓延るだろうがよ」「俺はブロック機能をインプゾンビによるパクツイ防止のためだけに使ってる」といった声も見られ、インプレッションを稼いで収益を得るために同じ投稿を繰り返す“インプゾンビ”をタイムラインに表示させないため、あるいはインプゾンビに自身の投稿を真似されないためにブロック機能を活用しているユーザーからも不満の声があがった。

 マスク氏のアイデアに賛同する声は少ない。ではなぜ、多くのXユーザーが望まない方向に変更しようとしているのか。その理由は、広告のインプレッション数を減らさないためだと推測する。X上では、広告投稿をブロックするユーザーがいる。実際今回のマスク氏の投稿を受け、広告をブロックできないことを嘆くユーザーが散見された。こうした状況が続けば、「Xで広告を出したい」と思う企業が減少し、収益が減少する懸念がある。そのため、インプレッション数を減らさないためのテコ入れとして、ブロック機能の変更を検討している可能性がある。

 以前から、Instagramのように特定のユーザーをブロックした場合、別アカウントもまとめてブロックできる機能をXに導入してほしいという声が多く寄せられていた。しかし、今回のマスク氏の提案は、そうしたユーザーの要望に逆行するものである。今後、Xのブロック機能がどのように変更されるのか注目だ。

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