100年に一度の“渋谷再開発”ラストピースがついに完成 渋谷駅新南改札とつながる『Shibuya Sakura Stage』内部を見た

『Shibuya Sakura Stage』がついに開業

 2024年7月25日、東京・渋谷駅そばに新たに商業エリアの37テナントがオープンする大型商業施設『Shibuya Sakura Stage』。18日にはそのオープニング記者発表会と内覧会が行われた。

東急不動産株式会社 都市事業ユニット 渋谷事業本部 執行役員本部長 黒川泰宏氏(左)と東急不動産株式会社 代表取締役社長 星野浩明氏(右)
東急不動産株式会社 都市事業ユニット 渋谷事業本部 執行役員本部長 黒川泰宏氏(左)と東急不動産株式会社 代表取締役社長 星野浩明氏(右)

 まずは東急不動産株式会社 代表取締役社長 星野浩明氏が「Shibuya Sakura Stageの開発の歩みとまちの変化」についてプレゼン。渋谷駅を中心とした大規模再開発プロジェクトは「渋谷ヒカリエ」「渋谷ストリーム」「渋谷フクラス」「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷アクシュ」に続いて、6箇所目であり、星野氏いわく「ラストピース」となるもの。

 また、Shibuya Sakura Stageがある桜丘地区については、2008年に準備組合の設立総会が開催されてから今日まで、およそ16年の歳月を要した再開発が行われてきた。そして今回のShibuya Sakura Stageの完成にともなうJR渋谷駅の新駅舎・新南改札の完成は「桜丘町に改札を」という地元住民の悲願の達成だという。

 今回の桜丘地区再開発においてShibuya Sakura Stageがもたらす影響は大きい。7月21日に使用開始となるJR渋谷駅の新駅舎・新南改札から直通で繋がることにより、渋谷駅とのアクセスが容易になったほか、これまで直線距離では近いものの遠回りしなければならなかった、渋谷ストリームのある渋谷新南口・代官山〜恵比寿方面へも簡単に行けるようになった。

 Shibuya Sakura Stageが完成する前の2024年3月段階でも、段階的に行ってきた歩行者ネットワーク整備の影響もあり、施設周辺の人流は2019年の3月と比較しても143%増加。Shibuya Sakura Stageの開業と新南改札の完成により、さらに人流は増えていくことだろう。

 その後、東急不動産株式会社 都市事業ユニット 渋谷事業本部 執行役員本部長 黒川泰宏氏が「Shibuya Sakura Stageが提供する新たな価値や魅力」について語った。

 東急グループは「“Greater SHIBUYA 2.0”戦略」として、渋谷駅の半径2.5km圏内のエリアを「広域渋谷圏」と名付け、そのなかで「働く・遊ぶ・暮らす」が融合した持続性のある街を目指していくという。そのなかでのShibuya Sakura Stageの役割について、黒川氏は「根:リアルと溶け合うデジタルインフラ、幹:文化創造発信の場・交流の場、花:生み出される新しいライフスタイル」と桜の木に例えて説明。

 「根」とした「リアルと溶け合うデジタルインフラ」については、AR体験と広告価値の融合を果たしたAR体験型デジタルツインメディアを電通との協業で開発。イベントと連動した動画コンテンツや施設のお得情報を自身のスマホで閲覧でき、サイネージとの連動はもちろん、マーケティングデータの還元をなどを用いてマーケティング価値の最大化を図る。

 続けて広域渋谷圏を舞台にワーカーをつなげるコミュニケーションアプリ「SHIBUYA MABLs」の提供も発表された。こちらはShibuya Sakura Stageにオフィスを構えるArsaga Partners,Inc,が開発を担当し、すでにShibuya Sakura Stage内のワーカーに向けたイベントなども行われているという。

「404 Not Found」
「404 Not Found」
「FOOD MET」
「FOOD MET」

 また、「幹」である「文化創造発信の場・交流の場」については、カルチャーとフードが交わり、新たなつながりが生まれる場「サクヨン」を設立。”多様性のコンテンツ、ゲームを起点とした渋谷のあそびば”こと「404 Not Found」、全店舗が新業態・初出店となる「FOOD MET」、日本の優れたコスメ・キャラクターを世界に発信する「コンテンツ・ポップカルチャーゾーン」、起業支援施設としての会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート 渋谷サクラステージ」、国際医療施設としてウェルビーイングを支える空間「SHIBUYAウェルセンター」がオープンする。

「TSUTAYA BOOKSTORE」
「TSUTAYA BOOKSTORE」

 そして「花」である「生み出される新しいライフスタイル」については、テナント企業を中心とした提携を含めて展開していくとのこと。sansan社とLegal On Technologiesとタッグを組んだ、新たなビジネスが生まれるまちとしての「スタートアップ共創」、カルチュア・コンビニエンス・クラブ社と提携し渋谷エリア最大級の書店として新たにオープンする「TSUTAYA BOOKSTORE」、アートの社会実装を試みる「re-search」などで、カルチャーを軸とした新たな体験価値の創出を狙っていくという。

 また、ゲームクリエイターの支援を行うプロジェクトとして「GAME CREATOR FINDING」もスタート。BitSummitを主催するSkeleton Crew Studio社と協業し、404 Not Foundを舞台にした取り組みを行っていくそうだ。

 会見後にはJR渋谷駅新駅舎・新南改札口の説明会が行われた。こちらは7月21日より利用開始となり、1・2番線(山手線)と3・4番線(埼京線・湘南新宿ライン・成田エクスプレス)のホームと直結している。1・2番線ホームはエスカレーターのみが稼働(階段・エレベーターは2025年夏より使用可能)するようだ。

 そのほか、各エリアの詳細なレポートについては追ってお伝えしたい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる