儒烏風亭らでんの推薦図書『VTuber学』が話題 学術書としては“異例の速度”で第3刷の重版出来

『VTuber学』が“異例の速度”で重版出来

 岩波書店より8月28日に発売されたVTuber総合学術書『VTuber学』。発売されて間もないながら、はやくも第3刷の重版が決定。同社いわく「学術書としては“異例の速度”」での重版決定だ。

 同書はVTuberを“学問”の俎上に載せる目的で、研究者を始めとした様々な分野の専門家により執筆されたもの。ホロライブ所属のVTuber・儒烏風亭(じゅうふうてい)らでんの配信で取り上げられた事が大きな話題となり、推薦図書「書庫らでん」にも選抜された。

 Amazon売れ筋ランキングでも「メディアと社会」「社会一般関連書籍」「情報社会」の3カテゴリーで「ベストセラー1位」となり、3冠の快挙を達成した。

ホロライブ・儒烏風亭らでんの推薦で話題に

 発売3日後の8月31日、ホロライブのVTuber「儒烏風亭(じゅうふうてい)らでん」の配信に編著者の一人で哲学研究者の山野弘樹がゲスト出演し、らでんが本書に強い興味を示したことから大きな話題となった。9月8日には、らでんの推薦図書「書庫らでん」9月号に本書が選抜され、全国の書店の「書庫らでん」コーナーに本書が展開されることとなった。

 

Amazon売れ筋ランキングで3冠を達成、第3刷の重版も決定

 発売4日後の9月1日にはAmazon売れ筋ランキングにおいて、「メディアと社会」「社会一般関連書籍」「情報社会」の3カテゴリーで「ベストセラー1位」となり、3冠の快挙を達成。書籍全体でも最高で43位を記録した。

 翌日9月2日には発売一週間足らずで第3刷重版が決定。これは学術書としては異例の速度での重版決定となる。一部店頭では品薄となっているが、近日中に増刷分が出荷予定とのことだ。

9月14日には『VTuber学』発売を記念したトークライブ配信も

 本書の発売を記念して、9月14日20:00よりトークライブが無料で配信される。編著者である岡本健・山野弘樹・吉川慧と、第4章の執筆者でVTuberのバーチャル美少女ねむの4名により、刊行の意図や書籍の内容の紹介、企画や執筆の裏話などを元に『VTuber学』を語り尽くす。

【LIVE】岩波書店『VTuber学』発売記念ライブ【VTuberを”学問”の俎上に】

■書籍概要

VTuber総合学術書『VTuber学(岩波書店)』

刊行日:2024年8月28日
判型・頁数:A5判・352頁(電子版も発売中)
価格:3,400円+税
版元:岩波書店

 VTuberは、インターネットとコンテンツが連綿と紡いできた文化的、社会的、産業的な試行錯誤による蓄積の結節点にいる存在である。そこからは、情報社会が進展するにつれて現れてきた可能性や課題、多層的な問いを取り出すことができる。気鋭の執筆者陣が、様々な角度からVTuberについて考えるための視座を提供する。

〈目次〉
●第Ⅰ部「VTuberことはじめ」
・第1章「VTuberの歴史 ─VRニュースサイト『PANORA』運営者の視点から─」(広田稔)
・第2章「VTuber企業のビジネスモデルと社会的広がり ─ANYCOLORとカバーを中心に─」(吉川慧)
・第3章「VTuberのエンターテイメント性を考える」(草野虹)
・第4章「すべてがVになる ─VTuber 現象が人類の魂を解き放つ─」(バーチャル美少女ねむ)

●第Ⅱ部「調査編」
・第5章「VTuber学入門 ─どのようにVTuberを調査・研究していくのか─」(岡本健)
・第6章「メタVTuberコンテンツの表象文化研究 ─『匿名性』『有名性』『声』『ジェンダー』から考える─」(関根麻里恵)
・第7章「当事者の声をとらえる ─『バ美肉』実践者へのアンケート・インタビュー調査─」(リュドミラ・ブレディキナ)
・第8章「重なり合うアバターたち ─VRChatにおけるアバター/ユーザー関係の諸相─」(池山草馬)

●第Ⅲ部「理論編」
・第9章「『VTuber』とはいかなる存在か」(山野弘樹)
・第10章「実在する配信者としてのVTuber」(篠崎大河)
・第11章「人格(ペルソナ)としてのVTuber」(富山豊)
・第12章「フィクショナル・キャラクターとしてのVTuber」(松本大輝)
・第13章「『身体』と『魂』としてのVTuber」(本間裕之)

●コラム
・コラム1「Activ8 株式会社代表取締役 大坂武史氏へのインタビュー」
・コラム2「カバー株式会社CEO 谷郷元昭氏へのインタビュー」
・コラム3「Brave group 代表取締役 野口圭登氏へのインタビュー」
・コラム4「作家 塗田一帆氏へのインタビュー」
・コラム5「『 一生てぇてぇしといてもろて』の探求」(宇野颯樹)
・コラム6「VTuber コラボイベント調査レポート」(船富未来)
・コラム7「VTuber の図書館活用」(高倉暁大) 

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